MLBの読み物

MLB(メジャーリーグ)の少しマニアックな情報を発信するサイトです。

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MLB
関連の用語(特に移籍関連)の詳細な解説を作成してきました。一区切りとしてまとめのページを作成しました。このページに今まで作成した用語とそのリンクを貼っておきますので、それぞれのページにアクセスしてみてください。

 

10-and-5 Rightsの記事はこちら

25人ロースターの記事はこちら

40人ロースターの記事はこちら

DFA(Designate for Assignment)の記事はこちら

・アウトライト(アウトライト・ウェイバー)の記事はこちら

・リリース(リリース・ウェイバー)の記事はこちら

・サービスタイムの記事はこちら

FA(フリーエージェント)の記事はこちら

・年俸調停の記事はこちら

 

以上で特に難解な用語については理解できるかなと考えています。この用語についてもページを作成して欲しい等依頼がありましたらTwitterDMからご連絡ください。

 

 

Photo BY

Keith Allison

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ロッキーズのGMであるジェフ・ブリディッチがチームの主砲であるノーラン・アレナドに関するトレードの噂を沈静化させた当日に、アレナド自身が月曜日に沈黙を破り、「無礼」だとコメントを発表しました。

 

ブリディッチGMは来月アリゾナでスプリングトレーニングを行う時に、アレナドがロッキーズの選手として参加する事と少なくとも今のところ、トレードに関する交渉は持っていないという事を明かしました。

 

「シーズンが近づき、スプリングトレーニングが近づいているのでそれに焦点を合わせ始めている。」とブリディッチは言いました。 「我々はアレナドに関するトレードに関して複数のチームからオファーを受けたが、実際には何も起きていない。だからこの話題を沈静化させて、次のシーズンに向けて準備を進める。」とも付け加えました。

 

ブリディッチのコメントについて質問されたアレナドは次のようにコメントしました。「言われている事にはそれほど興味がないが、自分が無礼な扱いを受けているという事は分かっている。」

 

アレナドは、彼が使った「無礼」という言葉の意味については詳細を話すことを拒否しました。

 

アレナドは昨年2月に8$260Mの契約延長を結んでおり、残り7年間で$234Mの契約が残っています。また彼は2021年シーズンのオフに契約をオプトアウトできる権利も持っています。

 

さらにアレナドの契約には完全なトレード拒否条項も含まれています。つまり彼が望まないチームへのトレードを拒否することができます。

 

ある情報源によると、シーズン開幕前にトレードが起こる可能性は低いと考えられていましたが、同じ情報源によるとロッキーズが2020年シーズン前半に不調が続くと夏のトレード市場でのトレードの可能性が高くなるとも言われています。

 

アレナドは昨年契約延長に合意しました時には楽観的な雰囲気を漂わせていました。

 

「このチームが大好きだから、契約延長を決めたのだ。」とアレナドは語っていました。さらにその言葉に続いて「このチームは居心地が良いし、チームの若い選手達に満足している。そしてこのチームで勝つことができると本当に信じている。もしロッキーズで勝てると信じていなかったら、契約延長には同意していない。長期的にこのチームに留まるつもりだ。」とも付け加えていました。

 

しかし2017年から2年連続でプレーオフに進出したロッキーズは昨年投手陣の不調もあって7191敗と残念な結果に終わり、この結果はアレナドを失望させたようです。

 

アレナドは9月中​​旬にデンバーポストに「90敗以上を喫する事になりそうだ。契約延長を行なった時のプランでは、こんなはずではなかった。」と語っていました。

[補足]

アレナドとロッキーズの軋轢について、ESPNのジェフ・パッサンも記事を出しました。MLB30球団全てを対象として取材を行う彼らしく、他チームに関する情報も書かれていたので補足します。

 

チームが7191敗と酷い成績を残したこのオフに、ロッキーズが補強を行わないという方針を示した事にアレナドは裏切られたと感じたようです。アレナドとしては、今季勝つための戦力を整える気がないチームのエグゼクティブ達に対して不満があったと言えます。

 

またアレナドのトレードに関してロッキーズは、ブレーブス・カージナルス・レンジャーズそしてカブスとも交渉を持っていました。しかしロッキーズは先週その4チームに対して、トレードの話合いを沈静化させて行きたいと伝えました。これはトレードに関する話合いを一切行わないという事ではなく、積極的な話し合いは行わないという意味です。実際にロッキーズはこれらのチームと先週末も話合いを行なっています。

 

しかしロッキーズはこれらのチームに対してトッププロスペクトを含めるように要求しており、それらのチームに所属するエグゼクティブ達はパッサンに「馬鹿げている」や「彼ら(ロッキーズ)にアレナドをトレードする気があるとは思えない」と伝えています。

 

またロッキーズとアレナドの軋轢の背景には、それぞれの立場があるようです。ロッキーズ側としては昨年2月に契約延長を行なったアレナドにもっとリーダーシップを発揮してもらいたかったようです。一方のアレナド側は同地区のチームが続々と戦力強化に成功する中で、チームの補強が少なく今オフもMLBレベルでFA選手を1人も獲得していない事に疑問符を持っていたようです。


 

*ロッキーズにリーダーシップが欠けているという指摘は去年の秋にもありました。アレナドやブラックモンは真面目で若手のお手本になるタイプだけど、連敗中のチームの雰囲気を一変させるような存在ではないという指摘は興味深いですが、ロッキーズは契約延長前にそれを把握していなかったのかという疑問も浮かびます。

今回アレナドとロッキーズの軋轢が明らかになった事で、ロッキーズのアレナドに対する扱いが変化する可能性は大いにあると多くのエグゼクティブが感じているとパッサンは書いておりこのニュースの今後の進展が注目されます。


 

 

参考①:Nolan Arenado feels “disrespected” as Rockies GM Jeff Bridich nixes trade talks 

参考②:Nolan Arenado's ire rooted in Rockies' inactivity after 71-91 season

Photo BY: jenniferlinneaphotography

 

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現地時間月曜日に
MLB
機構の調査結果をまとめたレポートが発表されて以降、今週は3人の監督と1人のGMの椅子が空く異常な事態になりました。さらにホゼ・アルトゥーベとアレックス・ブレグマンはユニフォームの下に振動装置を入れて、そこからサインの情報を盗んでいた疑惑まで浮上しました。

 

そんな中で昨日ヒューストンではアストロズのファンフェスタが開かれました。その中からアルトゥーベとブレグマンが取材に応じ、一連の調査結果や新たに浮上した疑惑についてコメントしました。今回は彼らのコメントを紹介したいと思います。今回はブレグマンはチームの広報部門が用意した型どおりの回答に終始したようで、アルトゥーベの発言を主に取り上げたいと思います。

 

①新たに浮上した振動装置に関する疑惑について

これについては、アルトゥーベは「馬鹿げている。チームメート達はその噂が間違っていると分かっているし、誰かがでっち上げたという事も分かっている。幸いにもMLBが調査を行なって、その結果何も見つかっていない。(自分に関する噂や情報を)全てコントロールする事は出来ない。だから自分がコントロール出来る範囲の事をコントロールする事に集中する。」と完全に否定するコメントをしました。さらにブレグマンも愚かな意見だと一蹴しています。

 

②電子機器を用いたサイン盗みが選手主導だと報告された件について

こちらに関しては、アルトゥーベは「この問題について話すタイミングは今ではないと思う」としてコメントを拒否しました。

 

③電子機器を用いてサインを盗んだ事から盗人と呼ばれる事について

アルトゥーベは「そんな風に呼ばれたくはないけれど、(そのような批判を受ける事に対しての)対処法は2通りしかない。1つはそれを聞いてただ泣く事で、もう1つは外に出て行き野球をしてチームを助ける事だ。私がどちらを選ぶかは言うまでもないよね。」とコメント。

 

その他にもAJ・ヒンチ監督やジェフ・ルーノーGMへの処分とその後の解雇については、アルトゥーベは彼らに申し訳ないと語り今季再びチーム一丸になってワールドシリーズの舞台に戻る(チームの実力を証明する)とコメントしました。

 

また今回はアストロズがブレグマンとアルトゥーベ1人ずつではなく、彼らの側に2017年にMLB未昇格だったフォレスト・ウィットリーやエイブラハム・トロら若手を並べて出来る限り質問を抑えようとしていたようです。いずれにせよしばらく話題が尽きない感じですが、現在調査中のレッドソックスに関しては主砲のJD・マルティネスが興味深い発言をしました。

 

彼は2018年の電子機器を用いたサイン盗みの疑惑を断固として否定。 さらに調査結果を見るのが楽しみとまで語ったのです。彼も当然報告書とアストロズへの処分は知っているはずで、このタイミングで自分達は何も不正をしていないと言うのはかなり驚きでした。レッドソックスに関しても情報が出ればブログにあげて行きたいと思います。


 

参考①:Jose Altuve on Buzzer Speculation: 'We All Know Some People Made That Up'

参考②:Altuve, Bregman discuss sign-stealing scandal

参考③:Astros' Alex Bregman, Jose Altuve address buzzer rumors

Photo BY: Rough Tough, Real Stuff

 

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この冬にブルージェイズは柳賢振と4$80Mの高額契約を結んだ。この契約が示しているように、ブルージェイズは彼をチームの新たなエースとして認識している。彼は長年登板すれば好投してくれるが、故障の多さから1年を通しての活躍には期待できなかった。しかし昨年は1年を通して健康を維持して、高いパフォーマンスを見せてサイ・ヤング賞のファイナリストにも残った。

 

そんな彼が好成績を残した裏側には、昨年まで所属していたドジャースの他の選手とも全く異なる調整方法にあった。なんと彼は登板間にブルペンでの投球練習を一切行わないのだ。今回はそんな彼の独特な調整方法についてスポーツ・イラストレイテッドの記事に基づきながら紹介したい。

 

ドジャースのウェイトルームから送られた拍手は、野球界で現在最高の投手がチームメイトを再び驚かせたことを意味している。左腕である柳賢振はさまざまな方法でチームメイトを驚かせている。例えば柳賢振の防御率は現在1.36と驚異的だし、正確無比なコマンドも持ち合わせている。その結果彼に打ち取られた打者達は、90マイルの4シームに苦しめられている理由が分からず頭を振りながらダグアウトに戻らざるを得ない。

 

しかし6回を投げて6奪三振、1失点と好投した柳は試合翌日には一体何をしているのだろうか?

 

柳はドジャースのチームメイトを彼が残している結果よりもその結果を出すためのプロセスで驚かせている。彼の同僚達は彼が5つの球種を4コーナーに投げ分ける事で、打者を球種とコースを掛け合わせて20通りの方法で幻惑する様子を見ている。柳が健康にシーズンを過ごせば登板日ごとに相手打線を圧倒できるとドジャースの選手達は長年分かっていたのだ。

 

柳は登板間にブルペンでの投球練習を行わない。さらに彼はダンベルを持ち上げる事もない。それどころか彼は全力でキャッチボールに取り組む事すらないのだ。

 

可能な限り頻繁にハードな投球練習を行う右腕のウォーカー・ビューラーは柳と頻繁に冗談を言いあっている。(自身のトレーニング方法と比較する意味で)「柳の調整方法を見ていると、うんざりしてしまうよ。」

 

柳はトレーニング後の休息の取り方でさえも多くのチームメイトの関心を集めている。ドジャースには一度に25人ロースターの内半分の選手を収容できるサウナがある。ほとんどの選手達はサーモスタットを華氏110度前後に設定し、色々な事を話しながら10分間過ごします。ところが柳は華氏を125度に設定して、あぐらをかきながら静かに最大30分間過ごす事を好むのだ。

 

また他の選手は浴槽を温かいものは華氏100度前後に設定して、冷たいものは華氏50度に設定して使用している。ところが柳はそれぞれに温かいものには5度高く設定して、冷たいものは5度低く設定して使用している。

 

右腕のロス・ストリップリングはかつてヒストリー・チャンネルで放送された極端な気温を感じない人々に関する『現代の驚異』のエピソードを思い出す。そんな彼は「柳はその一人だと思う」と言い、「柳は現代の驚異だ。」とも付け加えている。

 

それに対して柳は「それ(自身が温度差を感じない事)はそんなに特別なことではないと思う。ただしチームメイトからは、それぞれの浴槽がどれほど寒いのか暑いのかについて聞く事もあるよ。」と語る。

 

柳が耐えられる温度差は非常に大きいため、一旦彼が部屋に入ると他の選手は退出してしまい部屋が空になってしまう。他の選手は、彼らがその温度差に耐えられない事に気付いているのだ。「他の選手の多くは柳のスケジュールに合わせてサウナの時間を調整しているから、彼がサウナにいる時は他の選手はいないよ。」とストリップリングは言う。

 

現在の活躍には自分でもとても驚いていると柳は通訳のブライアン・リーを通して言う。 「運や後ろで守っているチームメイト、そして自分が取り組んでいるトレーニングが上手く行っているからだろう。しかし、シーズンのかなり早い段階なので、これが継続するかを考えるには時期尚早だろうね。」とも付け加える。

 

しかし柳の意見と異なる意見をストリップリングは示す。「防御率は確かに少し驚きの数字だ」と彼は言う。「しかし健康なときは、2-0からチェンジアップや3-1からカーブボールを投げられる。マイク・トラウトは(彼に対して)2回三振したけど、彼のバランスを崩すことはほとんど不可能と言っていい。(そんな事が出来る)柳の問題は健康を維持できるかだけだった。」

 

確かに健康こそが柳のパフォーマンスの最も驚くべき要素かもしれない。彼は高校でトミー・ジョン手術を受けた後、KBOのハンファ・イーグルスに入団した。2013年シーズンの前にドジャースはハンファに2570万ドルを支払い、その後6年間で柳とは63600万ドルの契約を結んだ。その後彼は6年間で557イニングしか投げていない。昨年も投球内容は良かったが、故障で3ヶ月間を失った。

 

そんな彼が現在リーグを支配している。彼の現在の活躍には、彼の独特なルーティンが関係している。 そのルーティンとは、ドジャースの選手達が見た中で最も激しい肩のトレーニングである。柳も「これに関しては、チームメイトに同意するよ。確かにあのトレーニングは少し激しいね。」と語る。

 

その日が登板日かそうでないかに関わらず、彼は毎日軟部組織のマッサージとストレッチを行なっている。登板がない日のトレーニング方法は以下の通りである。

登板した1日後:ウェイトを用いた肩のトレーニング

登板した2日後:ショルダーチューブを使用したトレーニング

登板した3日後:上半身の運動を行なった後に、肩のトレーニング

登板した4日後:翌日の対戦相手の研究

 

これらの一連の調整は、彼を上手く助けているように見える。ウェイトルームでは、ビューラーがスクワットラックから叫ぶ。「ここに来てよ!(トレーニングを積めば、)多分96マイルのボールを投げられるようになるよ!」

 

それを聞いた柳は笑う。 「俺には必要ない!」

 

参考:Hyun-jin Ryu's Training Routine Is More Baffling Than His Success

Photo BY: Shea Huening

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今週月曜日に、MLB機構によるアストロズの電子機器を用いたサイン盗みに関する報告書が発表されて関与したジェフ・ルーノーGMAJ・ヒンチ監督の処分が発表されました。

 

その後も当時ベンチコーチとしてサイン盗みを首謀していたと報告されたアレックス・コーラがレッドソックスの監督を退任して、数ヶ月前にメッツの監督に就任したばかりのカルロス・ベルトランも今日で監督退任となりました。

 

月曜日からMLBの監督のポジションが3つも空くなど怒涛の展開となっていますが、日本時間の今朝になってアストロズの中心選手に新たな疑惑が浮上しました。アストロズに所属しているホゼ・アルテューベとアレックス・ブレグマンがユニフォームの中に電子機器を仕込み、その振動音を利用して球種を把握していた疑いが浮上したのです。

 

発端となったのはベルトランの姪を名乗る人物がTwitterでアルテューベとブレグマンの件を投稿した事です。そのツイートのスクショを撮ったツイートが拡散されて一気に話題になりました。ただしあくまで正体不明の人物のツイートであり、この時点では信憑性がそれほど高くありませんでした。

しかしその後レッズに所属するトレバー・バウアーが同じ話(アルテューベとブレグマン)の話を聞いたとツイートした事で、一気に信憑性が高くなりました。


 さらにこのツイートに呼応するかのように、その他の現役選手達もTwitter上で批判を展開し始めました。それぞれの選手の発言内容をまとめます。

①アレックス・ウッド(LAD)

次にどんなボールが来るか分かっている打者と対戦するぐらいなら、ステロイドを使っていす打者と対戦したい。


 

②マーカス・ストローマン(NYM)

 

狂ってる。野球界で出てくるこの戯言すべてを信じることはできない。ただ座って、それがすべてどうなるか見てみよう。俺なりに思う事はあるけど、それは心の中にしまっておくよ。時々、「コメントなし」が1番良い選択肢になることを学んだよ!笑


 

③トミー・ファム(SD)

 

ファムはコメントを付けずに、アルテューベと思われる選手のユニフォームで少し浮いてみえる部分に印をつけた画像をツイートしました。これが彼らの着用していた機器だと主張したいのだと思います。


 

ただしあるアストロズのファンがアストロズ以外のアーロン・ジャッジやベリンジャーもアルテューベのものと似ている機器をつけているように見える動画をツイートしておりファムの画像が決定的な証拠とまでは言えないかと思います。


 

その一方でアルテューベに関しては、昨年2019年のヤンキースと対戦したALCSでシリーズ勝ち抜けを決めたサヨナラHRを打った後の行動が注目されています。

 

シリーズ勝ち抜けを決めた訳で、チームメートと共に祝福するのがよくあるパターンかと思います。ところがアルテューベは不思議にもダグアウトに走っていき、Tシャツに着替えて戻ってきたのです。この動画からフィールドでユニフォームを脱ぐと、機器を着用している事がバレると考えてダグアウトに戻ったのではないかと指摘されているのです。


 

今回浮上した新たな噂に関しては、アルテューベが代理人のスコット・ボラスを通してコメントを発表しているのでその一部を紹介します。



(中略)

(アルテューベ)MLBでプレーしている時に電子機器を着用した事はありません。

(中略)

またALCSでの行動に関しては、(フィールドでユニフォームを脱ぐ事が)恥ずかしかったからです。

またMLB機構も2019年にアルテューベやブレグマンが電子機器を用いていた事実はないと改めてコメントを出しています。それでも疑惑が残ったままではMLBがファンからの信頼を大きく損ないかねない大問題に発展する可能性もあるのではないかと思います。

参考:Altuve denies wearing electronic device in wild day of theories, accusations

Photo BY: Rough Tough, Real Stuff

 

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アストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF9ページ)を全文日本語でお伝えしましたが、番外編として今回はルーノーGMとヒンチ監督の処分後の声明文を日本語で紹介します。

 

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。

 

1.ジェフ・ルーノー(前アストロズGM)による声明文

私は(チームの野球に関する運営を担当する)フロントオフィスの社長およびアストロズのGMとして、私の監督下で発生したルール違反に対する責任を受け入れます。アストロズの組織、アストロズのファン、そしてヒューストンのコミュニティに今回の問題が引き起こした恥に関して謝罪します。フロントオフィスの運営を指揮する機会を与えてくれた(オーナーの)ジムクレーンに深く感謝します。

 

私は不正を犯す人間ではありません。野球界の内外での32年間のキャリアで私と密接に協力してくれた人なら誰でも、私の誠実さを証明できます。ルールが破られていることは知りませんでした。コミッショナーが彼の声明で述べたように、私は個人的に不正行為を指揮、監督、または関与しませんでした。サインを盗む行為はフロントオフィスの上層部によって計画または指示されたものではありません。ゴミ箱を叩いてサインを伝える方法は選手達によって計画および実行され、ビデオを使ってサインを盗む手法に関してもベンチコーチと彼に協力した下位レベルのスタッフによって開始および実行されました。(もし私がサイン盗みに関する事実を知っていたならば)私はそれを止めたはずなので不正行為を知らされなかったことに深く腹を立てています。

 

私たちのフロントオフィスはこの重大なマイナス面をはるかに上回るプラス面を達成してきたというクレーン氏の意見に同意します。多くの非常に優秀な人々がアストロズのために働いてきました。私は、アストロズのフロントオフィスで訓練を積み昇進して現在球界で活躍している人達を、非常に誇りに思っています。

 

2.AJ・ヒンチ(前アストロズ監督)による声明文

野球界の最高の利益を守るためのマンフレッドコミッショナーの揺るぎない決意に感謝します。これらの出来事(電子機器を用いたサイン盗み)に関係していることを後悔し、この期間内のチームの行動に失望し委員の決定を受け入れます。

リーダーおよびMLBチームの監督として、野球の格式を最高の形で示す誠実性を持ち選手とスタッフを率いることは私の責任です。様々な証拠が示しているように私がサインを盗む行為を支持または参加しませんでしたが、私はそれらを止めることができず、とても申し訳なく思っています。

今回の問題が彼とアストロズに及ぼしたすべての否定的な側面について、私は(オーナーの)クレーン氏に謝罪します。ファンにはこの困難な時期を通して継続的にサポートしてくれたこと、そしてこのチームに感謝します。間違いを犯したことをお詫び申し上げますが、そこから学ぶことができると確信しています。

ヒューストンで私が過ごした時間を通して、私はキャリアの中でもいくつか最高の瞬間を経験できました。それらの(最高の)思い出は(これからも)常に私と私の家族の近くで大切なものとして残っていきます。アストロズでの時間が終わったことには悔いが残りますが、チーム・選手・そして光栄な事に共に働く事が出来たスタッフを応援していきたいと思います。私が愛する野球の世界で将来彼らに幸運がある事をお祈りしています。

 

Photo BY: Photo BY:M&R Glasgow

参考:①A.J. Hinch releases statement after being suspended and fired

② Jeff Luhnow issues statement in wake of suspension, firing

 

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

ジェフ・ルーノーGMの責任

ルーノーはサイン盗みに用いられた2つの手法であるゴミ箱を叩く方法とリプレイレビュールームスタッフがサインを解読してそれをダッグアウトに送信する方法への関与を断固として拒否しています。 調査ではルーノーがゴミ箱を叩く方法を認識していたことを示唆する証拠は見つかりませんでした。 また調査によると、ルーノーが2017年または2018年にリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読する方法を考案したり、積極的に指示した事実は見つかりませんでした。

ルーノーはリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読して送信している事に気付いていた事も否定していますが、 実際には彼がその手法を知っていた上でそれほど関心を示さなかったという事を示す文書的な証拠と証言があります。

 

チームの規則違反に関してルーノーがどれほど把握していたかとは関係なく、私は彼のチームが行なった違法行為について彼に責任を負わせます。GMの仕事はスタッフと選手の行動を認識し、それらの行動がオーナーとMLBのルールによって設定された行動規定の両方に適合することを保証することです。

20179月のレッドソックス事件に関して彼は知っていた事そして2017915日に私が全球団に送付した文書とジョー・トーリが送付した20183月の文書の両方を受け取ったにもかかわらず、ルーノーはチームが規則を遵守していることを確認するための適切な措置を講じることができませんでした。

ルーノーは上記の文書の内容を伝えず、選手とスタッフがMLBのルールと文書に適切に対応していることを確認しませんでした。ルーノーが20179月にそれらの措置を講じていたら、その時点でアストロズが両方のサイン盗みをやめていたことは明らかです。

 

最後にALCSでのブランドン・トーブマン前GM補佐の行為に関する調査に関する9回の面談に加えて、今回の調査で実施した68件の面談から収集したアストロズのフロントオフィスに関するいくつかの一般的な観察を行います。

フロントオフィスの運営に関する経験が豊富な人物を擁する他のチームと同様に、アストロズのオーナーであるジム・クレーンはフロントオフィスの裁量をルーノーに委任しつつ、(彼自身は)チームのビジネス側の運営に注力しています。

 

そしてルーノーが野球界の分析革命を先導しアストロズをプレーオフの常連のチームに再建した現在最も成功した野球エグゼクティブの一人であると広く考えられているという事実に照らしても、野球部門とビジネス部門で責任の分担を疑問視することは困難です。ルーノー率いるフロントオフィスが分析の業界リーダーであることに誰も異議を唱えることはできませんが、従業員の扱い方や他のチームとの関係に現れているフロントオフィスの文化、メディアや外部の利害関係者との関係は非常に問題があります。

少なくとも私の考えでは、フロントオフィスの結果を優先しすぎる文化がしばしば指示や十分な(上司による)監督を欠いているスタッフと結びつき、それが部分的にブランドン・トーブマンの事件につながりました。さらにその事件に対する不適切で不正確な事後対応、そして最終的に今回のレポートで記載されているような事が起こる環境に繋がっていると言えます。あくまでこれらの指摘は野球に関する事を決定するフロントオフィスに対して向けられたものであり、今回の調査は野球とは独立したビジネス部門には及んでいません。

 

AJ・ヒンチ監督の責任

ヒンチはゴミ箱を叩く手法を考案した事もそれに参加することもありませんでした。ヒンチは調査員に、ダグアウトの近くに設置されたモニターを使用して選手がサインを解読しゴミ箱を叩く行為を彼はサポートしなかったと言いました。

ヒンチはモニターを物理的に2回損傷させて交換を必要とすることで、サイン盗みを認めないという意思を示そうとしました。

ただしヒンチは20179月にレッドソックスが懲戒処分を受けた後でも、サイン盗みを拒否せず選手達またはコーラがサイン盗みを行う事を止めなかった事を認めました。

同様に彼はリプレイレビュールームからサインを伝達する方法に関しても存在を知りながらも止めませんでした。しかしながら彼はこの方法にも同意せず、サイン盗みの目的でのリプレイフォンの使用に関して少なくとも1度懸念を表明しました。選手とコーチを管理する責任を持つ人物としてヒンチが行動しなかったことを正当化することはできません。

 

もしヒンチが状況の処理方法を分からなかったならば、問題をルーノーに伝える事は彼の責任でした。ヒンチはサイン盗みの継続を許可したことについて、私と調査官の両方に後悔の念を示しました。ヒンチの反省は評価に値しますが、特に彼は一連のサイン盗みに関する事情に精通しており2017年のポストシーズンを通じてそれを続けることを選択したのであり彼はチームが行なった行為に対して責任を負わなければなりません。

 

アレックス・コーラ(2017年アストロズのベンチコーチ)の責任

コーラはゴミ箱を通じたサイン盗みの手法の開発とリプレイレビュールームの利用によるサインの解読と送信の両方に関与しました。コーラは両方の行為に参加し彼の積極的な参加を通じて、暗黙のうちに選手達の行為を容認しました。DOI2018年にコーラが監督を務めるレッドソックスが行なった電子機器を利用したサイン盗みに関する調査を完了させるまで、彼の処分の決定を延期します。

 

ブランドン・トーブマン(前アストロズGM補佐)の責任

トーブマンはALCSの試合後に複数の女性記者に対する不適切な行為により、20191024日にアストロズによって解雇されました。今回の疑惑に関して調査員はトーブマンと面談を行い、彼もルーノーのようにサイン盗みの行為への関与を否定しました。アストロズの今回のMLB規則違反に対するトーブマンの過失を判断する必要はないと思います。これは、以下で説明するように、クラブハウスでのトーブマンの不適切な行為に対する重大な懲戒を課しているからです。

 

ジム・クレーン(アストロズオーナー)の責任

ジム・クレーンはチームが行なったMLB規則の違反を知りませんでした。 実際レッドソックスの違反が発表された後に、クレーンはルーノーにアストロズでは同様の行為が行われていないかを確認する必要があると語っていた。

下位レベルのアストロズのスタッフの中には、ルール違反を知っている人や、他の人の指示で違反に参加した人がいました。 これらのより若い従業員の行為が懲戒またはその他の是正措置に値するかどうかはアストロズに委ねます。

 

処分内容

アストロズとそのフロントオフィスの上級幹部の行動は重要な懲罰に値することがわかりました。この調査結果は20179月にフロントオフィスの上級幹部がサインの盗難に関するポリシー違反の責任を負うことを明確に通知し、彼らが2017年のポストシーズンおよび2018年のレギュラーシーズン中にチームの選手とスタッフがこの規定を遵守する事を確認するための行動を取らなかったという事実に基づいています。

ここに記載されている行為によりファン、プレーヤー、他のMLBチームのスタッフ、およびメディアはアストロズが参加したゲームの誠実さについての質問を提起しています。そして行為が実際にフィールドの結果に影響を与えたかどうかを判断することは不可能ですが、それが実際に行われたという認識はゲームに重大な損害をもたらします。

 

1.

チームは2020年および2021年のドラフトでの通常の第1順目及び第2順目での指名権を放棄します。チームがFA選手の獲得等により、ドラフト1巡目指名権等を失っている場合は翌年のドラフトで該当する指名権を没収するものとします。

2.

クラブはコミッショナーオフィスに500万ドルの罰金を支払いますが、これはMLBの規定で認められている最高額の罰金です。

 

1.

ジェフ・ルーノーは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ルーノーはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ルーノーは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。彼の停職期間中コミッショナーオフィスは、このレポートに記載されている種類のインシデントが将来発生しないようにするために、ルーノーと適切な管理/リーダーシップトレーニングプログラムについて話し合います。またルーノーが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

2.

AJ・ヒンチは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ヒンチはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ヒンチは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。 ヒンチが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

3.

20191019日のクラブハウスでの不適切な行為に基づき、ブランドン・トーブマンは、2020年のワールドシリーズ終了の翌日までMLBのビジネスに関与する事が出来ません。また2020年のワールドシリーズ終了の翌日には彼は復職を申し込む資格があります。トーブマンがMLBのルールの将来の重大な違反に関与していることが判明した場合、トーブマンは永久追放リストに掲載されます。

 

2020113

MLB機構コミッショナー

ロバートD. マンフレッド, Jr.

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:M&R Glasgow

 

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