マニー・マチャドがどのチームと契約するのか分かる瞬間が近づいています。現在有力候補として挙がっているのは、ヤンキース、フィリーズ、ホワイトソックスの3チームです。この中で最も意外なチームはホワイトソックスでしょう。
ここ数年は低迷しており昨年は100敗を喫しています。さらに期待された若手もヨアン・モンカダは想像以上に打てず、マイケル・コペックはTJと散々で正直チームが強くなる気配はありません。
そんなホワイトソックスはマチャドを勧誘するために、マチャドの奥様の兄であるヨンダー・アロンゾや親友の1人であるジョン・ジェイを獲得して外堀を埋めていく作戦を敢行しているとも言われています。
マチャドの獲得が成功するかは何とも言えませんが、ホワイトソックスには優れた武器を持った選手が複数います。彼らは1ツール特化型も多いためにまだ有名ではありませんが、2019年一気にブレイクする可能性も秘めています。今回はそんな選手を複数紹介したいと思います。
今回は昨年8月にMLB公式サイトで公開されたMike Petriello氏の「10 reasons why surging Sox are interesting」を参考にしています
①Adam Engel(アダム・エンヘル)
MLB通算240試合に出場して、通算のOPSが.574と外野手としては致命的とも言えるほど打てないエンヘル。そんな彼の魅力はズバリ守備です。
エンヘルはDRSこそ優れていませんが、OAAの数字が抜きん出ています。
OAAとはStatcastを用いて導かれる数字で、一言で要約すると平均よりアウトを稼いだ数を表しています。
OAAについてはこちらのNHKの記事が詳しいので参考にしてください。
OAAで見るとエンヘルは見事に2年連続でTOP5に入っていることが分かります。エンヘルの外野守備がいかに安定しているかをよく示していると言えるでしょう。
エンヘルのOAAが優れている理由は、彼のスピードにあります。これもStatcastを用いてスプリントスピードを分析すると実にMLB上位1%のスピードの持ち主だと分かったのです。スピードは盗塁の数にも反映されており昨年は16盗塁を記録しています。守備の達人エンヘルの活躍に注目です。
②Tim Anderson(ティム・アンダーソン)
2013年のドラフト1巡目で入団したアンダーソンもいよいよ今年はMLB4年目を迎えます。1番の武器はパワーとスピードを兼ね備えている点で、昨年はそれぞれキャリアベストの20HRと26盗塁をマークしています。5月には30-30を達成しうる選手としてムッキー・ベッツらと共に公式サイトで紹介されました。
BB%の低さが課題でしたが、昨年は前年から2倍以上向上させてこちらもキャリアベストの5.0%をマーク。今年一気に全国区の選手になる可能性がある選手として非常に気になる存在と言えるでしょう。
③Jace Fry(ジェイス・フライ)
昨年50イニング以上投げた投手の中でK%32.7%は何と20位と非常に多くの三振を奪ったのがこのフライです。彼がここまでブレイクしたのは、カッターをレパートリーに加えたことが大きいようです。
速球系(シンカーと4シーム)よりもカッターの投球割合の方が多く昨年は31.8%も多投して被打率.169、空振り率49.4%とまさに伝家の宝刀状態でした。
今季もこのカッターが健在ならばシーズン終盤にはクローザーを務めるフライが見れるかもしれません。
フライに関しては以前投稿した別記事でも触れているので読んでみてください。
参考記事:2018年版MLB球種別最強投手
④Jose Rondon(ホセ・ロンドン)
MLB+マイナー全カテゴリー合計で、昨年ホワイトソックスで最も多くのHRを打ったのがこのロンドンです。彼は17年までの7年間でHR19本だったのが昨年だけで24本を量産。本人もThe Athleticのインタビューで以前よりボールを打ち上げる意識を持っていると語っています。
さらに昨年内野4ポジションを全て守ったユーティリティ性も魅力です。
複数のポジションを守るユーティリティ性とFBRを生かしたHR激増とまさに時代を象徴するような選手になる可能性を秘めているのがこのロンドンであり、彼の名前は是非覚えておきたいものです。
今回は前半戦でしたが、近日中に後半も公開予定です。そちらもお楽しみに!
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dereksemmler