MLBの読み物

MLB(メジャーリーグ)の少しマニアックな情報を発信するサイトです。

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年ぶりにMLBのドラフトのモックドラフト(指名予想)をやってみました。今年はアストロズが1巡目の指名権を剥奪されたので、上位29球団の予想になりました。29球団のMLBの状況とマイナーの状況、過去の指名傾向等に基づいて独断と偏見で予想しています。それぞれのチームを応援しているファンからすれば見立てが甘い等あると思いますが、そこは優しい気持ちで読んでください。
話が変わりますが、アイキャッチ画像には過去のドラフト全体1位指名選手としてハーパーの画像を使ったんですが、彼がドラフトされて今年で丁度10年なんですね。時間が経つのが早すぎてビックリです。 

表記は選手名(リンク先で大学生の選手は成績が見れます)/ポジション/学校名です。ではお楽しみください。

 

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指名ルールの変更が2020年のMLBドラフトに与える影響を考察

2018MLBモックドラフト

 

1.タイガース

スペンサー・トーケルソン/1B/アリゾナ州立大学

バリー・ボンズ(SF)の出身校として有名なアリゾナ州立大学のスラッガーを今年の全体1位指名に予想する。タイガース傘下はケイシー・マイズやマット・マニングといった投手プロスペクトの層が厚くなっている。一方野手は最も評価の高いライリー・グリーンがまだ若く、層が薄い感は否めない。大学3年間で112試合に出場して48HRを量産したトーケルソンは理想的な指名になるだろう。

 

2.オリオールズ

オースティン・マーティン/3BorOF/バンダービルト大学

再建中のチームだが、昨年と一昨年のドラフトで指名したアドリー・ラッチマンとグレイソン・ロドリゲスが好成績を収めているのは希望を感じる。投手野手のバランスもそれほど偏りがないので、アサ・レイシーと迷ったが多くの媒体で名前が挙がったマーティンを予想する。昨年打率.410を記録したコンタクト力が最大の魅力だが、守備位置が定まっていないのは若干の不安材料か。

 

3.マーリンズ

アサ・レイシー/LHP/テキサスA&M大学

近年の主力の大量放出やドラフトの上位指名権を生かして、マイナー組織はかなり整備されている。また既にAAAに到達している選手も多い一方で、A級以下の選手も多くバランスも良い。そうなるとベストの選手を獲るのが妥当と考えて今年のドラフトでも屈指の投手であり、将来のエースになりうる存在であるレイシー指名を予想する。大学通算でK/912.52と優秀だが、BB/94.22と高い点は今後修正が求められるだろう。

 

4.ロイヤルズ

ニック・ゴンザレス/2B/ニューメキシコ州立大学

大量の上位指名権を持っていた2018年ドラフトの成果もあり、ファーム組織は一時期の酷い状態を脱している。ただし全体的に階層が低いリーグに所属している選手が多く、MLBレベルでの成果が見えるにはまだ時間がかかりそう。そう考えると、高リスクの高校生よりも大学生で堅実な指名を行うのではないかと見る。以上の視点からゴンザレスの指名を予想する。ゴンザレスは打者天国のニューメキシコ州立大学に所属していた点は割引く必要があるが、大学時代を通じて成績を残しており無難な選択肢となるだろう。

 

5.ブルージェイズ

エマーソン・ハンコック/RHP/ジョージア大学

昨年は大きく負け越したが、ブラディミール・ゲレーロJrがデビューするなど意外と早めにコンテンダーに戻る可能性もありそうだ。ファーム組織はゲレーロやボー・ビシェットの卒業で弱体化したが、そこまで悪くなく次代のエース候補ネイト・ピアーソンも控えている。ただしチーム内ランク上位の選手は結構マイナー下層に多いので、ある程度完成された選手を狙うのではないかと見る。個人的にはここでリード・デマーズもあるかもと思ったが、ハンコックのアップサイド考えるとハンコックの方が現実的だと考えてハンコック指名を予想する。

 

6.マリナーズ

へストン・キースタッド/OF/アーカンサス大学

トレード魔神ことジェリー・ディポトGMのもと主力の大量放出で一気にプロスペクトが潤った。ポジション別に見ても選手の所属階級的にも偏りが少なく、個人的にかなり良いマイナーだと思う。そう考えると指名できるベストの選手を指名するのがセオリーという感じで、予想する上ではギャレット・ミッチェルとキースタッドで悩んだ。ただミッチェルのパワーは未知数な部分もある事と高校生時代にも指名したキースタッドを選ぶのではないかと見る。

 

7.パイレーツ

リード・デマーズ/LHP/ルイビル大学

今季からGMがベン・チェリントンに変わった事もあり予想が難しい。チェリントンはレッドソックスのGM時代の2013年のドラフトで、トレイ・ボールを指名して失敗した過去があるので高校生は避けるのではないかと見る(少々強引な理由ですが)。そう考えると無難な選択をする可能性が高いとみて、デマーズを予想する。デマーズは今年のドラフトの中でも完成度が高く、高確率でMLBへの昇格が期待できると評判の選手。

 

8.パドレス

ザック・ビーン/OF/スプルース・クリーク高校

将来のエース候補マッケンジー・ゴアを中心に優秀なプロスペクトが揃い、マイナー組織はMLBでも屈指のチーム。マイナー組織に余裕があり多少の失敗が許容される点と過去3年のドラフトでは毎年高校生を指名している点から、今年も高校生を指名すると予想する。ビーンは豪快なスウィングに定評があり、コディ・ベリンジャー(LAD)と比較される。

 

9.ロッキーズ

マックス・マイヤー/RHP/ミネソタ大学

MLB公式サイトのファーム組織ランキングで27位とマイナーの状況は良くない。またMLBでもノーラン・アレナドの放出が噂されるなどチームとして転換点に差し掛かっているのかもしれない。組織としてはブレンダン・ロジャースを筆頭に野手のプロスペクトが目立つので、今回は投手を確保するのではないだろうか。そう考えると多くの媒体でデマーズ指名予想が目立つのも分かる気がする。ただし今回はデマーズが9位まで残らないと考えて、マイヤーを予想する。

 

10.エンゼルス

ギャレット・ミッチェル/OF/UCLA

エンゼルスもファーム組織ランキングでの順位が低く、プロスペクトの層が薄い感じは否めない。またビリー・エプラーがGMに就任してからのドラフトでは1巡目に投手を指名した事がなく、今回もそれが踏襲される可能性が高いのではないか。そう考えると高校生の野手を獲得する可能性も高いと思うが、仮にミッチェルがここまで残っていたら指名を回避する理由もないと思うのでミッチェルを予想する。

 

11.ホワイトソックス

パトリック・ベイリー/C/ノースカロライナ州立大学

昨年はヨアン・モンカダやルーカス・ジオリトが活躍。オフには補強を施してチームへの期待は確実に高まっている。マイナーもルイス・ロバートやニック・マドリガルが残っており依然として高い水準をキープしている。過去10年のドラフトで1巡目に高校生を指名したのは1回だけと大学生を好む姿勢は顕著であり、今年も同様である可能性が高い。投手のコール・ウィルコックス等も良いと思ったが、将来的にトレードの駒になる可能性を考慮してポジションの価値が高い捕手のベイリーを指名すると予想する。

 

12.レッズ

ギャレット・クロケット/LHP/テネシー大学

オフに大型補強を展開するなど徐々に勝負モードに移行しつつある。ただし上記のホワイトソックスとは異なり、ファーム組織はそこまで良くない。このような状況なのでジックリ育てる選手よりは即戦力に近い選手を求めているのではないかと推測する。また近年の大学生の指名はニック・センゼルもジョナサン・インディアも大学最終年で成績を上げた選手であり、その意味では賭けに見えるがクロケットはピッタリな気がする。

 

13.ジャイアンツ

オースティン・ヘンドリック/OF/ウェスト・アラゲイニー高校

MLBのロースターは選手の高齢化が進んでおり、まさにチームは過渡期にいる。一方で数年前まで酷い状態だったマイナー組織は近年のドラフトの成功もあり盛り返している。ただしマイナー下層に所属している選手が多い。コンテンダーに返り咲くにはまだ時間が必要な状況なので、無難な大学生よりは原石に近い選手を獲る可能性が高い気がする。ただし意外と投手の上位指名は近年ないチームなので、高校生野手では屈指のパワーを有するヘンドリックを選択した。

 

14.レンジャーズ

ジャレッド・ケリー/RHP/レフュージオ高校

今年は新球場が開場して、未来に向けて大きな一歩を踏み出す予定だったがまさかの開幕すら未定という異例の事態に。ファーム組織もそこまで強いとは言えず、再建には少し時間がかかるかもしれない。大学生への指名が多くなりそうな今年はハイシーリングな高校生に賭けてみるのもありだろう。ケリーはThe テキサス州出身投手という感じで、大柄な体格から最速98マイルの速球を投げる投手。

 

15.フィリーズ

ディロン・ディングラー/C/オハイオ州立大学

昨年はブライス・ハーパーが加入したが、久しぶりのプレーオフ進出は叶わなかった。またマイナー組織も1年前はドラフトでの指名順位は低いが成績を残している選手(例:オースティン・リスティ等)がいたが、その選手達も2019年は昇格して成績を落とした場合が多く厳しいシーズンだった。マット・クレンタックGM就任後の4年間のドラフトではいずれも野手指名&唯一の高校生野手の指名だったミッキー・モニアックの伸び悩みから今回は大学生野手を指名すると考える。ディングラーは守備力に定評がある捕手。オーバーピックな感は否めないが、JT・リアルミュートとの契約延長は決まっていないし、仮に彼が残ればトレードチップにもなり得るし可能性はあると見る。

 

16.カブス

ブライス・ジャービス/RHP/デューク大学

昨年は数年ぶりにプレーオフ進出を逃して、ジョー・マッドン監督も退任と1つの時代に区切りがついた。チームは生え抜きの若手野手の年俸が高騰しており、動きたくても中々トレードやFAで積極的な動きができない状況が続く。今後の舵取り次第で再びPOに進むチームになる可能性もあるし、最悪の場合再建期に入る可能性もある。マイナー組織もそこまで評価は高くない。ドラフトでは2013年のクリス・ブライアント以降毎年初めの指名で大学生を指名しており今年もそれを踏襲するのではないか。ジャービスは1年前にヤンキースから指名を受けた時は速球の球速が遅かったが、今年で球速が一気に最速96マイルまで上がり評価も上がった。

 

17.レッドソックス

ミック・エイベル/RHP/ジェズイト高校

昨年はプレーオフ進出を逃しムッキー・ベッツを放出。GMもスカウト部長も変わり指名もかなり読みにくい。マイナーを見渡しても数年前に卒業したアンドリュー・ベニンテンディやヨアン・モンカダほどの選手はいないので、多少リスクはあっても伸び代が大きい選手を獲るのではないかと予想。例年のドラフトならエイベルがここまで残る可能性は低いと思うが、今季は事情が異なる。仮にエイベルがここまで残れば指名するのは悪くないと思い予想した。

 

18.Dバックス

エド・ハワード/SS/カーメル高校

マイク・ヘイゼンGMの手腕もあり、チームはMLBマイナー共にタレントが揃い将来の展望は明るい。近年メンバーが大きく変わった先発ローテーションもヘイゼンGMの目まぐるしいトレードの影響が大きい。さらにGM就任後のドラフトでは一貫して野手指名であり、野手をドラフトで獲り投手はそれ以外の手段で確保するのがヘイゼン流なのかもしれない。そう考えると今季も野手指名が既定路線に見える。高校生か大学生かが問題になるが、マイナーは潤っており指名できる最高の選手を獲るのが得策と考えてショートに残れる可能性が非常に高いハワード指名を予想する。

 

19.メッツ

ロバート・ハッセル/OF/インディペンデンス高校

昨年は大型補強を展開するも残念ながらプレーオフ進出はならず。今季もプレーオフ進出を目指しながら戦っていくだろう。マイナー組織の評価もそれほど高くないが、何よりも目立つのが外野手のプロスペクトが少ない点。ジャレッド・ケレニックを出したのは痛かった。そうなると外野手を獲りに行くのではないかと予想。ピート・クロウ=アームストロングと迷ったが、ケレニックに近いものを感じるハッセル使命を予想する。やっぱりケレニックを出したのは痛かった。

 

20.ブルワーズ

コール・ウィルコックス/RHP/ジョージア大学

近年一気に力をつけて2年連続でプレーオフ進出を達成。比較的予算が少ない事でも知られるチームだが、デビッド・スターンズGM含めフロントオフィスの活躍もあり競争力を維持している。一方でファーム組織はMLB公式サイトで30球団中最下位の評価を受けている。ただし韓国からアメリカに戻ったエリック・テームズが活躍し、プロスペクトとしてそこまで評価の高くなかったブランドン・ウッドラフ等がブレイクしているのでそこまでの心配はいらないかも。

ドラフトでは指名ポジションや大学生/高校生の指名を見ても特徴がないのが最大の特徴だと感じる。ただし今年のドラフトの特徴もあり、大学生に行くのではないかと予想。ウィルコックスはまだ大学2年だが、ポテンシャルは高くエースになれる存在。

 

21.カージナルス

ピート・クロウ=アームストロング/OF/ハーバード=ウェストレイク高校

昨年は久しぶりにプレーオフに出場。マイナー組織への評価はまずまずだが、あまり有名でない選手が突然MLBで大活躍するケースも多いチームなので今後も一気に悪くなることはなさそう。近年の指名では大学生の投手or 高校生の野手の二択が多い。ただ近年指名している大学生の投手の多くが大学最終年に好成績を収めている。そのため今年のようなシーズン打ち切りの状態で、ポテンシャルは評価されるが大学での実績がそれほど豊富でないカルメン・マジンスキやケイド・キャバリ指名の可能性は低いと考えて残る高校生野手の中で評価の高いクロウ=アームストロング使命を予想する。

 

22.ナショナルズ

ニック・ビツコ/RHP/セントラルバックス高校

昨年は念願のワールドシリーズ制覇を達成。それを置き土産にアンソニー・レンドンがエンゼルスに移籍したが、今季以降も強力な先発ローテーションは健在でしばらくは強さを維持できそうだ。近年のドラフトでの失敗もありマイナー組織の評価は低いが、ナショナルズの指名の最大の特徴は逆張りにある。素行不良が指摘されていたセス・ロメロ(2017)や故障を抱えていたメイソン・デナバーグ(2018)の指名が代表的で、他球団が敬遠しがちな選手を指名することが多い。ビッコは今回のドラフトでも屈指の高校生投手であり、本来ならここまで残らない可能性が高い。それならば逆にここまで残れば逆張りで指名を検討すると推測する。

 

23.インディアンス

テイラー・ソダーストロム/C/ターロック高校

昨年はプレーオフ進出を逃してフランシスコ・リンドーアの去就問題も残っておりチームの将来には不確実な部分も多い。ドラフトでは過去5年連続で高校生を1つ目の指名で選んでおり、指名数が減る今回のドラフトでも同様の傾向が続くかは気になる。今年も高校生を指名すると考えるならば、ソダーストロムが面白い。父親が元MLB選手であり、捕手ながら打撃優先の選手である。捕手からポジションを変えて活躍しているチームの先輩カルロス・サンタナのようになれば大成功だろう。

 

24.レイズ

ケイド・キャバリ/RHP/オクラホマ大学

現在MLBでも最高のファーム組織を誇っていると評判のチーム。ただし意外とドラフト1巡目指名では失敗も多い。また近年は上位での野手指名も多い。ただし2018年にも全体31位でシェーン・マクラナハンを獲るなど投手を獲らない方針ではない。そうなると予想が難しいが、二刀流の可能性も残すキャバリはフィットする可能性も高いと感じる。またキャバリの評価を考えてもここまで残っていれば指名するのが得策に見える。

 

25.ブレーブス

ケイシー・マーティン/SS/アーカンサス大学

ロナルド・アクーニャJrとオジー・アルビースが抜けてもまだ高い評価を受けるマイナー組織は、自分が応援しているチームという点を割り引いても凄い。アレックス・アンソポロスがチーム編成の責任者になってからのドラフトはそれぞれ明確な武器を持った選手を初めに指名しているのが印象に残る。今年は過去2年より指名順位が下がったが、同様に特徴のある選手を指名すると予想する。その観点では今回のドラフトでトップクラスの走力を有するマーティンはあり得るのではないだろうか。

 

26.アスレティックス

ジャスティン・フォスキュー/2B/ミシシッピ州立大学

ここ2年はプレーオフに進出。ヘスス・ルザルドやAJ・パクが本格的にプレーする今後が楽しみである。マイナー組織はそのルザルドやパクが抜けると弱体化する可能性もある。ドラフトではやはり大学生野手への指名が多く、今回も同様に大学生野手を指名するのではないだろうか。フォスキューは昨年のシーズンで14HRを放つなどパワーもある内野手であり将来の理想像はマット・チャップマンだろう。

 

27.ツインズ

オースティン・ウェルズ/C/アリゾナ大学

昨年は地区優勝を達成。今後の黄金期形成が期待されている。マイナー組織も潤っており、将来への期待は高い。近年のドラフトではアレックス・キリオフやトレバー・ラーナク等打てる選手を上位で指名する事が目立つ。ここまで残っている野手を考えてもウェルズは打撃の面ではトップクラスであり、彼を選択した。懸念があるとすれば捕手に残れるかであるが、1Bや外野でも通じるほど打てれば大きな問題にならないだろう。

 

28.ヤンキース

カルメン・マジンスキ/RHP/南カロライナ大学

グレイバー・トーレスら若手の台頭もありワールドチャンピオンを狙えるチームに戻ってきた。マイナー組織はまずまずで、近年のドラフトでの上位指名は投手なら大学生、野手なら高校生とカージナルスと近い戦略を取っているように見える。高校生野手に大物が残っていればそちらを優先する可能性もあるが、今回のモックではマジンスキがここまで残ると考えたのでそれならばマジンスキに行くのではないだろうか。マジンスキ以外にもボビー・ミラーらが大学生投手としては残っている。

 

29.ドジャース

ニック・ロフティン/SS/ベイラー大学

MLBのパワーランキングもマイナー組織のランキングもいずれも上位5位以内に入る超優良チーム。あとはワールドシリーズに勝つだけである。また育成力には定評があり、HR打者ではなかったベリンジャーをリーグ屈指のHR打者にするなど他球団より一歩進んでいる感じはある。そうなるとHRが少ない選手が変わる様子を見たいという願望込みでロフティンを選択する。ロフティンはユーティリティ性に優れており、複数のポジションをこなせる。第2のクリス・テイラーになりそうという意味でも面白そうである。

 

 

Photo BY Scott Ableman

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久しぶりのブログ更新となります。最後に更新したのが1月末なので、実に約4ヶ月ぶりです。MLBもシーズンがいつ始まるかそもそも本当に今季開催できるのかも分からない状況ですが、2年ぶりにモックドラフトの記事を描いてみようかと思います。

 

ただその記事を投稿する前に今季のドラフトについてまとめておきたいと思います。今季はドラフトに関しても制度が変更になっていますが、最大の変化は1球団40巡目までの指名枠が5巡目までになった事に間違いないでしょう。この変更が良い悪いはともかく、これがドラフトに与える影響を私なりに考えてみます。

 


球団側がリスク回避的な指名を行う

毎年1000人以上が指名されるMLBのドラフトですが、その中からMLBに無事昇格出来る選手はごく僅かでありさらにレギュラークラス以上になると本当に少なくなります。そんな状況ですから、例年のドラフトは40人指名して2人・3人もレギュラーに定着すれば大成功です。

 

今年は指名できる選手の数は減りますが、その中でMLBに昇格する選手が1人もいなかったみたいな状況を避けたいというのが球団側の本音だと思います。指名数が減る中で将来のメジャーリーガーは確保したいというのは中々難しい問題です。

 

しかも今年だけでなく来年以降確実に選手を確保できる保証はなく、さらに海外のアマチュア選手を獲得するにもスカウトを派遣する事すら難しい状況です。

 

そう考えると、制球力は全然だが速球が滅茶苦茶速いいわゆる原石型の選手よりも安定して活躍してくれそうな無難なタイプへの指名が増えるのではないかと思います。

 


②高校生への指名が減少

基本的な考え方は①と同じで、一般的にMLB昇格率が大学生より低いと言われている高校生への指名を見送る球団は増えると思います。

 

またMLBのドラフトでたまに行われる、優秀でも大学進学の意向が強い選手や契約金の要望が高い選手をドラフト下位で指名して交渉次第で契約に持っていくというパターンも減少すると思います。

 


③高校生は意外と契約がまとまる?

②で高校生への指名が減少すると書きましたが、指名された高校生はほとんどが契約するのではないかと思います。

 

そう考える理由は、今回のドラフトで指名されなかった高校生が大学生でドラフト候補となる2022年や2023年のドラフトは近年稀に見る豊作ドラフトになる可能性が高いからです。

 

ドラフトでの選手の指名順位は相対的な評価で行われるものであり、当然その年の全体の選手層の厚さにも大きな影響を受けます。ドラフトで指名される順位は選手が受け取る契約金にも関係してきて、特に上位層の選手は少し順位が変わるだけで受け取る契約金が億単位で変動する可能性すらあります。

 

それならば大学に進学して評価を上げようとするよりも、確実に今年プロ入りする方が無難ではないかと思います。

Photo BY  Kris Dunn

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現地時間月曜日に
MLB
機構の調査結果をまとめたレポートが発表されて以降、今週は3人の監督と1人のGMの椅子が空く異常な事態になりました。さらにホゼ・アルトゥーベとアレックス・ブレグマンはユニフォームの下に振動装置を入れて、そこからサインの情報を盗んでいた疑惑まで浮上しました。

 

そんな中で昨日ヒューストンではアストロズのファンフェスタが開かれました。その中からアルトゥーベとブレグマンが取材に応じ、一連の調査結果や新たに浮上した疑惑についてコメントしました。今回は彼らのコメントを紹介したいと思います。今回はブレグマンはチームの広報部門が用意した型どおりの回答に終始したようで、アルトゥーベの発言を主に取り上げたいと思います。

 

①新たに浮上した振動装置に関する疑惑について

これについては、アルトゥーベは「馬鹿げている。チームメート達はその噂が間違っていると分かっているし、誰かがでっち上げたという事も分かっている。幸いにもMLBが調査を行なって、その結果何も見つかっていない。(自分に関する噂や情報を)全てコントロールする事は出来ない。だから自分がコントロール出来る範囲の事をコントロールする事に集中する。」と完全に否定するコメントをしました。さらにブレグマンも愚かな意見だと一蹴しています。

 

②電子機器を用いたサイン盗みが選手主導だと報告された件について

こちらに関しては、アルトゥーベは「この問題について話すタイミングは今ではないと思う」としてコメントを拒否しました。

 

③電子機器を用いてサインを盗んだ事から盗人と呼ばれる事について

アルトゥーベは「そんな風に呼ばれたくはないけれど、(そのような批判を受ける事に対しての)対処法は2通りしかない。1つはそれを聞いてただ泣く事で、もう1つは外に出て行き野球をしてチームを助ける事だ。私がどちらを選ぶかは言うまでもないよね。」とコメント。

 

その他にもAJ・ヒンチ監督やジェフ・ルーノーGMへの処分とその後の解雇については、アルトゥーベは彼らに申し訳ないと語り今季再びチーム一丸になってワールドシリーズの舞台に戻る(チームの実力を証明する)とコメントしました。

 

また今回はアストロズがブレグマンとアルトゥーベ1人ずつではなく、彼らの側に2017年にMLB未昇格だったフォレスト・ウィットリーやエイブラハム・トロら若手を並べて出来る限り質問を抑えようとしていたようです。いずれにせよしばらく話題が尽きない感じですが、現在調査中のレッドソックスに関しては主砲のJD・マルティネスが興味深い発言をしました。

 

彼は2018年の電子機器を用いたサイン盗みの疑惑を断固として否定。 さらに調査結果を見るのが楽しみとまで語ったのです。彼も当然報告書とアストロズへの処分は知っているはずで、このタイミングで自分達は何も不正をしていないと言うのはかなり驚きでした。レッドソックスに関しても情報が出ればブログにあげて行きたいと思います。


 

参考①:Jose Altuve on Buzzer Speculation: 'We All Know Some People Made That Up'

参考②:Altuve, Bregman discuss sign-stealing scandal

参考③:Astros' Alex Bregman, Jose Altuve address buzzer rumors

Photo BY: Rough Tough, Real Stuff

 

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今週月曜日に、MLB機構によるアストロズの電子機器を用いたサイン盗みに関する報告書が発表されて関与したジェフ・ルーノーGMAJ・ヒンチ監督の処分が発表されました。

 

その後も当時ベンチコーチとしてサイン盗みを首謀していたと報告されたアレックス・コーラがレッドソックスの監督を退任して、数ヶ月前にメッツの監督に就任したばかりのカルロス・ベルトランも今日で監督退任となりました。

 

月曜日からMLBの監督のポジションが3つも空くなど怒涛の展開となっていますが、日本時間の今朝になってアストロズの中心選手に新たな疑惑が浮上しました。アストロズに所属しているホゼ・アルテューベとアレックス・ブレグマンがユニフォームの中に電子機器を仕込み、その振動音を利用して球種を把握していた疑いが浮上したのです。

 

発端となったのはベルトランの姪を名乗る人物がTwitterでアルテューベとブレグマンの件を投稿した事です。そのツイートのスクショを撮ったツイートが拡散されて一気に話題になりました。ただしあくまで正体不明の人物のツイートであり、この時点では信憑性がそれほど高くありませんでした。

しかしその後レッズに所属するトレバー・バウアーが同じ話(アルテューベとブレグマン)の話を聞いたとツイートした事で、一気に信憑性が高くなりました。


 さらにこのツイートに呼応するかのように、その他の現役選手達もTwitter上で批判を展開し始めました。それぞれの選手の発言内容をまとめます。

①アレックス・ウッド(LAD)

次にどんなボールが来るか分かっている打者と対戦するぐらいなら、ステロイドを使っていす打者と対戦したい。


 

②マーカス・ストローマン(NYM)

 

狂ってる。野球界で出てくるこの戯言すべてを信じることはできない。ただ座って、それがすべてどうなるか見てみよう。俺なりに思う事はあるけど、それは心の中にしまっておくよ。時々、「コメントなし」が1番良い選択肢になることを学んだよ!笑


 

③トミー・ファム(SD)

 

ファムはコメントを付けずに、アルテューベと思われる選手のユニフォームで少し浮いてみえる部分に印をつけた画像をツイートしました。これが彼らの着用していた機器だと主張したいのだと思います。


 

ただしあるアストロズのファンがアストロズ以外のアーロン・ジャッジやベリンジャーもアルテューベのものと似ている機器をつけているように見える動画をツイートしておりファムの画像が決定的な証拠とまでは言えないかと思います。


 

その一方でアルテューベに関しては、昨年2019年のヤンキースと対戦したALCSでシリーズ勝ち抜けを決めたサヨナラHRを打った後の行動が注目されています。

 

シリーズ勝ち抜けを決めた訳で、チームメートと共に祝福するのがよくあるパターンかと思います。ところがアルテューベは不思議にもダグアウトに走っていき、Tシャツに着替えて戻ってきたのです。この動画からフィールドでユニフォームを脱ぐと、機器を着用している事がバレると考えてダグアウトに戻ったのではないかと指摘されているのです。


 

今回浮上した新たな噂に関しては、アルテューベが代理人のスコット・ボラスを通してコメントを発表しているのでその一部を紹介します。



(中略)

(アルテューベ)MLBでプレーしている時に電子機器を着用した事はありません。

(中略)

またALCSでの行動に関しては、(フィールドでユニフォームを脱ぐ事が)恥ずかしかったからです。

またMLB機構も2019年にアルテューベやブレグマンが電子機器を用いていた事実はないと改めてコメントを出しています。それでも疑惑が残ったままではMLBがファンからの信頼を大きく損ないかねない大問題に発展する可能性もあるのではないかと思います。

参考:Altuve denies wearing electronic device in wild day of theories, accusations

Photo BY: Rough Tough, Real Stuff

 

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アストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF9ページ)を全文日本語でお伝えしましたが、番外編として今回はルーノーGMとヒンチ監督の処分後の声明文を日本語で紹介します。

 

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。

 

1.ジェフ・ルーノー(前アストロズGM)による声明文

私は(チームの野球に関する運営を担当する)フロントオフィスの社長およびアストロズのGMとして、私の監督下で発生したルール違反に対する責任を受け入れます。アストロズの組織、アストロズのファン、そしてヒューストンのコミュニティに今回の問題が引き起こした恥に関して謝罪します。フロントオフィスの運営を指揮する機会を与えてくれた(オーナーの)ジムクレーンに深く感謝します。

 

私は不正を犯す人間ではありません。野球界の内外での32年間のキャリアで私と密接に協力してくれた人なら誰でも、私の誠実さを証明できます。ルールが破られていることは知りませんでした。コミッショナーが彼の声明で述べたように、私は個人的に不正行為を指揮、監督、または関与しませんでした。サインを盗む行為はフロントオフィスの上層部によって計画または指示されたものではありません。ゴミ箱を叩いてサインを伝える方法は選手達によって計画および実行され、ビデオを使ってサインを盗む手法に関してもベンチコーチと彼に協力した下位レベルのスタッフによって開始および実行されました。(もし私がサイン盗みに関する事実を知っていたならば)私はそれを止めたはずなので不正行為を知らされなかったことに深く腹を立てています。

 

私たちのフロントオフィスはこの重大なマイナス面をはるかに上回るプラス面を達成してきたというクレーン氏の意見に同意します。多くの非常に優秀な人々がアストロズのために働いてきました。私は、アストロズのフロントオフィスで訓練を積み昇進して現在球界で活躍している人達を、非常に誇りに思っています。

 

2.AJ・ヒンチ(前アストロズ監督)による声明文

野球界の最高の利益を守るためのマンフレッドコミッショナーの揺るぎない決意に感謝します。これらの出来事(電子機器を用いたサイン盗み)に関係していることを後悔し、この期間内のチームの行動に失望し委員の決定を受け入れます。

リーダーおよびMLBチームの監督として、野球の格式を最高の形で示す誠実性を持ち選手とスタッフを率いることは私の責任です。様々な証拠が示しているように私がサインを盗む行為を支持または参加しませんでしたが、私はそれらを止めることができず、とても申し訳なく思っています。

今回の問題が彼とアストロズに及ぼしたすべての否定的な側面について、私は(オーナーの)クレーン氏に謝罪します。ファンにはこの困難な時期を通して継続的にサポートしてくれたこと、そしてこのチームに感謝します。間違いを犯したことをお詫び申し上げますが、そこから学ぶことができると確信しています。

ヒューストンで私が過ごした時間を通して、私はキャリアの中でもいくつか最高の瞬間を経験できました。それらの(最高の)思い出は(これからも)常に私と私の家族の近くで大切なものとして残っていきます。アストロズでの時間が終わったことには悔いが残りますが、チーム・選手・そして光栄な事に共に働く事が出来たスタッフを応援していきたいと思います。私が愛する野球の世界で将来彼らに幸運がある事をお祈りしています。

 

Photo BY: Photo BY:M&R Glasgow

参考:①A.J. Hinch releases statement after being suspended and fired

② Jeff Luhnow issues statement in wake of suspension, firing

 

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

ジェフ・ルーノーGMの責任

ルーノーはサイン盗みに用いられた2つの手法であるゴミ箱を叩く方法とリプレイレビュールームスタッフがサインを解読してそれをダッグアウトに送信する方法への関与を断固として拒否しています。 調査ではルーノーがゴミ箱を叩く方法を認識していたことを示唆する証拠は見つかりませんでした。 また調査によると、ルーノーが2017年または2018年にリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読する方法を考案したり、積極的に指示した事実は見つかりませんでした。

ルーノーはリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読して送信している事に気付いていた事も否定していますが、 実際には彼がその手法を知っていた上でそれほど関心を示さなかったという事を示す文書的な証拠と証言があります。

 

チームの規則違反に関してルーノーがどれほど把握していたかとは関係なく、私は彼のチームが行なった違法行為について彼に責任を負わせます。GMの仕事はスタッフと選手の行動を認識し、それらの行動がオーナーとMLBのルールによって設定された行動規定の両方に適合することを保証することです。

20179月のレッドソックス事件に関して彼は知っていた事そして2017915日に私が全球団に送付した文書とジョー・トーリが送付した20183月の文書の両方を受け取ったにもかかわらず、ルーノーはチームが規則を遵守していることを確認するための適切な措置を講じることができませんでした。

ルーノーは上記の文書の内容を伝えず、選手とスタッフがMLBのルールと文書に適切に対応していることを確認しませんでした。ルーノーが20179月にそれらの措置を講じていたら、その時点でアストロズが両方のサイン盗みをやめていたことは明らかです。

 

最後にALCSでのブランドン・トーブマン前GM補佐の行為に関する調査に関する9回の面談に加えて、今回の調査で実施した68件の面談から収集したアストロズのフロントオフィスに関するいくつかの一般的な観察を行います。

フロントオフィスの運営に関する経験が豊富な人物を擁する他のチームと同様に、アストロズのオーナーであるジム・クレーンはフロントオフィスの裁量をルーノーに委任しつつ、(彼自身は)チームのビジネス側の運営に注力しています。

 

そしてルーノーが野球界の分析革命を先導しアストロズをプレーオフの常連のチームに再建した現在最も成功した野球エグゼクティブの一人であると広く考えられているという事実に照らしても、野球部門とビジネス部門で責任の分担を疑問視することは困難です。ルーノー率いるフロントオフィスが分析の業界リーダーであることに誰も異議を唱えることはできませんが、従業員の扱い方や他のチームとの関係に現れているフロントオフィスの文化、メディアや外部の利害関係者との関係は非常に問題があります。

少なくとも私の考えでは、フロントオフィスの結果を優先しすぎる文化がしばしば指示や十分な(上司による)監督を欠いているスタッフと結びつき、それが部分的にブランドン・トーブマンの事件につながりました。さらにその事件に対する不適切で不正確な事後対応、そして最終的に今回のレポートで記載されているような事が起こる環境に繋がっていると言えます。あくまでこれらの指摘は野球に関する事を決定するフロントオフィスに対して向けられたものであり、今回の調査は野球とは独立したビジネス部門には及んでいません。

 

AJ・ヒンチ監督の責任

ヒンチはゴミ箱を叩く手法を考案した事もそれに参加することもありませんでした。ヒンチは調査員に、ダグアウトの近くに設置されたモニターを使用して選手がサインを解読しゴミ箱を叩く行為を彼はサポートしなかったと言いました。

ヒンチはモニターを物理的に2回損傷させて交換を必要とすることで、サイン盗みを認めないという意思を示そうとしました。

ただしヒンチは20179月にレッドソックスが懲戒処分を受けた後でも、サイン盗みを拒否せず選手達またはコーラがサイン盗みを行う事を止めなかった事を認めました。

同様に彼はリプレイレビュールームからサインを伝達する方法に関しても存在を知りながらも止めませんでした。しかしながら彼はこの方法にも同意せず、サイン盗みの目的でのリプレイフォンの使用に関して少なくとも1度懸念を表明しました。選手とコーチを管理する責任を持つ人物としてヒンチが行動しなかったことを正当化することはできません。

 

もしヒンチが状況の処理方法を分からなかったならば、問題をルーノーに伝える事は彼の責任でした。ヒンチはサイン盗みの継続を許可したことについて、私と調査官の両方に後悔の念を示しました。ヒンチの反省は評価に値しますが、特に彼は一連のサイン盗みに関する事情に精通しており2017年のポストシーズンを通じてそれを続けることを選択したのであり彼はチームが行なった行為に対して責任を負わなければなりません。

 

アレックス・コーラ(2017年アストロズのベンチコーチ)の責任

コーラはゴミ箱を通じたサイン盗みの手法の開発とリプレイレビュールームの利用によるサインの解読と送信の両方に関与しました。コーラは両方の行為に参加し彼の積極的な参加を通じて、暗黙のうちに選手達の行為を容認しました。DOI2018年にコーラが監督を務めるレッドソックスが行なった電子機器を利用したサイン盗みに関する調査を完了させるまで、彼の処分の決定を延期します。

 

ブランドン・トーブマン(前アストロズGM補佐)の責任

トーブマンはALCSの試合後に複数の女性記者に対する不適切な行為により、20191024日にアストロズによって解雇されました。今回の疑惑に関して調査員はトーブマンと面談を行い、彼もルーノーのようにサイン盗みの行為への関与を否定しました。アストロズの今回のMLB規則違反に対するトーブマンの過失を判断する必要はないと思います。これは、以下で説明するように、クラブハウスでのトーブマンの不適切な行為に対する重大な懲戒を課しているからです。

 

ジム・クレーン(アストロズオーナー)の責任

ジム・クレーンはチームが行なったMLB規則の違反を知りませんでした。 実際レッドソックスの違反が発表された後に、クレーンはルーノーにアストロズでは同様の行為が行われていないかを確認する必要があると語っていた。

下位レベルのアストロズのスタッフの中には、ルール違反を知っている人や、他の人の指示で違反に参加した人がいました。 これらのより若い従業員の行為が懲戒またはその他の是正措置に値するかどうかはアストロズに委ねます。

 

処分内容

アストロズとそのフロントオフィスの上級幹部の行動は重要な懲罰に値することがわかりました。この調査結果は20179月にフロントオフィスの上級幹部がサインの盗難に関するポリシー違反の責任を負うことを明確に通知し、彼らが2017年のポストシーズンおよび2018年のレギュラーシーズン中にチームの選手とスタッフがこの規定を遵守する事を確認するための行動を取らなかったという事実に基づいています。

ここに記載されている行為によりファン、プレーヤー、他のMLBチームのスタッフ、およびメディアはアストロズが参加したゲームの誠実さについての質問を提起しています。そして行為が実際にフィールドの結果に影響を与えたかどうかを判断することは不可能ですが、それが実際に行われたという認識はゲームに重大な損害をもたらします。

 

1.

チームは2020年および2021年のドラフトでの通常の第1順目及び第2順目での指名権を放棄します。チームがFA選手の獲得等により、ドラフト1巡目指名権等を失っている場合は翌年のドラフトで該当する指名権を没収するものとします。

2.

クラブはコミッショナーオフィスに500万ドルの罰金を支払いますが、これはMLBの規定で認められている最高額の罰金です。

 

1.

ジェフ・ルーノーは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ルーノーはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ルーノーは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。彼の停職期間中コミッショナーオフィスは、このレポートに記載されている種類のインシデントが将来発生しないようにするために、ルーノーと適切な管理/リーダーシップトレーニングプログラムについて話し合います。またルーノーが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

2.

AJ・ヒンチは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ヒンチはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ヒンチは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。 ヒンチが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

3.

20191019日のクラブハウスでの不適切な行為に基づき、ブランドン・トーブマンは、2020年のワールドシリーズ終了の翌日までMLBのビジネスに関与する事が出来ません。また2020年のワールドシリーズ終了の翌日には彼は復職を申し込む資格があります。トーブマンがMLBのルールの将来の重大な違反に関与していることが判明した場合、トーブマンは永久追放リストに掲載されます。

 

2020113

MLB機構コミッショナー

ロバートD. マンフレッド, Jr.

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:M&R Glasgow

 

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

III ルール違反に対するアストロズの選手及びスタッフの責任

 

アストロズが2017年と2018年に行なった相手チームのサインを解読し打者に伝える方法は、チームのフロントオフィスの上層部が主導になって計画や指示を行なっていたものではありませんでした。むしろ選手達がゴミ箱を叩いた2017年のサイン盗みの手法はアレックス・コーラ(BOS監督)を除き、選手達が主導権を握り選手達が実行したものでした。

またアストロズのリプレイレビュールームスタッフがセンターフィールドカメラを使用してサインを解読しようとする試みは、アストロズの選手やコーラと協力して働くフロントオフィスの下位スタッフによって始められ実行されました。

 

リプレイレビュールームのスタッフが関与した取り組みはジェフ・ルーノー前アストロズGMに送信された少なくとも2つの電子メールで言及されており、このテーマに関してルーノーが説明した内容とは矛盾する証拠があります。 

ルーノーが実際にどれだけこれらのサイン盗みを知っていたかとは関係なく、2017年と2018年のアストロズのルール違反はチーム内にルールを遵守する文化を確立して、ルールに違反する事が発生するとすぐにそれを止めるようにスタッフを適切に管理する事を怠ったフロントオフィスのリーダーであるGMと現場の監督に原因があると私は考えます。

 

アストロズの選手達の責任

2017年のチームに所属していた野手のほとんどは、ゴミ箱を叩く方法から相手チームのサインに関する情報を得るかあるいは、サインの解読やゴミ箱を叩く役割を担う事で他の選手を助けていました。面談を行なった選手の多くは、サイン盗みという行為が公正な競争を阻害するものでMLBのルールにも違反しており一線を超えた行為であることからサイン盗みを行なった事は間違いであると認めた。選手達は、監督であるAJ・ヒンチが彼らにサイン盗みを止めるように言ったならば、すぐに止めていたと主張していました。

 

アストロズの選手達はヒンチ監督や他のアストロズのスタッフから彼らが行なっていることを隠そうとはしませんでしたが、他のチームのプレイヤーに見つかる事を心配していました。 当時ホワイトソックスの投手ダニー・ファーカーがゴミ箱の存在に気付いたように見えた後、アストロズのダグアウトがパニック状態になっていたと数人のプレイヤーが調査官に話しました。 その試合が終了する前に、アストロズの選手達がトンネル内の壁からモニターを取り外し、オフィスに隠しました。 ポストシーズンでは、ダグアウト近くの壁に取り付けられていたモニターの代わりに、テーブルにポータブルモニターが設置されました。

 

一部のアストロズの選手は捜査官にサインを盗む事が効果的であるとは思わず、むしろ打者にとって役に立つものではなく気を散らすものだと語った。 私はこのサイン盗みという行為がアストロズの打者(間違いなく非常に才能のあるグループ)を助けたのか、アストロズが試合に勝利する事を助けたのかを評価する立場にはありません。

試合の結果に影響を与える要因は非常に多く、サイン盗みが試合の結果に有用なものであったかは分かりません。しかしサイン盗みが有用であったかどうかに関係なく、それはルールに違反し、少なくとも客観的に見れば不公平に見えます。そのために厳しい処分が必要です。

 

私はアストロズの個々の選手に対する処分は決定しません。20179月に、この種の不正行為に対する責任をチームのGMと監督に課すことを決定しましたが、(今回も)その決定から逸脱することはありません。 この種の行為に対する選手の処分を決定することは難しく、非現実的です。ほぼすべてのアストロズの選手がこのサイン盗みに関与または事情知っているため、私は調査記録に基づいて責任を負うべきすべての選手やその相対的な過失の程度を確実に決定する立場にないため、(処分を決定する事は)困難です。多数の選手が関与しておりそれらの選手達の多くが現在他のチームでプレーしているという事実を考えると、(選手に処分を課す事は)非現実的です。

 

しかしもっと重要なのは、チームのGMと監督には選手がルールを理解しそれを順守することを保証する責任があるということです。 私たちのコミッショナーオフィスオフィスはチームに多くの詳細なルールと手順を伝えています。その多くは、サイン盗みに関するものも含め選手達に直接伝えられるわけではありません。 フィールドでのプレーを規定しているルールについて選手達に教育し、指導する事がチーム、そして今回のケースではGMと現場の監督の義務です。

今回のケースではチームのベンチコーチがサイン盗みに積極的に関与しており、チームの監督はその一連の行為を認識していました。(しかし)それを止めることは何もしなかったため、一部の選手達は自分の行動がチームによって容認されているだけでなく、 チームから推奨されているとも捉えました。 これはチームが行った不正行為であり、個人的に責任を負う個人を除き懲戒処分はチームに向けられます。

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:Ian D'Andrea

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