MLBの読み物

MLB(メジャーリーグ)の少しマニアックな情報を発信するサイトです。

4777876943_e08a0ec3a0_z
マニー・マチャドがどのチームと契約するのか分かる瞬間が近づいています。現在有力候補として挙がっているのは、ヤンキース、フィリーズ、ホワイトソックスの3チームです。この中で最も意外なチームはホワイトソックスでしょう。

 

ここ数年は低迷しており昨年は100敗を喫しています。さらに期待された若手もヨアン・モンカダは想像以上に打てず、マイケル・コペックはTJと散々で正直チームが強くなる気配はありません。

 

そんなホワイトソックスはマチャドを勧誘するために、マチャドの奥様の兄であるヨンダー・アロンゾや親友の1人であるジョン・ジェイを獲得して外堀を埋めていく作戦を敢行しているとも言われています。

 

マチャドの獲得が成功するかは何とも言えませんが、ホワイトソックスには優れた武器を持った選手が複数います。彼らは1ツール特化型も多いためにまだ有名ではありませんが、2019年一気にブレイクする可能性も秘めています。今回はそんな選手を複数紹介したいと思います。

 

今回は昨年8月にMLB公式サイトで公開されたMike Petriello氏の「10 reasons why surging Sox are interesting」を参考にしています

 

Adam Engel(アダム・エンヘル)

MLB通算240試合に出場して、通算のOPS.574と外野手としては致命的とも言えるほど打てないエンヘル。そんな彼の魅力はズバリ守備です。

エンヘルはDRSこそ優れていませんが、OAAの数字が抜きん出ています。

OAAとはStatcastを用いて導かれる数字で、一言で要約すると平均よりアウトを稼いだ数を表しています。

OAAについてはこちらのNHKの記事が詳しいので参考にしてください。

 

OAAで見るとエンヘルは見事に2年連続でTOP5に入っていることが分かります。エンヘルの外野守備がいかに安定しているかをよく示していると言えるでしょう。

 

エンヘルのOAAが優れている理由は、彼のスピードにあります。これもStatcastを用いてスプリントスピードを分析すると実にMLB上位1%のスピードの持ち主だと分かったのです。スピードは盗塁の数にも反映されており昨年は16盗塁を記録しています。守備の達人エンヘルの活躍に注目です。

 

Tim Anderson(ティム・アンダーソン)

2013年のドラフト1巡目で入団したアンダーソンもいよいよ今年はMLB4年目を迎えます。1番の武器はパワーとスピードを兼ね備えている点で、昨年はそれぞれキャリアベストの20HR26盗塁をマークしています。5月には30-30を達成しうる選手としてムッキー・ベッツらと共に公式サイトで紹介されました。

 

BB%の低さが課題でしたが、昨年は前年から2倍以上向上させてこちらもキャリアベストの5.0%をマーク。今年一気に全国区の選手になる可能性がある選手として非常に気になる存在と言えるでしょう。

 

Jace Fry(ジェイス・フライ)

昨年50イニング以上投げた投手の中でK%32.7%は何と20位と非常に多くの三振を奪ったのがこのフライです。彼がここまでブレイクしたのは、カッターをレパートリーに加えたことが大きいようです。

 

速球系(シンカーと4シーム)よりもカッターの投球割合の方が多く昨年は31.8%も多投して被打率.169、空振り率49.4%とまさに伝家の宝刀状態でした。

今季もこのカッターが健在ならばシーズン終盤にはクローザーを務めるフライが見れるかもしれません。

フライに関しては以前投稿した別記事でも触れているので読んでみてください。

参考記事:2018年版MLB球種別最強投手

 

Jose Rondon(ホセ・ロンドン)

MLB+マイナー全カテゴリー合計で、昨年ホワイトソックスで最も多くのHRを打ったのがこのロンドンです。彼は17年までの7年間でHR19本だったのが昨年だけで24本を量産。本人もThe Athleticのインタビューで以前よりボールを打ち上げる意識を持っていると語っています。

さらに昨年内野4ポジションを全て守ったユーティリティ性も魅力です。

 

複数のポジションを守るユーティリティ性とFBRを生かしたHR激増とまさに時代を象徴するような選手になる可能性を秘めているのがこのロンドンであり、彼の名前は是非覚えておきたいものです。

 

今回は前半戦でしたが、近日中に後半も公開予定です。そちらもお楽しみに!

Photo BY
dereksemmler 

21824274246_49ccd05a81_z

皆さんは様々な投手のGIFTwitterに投稿して、MLBの現役選手とも慕われている一般人を知っていますか?

その人の名前はロブ・フリードマン(Rob Friedman)と言います。Twitter上では,@PitchingNinjaを名乗っています。

 

フリードマン氏は昨年のシーズン初めに、MLB機構から申し立てを受けたTwitter社によって一度アカウントを凍結されています。

しかしその後現役選手のマーカス・ストローマン(TOR)やランス・マカラーズJr(HOU)、またMLB取材の記者ジェフ・パッサン氏(著書『豪腕』が有名です)の要請もあり凍結が解除されてツイートを再開しています。

 

現在は自身が作成するGIFMLBのロゴをつけるようになり、フォロワーも10万人を超えておりMLBの世界で一般人としては異常な数となっています。

 

フリードマン氏はアトランタ在住の弁護士であり、プロ野球を経験している訳でもありません。そんな彼が現役選手から支持されるまでになったきっかけは息子さんの存在がありました。息子さんが野球を始めて、彼に指導をしたいと思ったことで野球の勉強を真剣に始めたのです。

 

息子さんの指導のために身につけた野球の知識を還元するためにTwitterのアカウントを開設したとフリードマン氏はForbesの記事で語っています。

そんな彼が2019年にこの強力なコミュニティを生かして新たなプロジェクトFlatGroundを始めると発表しましたので、今回の記事ではそれを紹介していきます。

 

私がこのプロジェクトに関する記事を読んだ限りでは主に3つのメリットがありそうです。

以下順に説明していきます。

 

①プロを目指すアマチュア選手が、現役選手からアドバイスを得られる。

まずはアマチュア選手が動画を投稿します。それを見たプロ選手がアマチュア選手に助言を送ります(必ず貰えるのか等詳細はまだ分かりません)

実際にこのFlatGroundTwitterアカウント宛てに、全米のアマチュア選手やコーチ等が動画を送っています。またその動画に対してマカラーズやCJ・ウィルソン(LAA)が反応してアドバイスを送っています。以下のやり取りを見ればそれが分かると思います。

 

 

②スカウトやフロントオフィスの内部の人とも繋がり、埋もれている選手が発掘される可能性がある。

前述のようにフォロワー10万人を抱えているフリードマン氏の事はMLB各チームのフロントオフィスのスタッフも知っているはずで、選手達が投稿した動画で高評価を受ければプロ契約を結ぶ可能性もあります。

 

実際にMLBのチームから解雇されて、独立リーグでプレイしていた無名のテイラー・グルーバークリス・デューラ2人が2018年の秋にフリードマン氏の動画での紹介をきっかけにそれぞれレッズとブルワーズと契約に成功しました。(グルーバーは後にオリオールズに移籍)

詳細はこの記事にまとめられていますので、是非参考にしてください。

 

③最新の計測機器等を利用できる

現在の球界はハイテク機器が多数導入されています。アストロズに所属していた青木宣親選手が球場内のカメラの数に驚いた逸話は有名です。その最新の機器を用いて、様々なデータを集計・統計分析しています。

しかしそのような機器は値段が高額であるのも事実です。それらを導入できる家庭やチームは限られているのが現状でしょう。そこでこのプロジェクトのスポンサーになる企業や寄付金等を利用して、導入を進めていくようです。

 

アメリカではPerfect Game等のショーケースで選手が揃って自身の実力をアピールしています。しかしこのショーケースに行くためにも多額の資金が必要です。そのためこのハイテク機器等は主要都市等に設置して、少しでもアマチュア選手の負担を少なくするのが狙いだと言えます。

今回のプロジェクトの目標としてフリードマン氏は、安価あるいは無料でアマチュア選手がプロチームにアピールするために設備を提供する事を掲げています。

動画は、webサイトTwitterInstagramだけでなく現在開発中のアプリにも投稿できるシステムを作っていくようです。

 



勿論このサービスはアメリカ・カナダでの展開が中心になりそうですが、動画を送れば日本人の選手や監督に対しても助言を貰えると思います。この記事を読んだ日本人選手の方は送ってみるのもいいかもしれません(英語で送らないといけませんが)
Twitterアカウントを貼っておきますので、是非フォローしてみてください。


 

 

またこのことに関して本格的なニュースが入れば、加筆していく予定ですのでこまめに情報をチェックしてみてください。

(追伸1)
記事を公開してからTwitterでも告知を行い、その後FlatGroundさんからリプライを頂きました。質問したい事がありましたので、DMを送ってくださいとお願いしていくつかやりとりをしましたので報告します。

 

FlatGroundに協力しているMLBの選手の名前を具体的に教えてください。

現役・引退選手問わず複数の選手が協力してくれている。その中にはランス・マカラーズJrCJ・ウィルソンマーヴィン・フリーマン等も含まれています。

 

②日本人選手が動画を送る時に注意するべきことは何か?

ボールの速度を測るスピードガンを使用できる選手は、スピードガンを使って球速を表示してくれた方が指導をする側も非常に助かるので、可能な場合はスピードを表示してほしい。

 

③将来的にもサービスを無料で受ける事が出来るのか?

動画をFlatGroundに投稿してその動画を共有するサービスは無料で受けられます。大学のリクルーター(選手を探す人)やプロのスカウトもFlatGroundをフォローしていて常に新たな選手を探している。

④アプリの完成はいつ頃を予定しているか?

まだ分からないが、多分数ヶ月後になると思う。

 

FlatGroundの設立にMLBのチームは参画しているのか?

MLBのチームは参画していない。MLB機構も現状関わっていないが、MLB機構にも何らかの役割を担ってほしいと連絡してあり現在はその返答を待っている。

 

最後に日本の選手からのビデオが増えることを楽しみにしているとおっしゃっていました。

FlatGroundさん側は私のブログの読者の方からの質問にも回答するつもりとのことです。何か質問や問い合わせ等がある場合は私のTwitterアカウントに一言DMを送ってくださるとFlatGroundさんとお繋ぎします。
 

最後に参考のリンクを貼っておきます。
①Forbes https://www.forbes.com/sites/scottorgera/2019/01/04/pitching-ninja-rob-friedman-launches-flatground-to-help-pitchers-learn-and-be-seen/amp/ 
②SPORTTECHIE https://www.sporttechie.com/pitchingninja-launches-flatground-platform-to-educate-showcase-young-pitchers/ 

Photo By
Keith Allison 

30195625232_418608451b_z

2018
年も後1週間で終わりです。

私はとても“早く”感じましたが、MLBでは今季もジョーダン・ヒックス(カージナルス)やウォーカー・ビューラー(ドジャース)といったボールのスピードが“速い”投手が多くデビューしました。

 

そこで今回は、MLB公式サイトのMike Petriello(マイク・ペトリエッロ)氏による記事を紹介していきます。

 

MLBの情報をTwitter等も活用して集めている方は、日々様々な投手の動画を投稿しているRob Friedmanさんを知っている方も多いと思います。あの方の動画ではいわゆる魔球のようなものもありますが、魔球が打者を打ち取るために効果的かは動画を見るだけでは正確に分かりません。

 

そこで今回ペトリエッロさんは、コンタクトの質、量、各球場の特性、守備等を考慮して計算されるxwOBAを元に各投手のボールを分析しているのです。もちろんこの数値が絶対ではありませんが、大いに参考になるでしょう。

 

*速球系は300球以上、その他変化球は250球以上投げている選手が対象です。

ちなみに各球種の平均値は

2シーム:.349

4シーム:.347

チェンジアップ:.283

スライダー:.267

カーブ:.255

となっています。

 

(1)4シーム

①先発投手

.250 -- Walker Buehler, Dodgers
.251 -- Max Scherzer, Nationals
.261 -- Jacob deGrom, Mets
.262 -- Chris Sale, Red Sox
.268 -- Carlos Martinez, Cardinals

 

シャーザーやデグロムといった本格派を抑えて、今季デビューしたビューラーが堂々のトップの座を獲得しています。来年もこれを維持できるか注目です。


 

②リリーフ投手

.198 -- Sean Doolittle, Nationals
.254 -- 
Juan Nicasio, Mariners
.255 -- 
Josh Hader, Brewers
.257 -- 
Edwin Diaz, Mariners
.257 -- 
Nick Wittgren, Marlins
.257 -- 
John Brebbia, Cardinals

 

1人異次元なデューリトル(ナショナルズ)の存在感が際立ちます。しかもこの4シームが投球の90%弱を占めているから驚きです。他には日米野球で来日したブレビア(カージナルス)の名前もあります。


 

(2)2シーム/シンカー

①先発投手

.235 -- Zack Wheeler, Mets
.235 -- 
Anthony DeSclafani, Reds
.257 -- Buehler, Dodgers
.264 -- 
Brad Keller, Royals
.265 -- 
Aaron Nola, Phillies

 

ビューラーがここでもランクイン。またオールスター以降11試合に先発して防御率1.68と一皮剥けた感のあるウィーラー(メッツ)1位となっているのも注目です。


 

②リリーフ投手

.194 --Adam OttavinoRockies
.224 -- 
Adam Cimber, Padres / Indians
.235 -- 
Tim Hill, Royals
.257 -- 
Jared Hughes, Reds
.258 -- 
Craig Stammen, Padres

 

現在FAのオッタビーノといえばスライダーのイメージが強いですが、2シームの威力もかなりのものだと分かりますね。インディアンスに所属しているアンダースローのシンバーが2位にランクしています。


 

(3)カッター/スライダー

①先発投手

.158 -- Dylan Bundy, Orioles 
.160 -- Sale, Red Sox
.172 -- 
James Paxton, Mariners
.178 -- 
Trevor Bauer, Indians
.186 -- 
Carlos Rodon, White Sox

 

今季防御率5.45と極度の不振に陥っていたバンディ(オリオールズ)がこの部門では1位を獲得。来季に期待が持てる数字です。

以降は妥当な感じで、6位はパトリック・コービン(ナショナルズ)が入っています。


 

②リリーフ投手

.101 -- Aroldis Chapman, Yankees
.126 -- Hader, Brewers
.139 -- 
Will Smith, Giants
.153 -- 
Jose Leclerc, Rangers
.157 -- 
Edubray Ramos, Phillies

 

今季30歳になったチャップマン(ヤンキース)がこの部門で首位に立ちました。空振り率も1位で、速球とスライダーの質が如何に高いかが分かります。以降の4人も今季50試合以上登板&防御率3点以下と実力者が並んでいます。


 

(4)カーブ

①先発投手

.133 -- Justin Verlander, Astros
.134 -- 
Blake Snell, Rays
.140 -- 
Lance Lynn, Twins / Yankees
.171 -- 
Mike Clevinger, Indians
.177 -- 
Jack Flaherty, Cardinals

 

サイ・ヤング賞を受賞したスネル(レイズ)の代名詞となったカーブ部門は僅差でバーランダー(アストロズ)が勝利。4シーム、スライダーのイメージも強いバーランダーですが、カーブの質も圧倒的です。意外枠はリン(レンジャーズ)でしょう。


 

②リリーフ投手

.133 -- Keone Kela, Rangers / Pirates
.140 -- Carl Edwards Jr., Cubs
.151 -- Jace Fry, White Sox
.153 -- Taylor Rogers, Twins
.160 -- Wade Davis, Rockies

リリーフ部門は先発部門と変わり、意外な選手がズラリ。この中には来年有名になる選手が紛れている可能性が高そうです。ホワイトソックスのジェイク・フライは今季51.1イニングで70三振を奪っていて四死球率等も悪くないので、来季が注目です。


 

(5)チェンジアップ

①先発投手

.164 -- Kenta Maeda, Dodgers
.188 -- 
Joe Musgrove, Pirates
.195 -- deGrom, Mets
.196 -- 
Stephen Strasburg, Nationals
.200 -- Scherzer, Nationals

 

デグロムやシャーザーらを抑えて前田健太が1位になっています。シーズン中にチェンジアップの握りを微調整したこともこの数字に貢献しているようです。


 

②リリーフ投手

.147 -- Juan Minaya, White Sox
.151 -- 
Tony Watson, Giants
.193 -- 
Kevin McCarthy, Royals
.201 -- 
Fernando Rodney, Twins / A's
.204 -- 
Erik Goeddel, Mariners / Dodgers

 

こちらもロドニー以外はそれほど有名でない選手が並んでいます。

ミナヤはBB/9 5.59を改善できればブレイクするでしょう。マッカーシーはK/9 5.75がリリーフ投手としては、物足りなく見えます。

グッデルは現在FAでお買い得な選手の雰囲気があります。


Photo By Arturo Pardavila Ⅲ

7177688450_13137e960e_z
いよいよ明日はMLBの関係者が勢揃いするウィンターミーティングの最終日です。その最終日の名物の1つが「ルール5ドラフト」です。

 

日本には現状無い仕組みですので、今回は簡単にルール5ドラフトの概要を説明してみたいと思います。今回はMLB公式サイトのhttps://www.mlb.com/mets/news/rule-5-draft-preview/c-301627212

の記事を参考にしています。

 

①指名順位

ドラフトの名を冠しているように、ルール5ドラフトは完全ウェーバー制であり指名順位が高いチームから順に指名していきます。指名順位は2018年のシーズン勝率によって決まります。

 

今回の指名1位は115敗を喫したオリオールズです。その後は勝率順に進んでいき、プレーオフでの成績等は一切反映されません。その為プレーオフに進出したブレーブスよりも進出できなかったレイズの方が指名順位が後になっています。

 

 

②指名対象の選手

指名対象の選手は大きく2つに分けて考える必要があります。その基準はMLBのプロ球団と初めて契約した年齢です。

契約した時点で18歳以下の選手はそこから5シーズン以内に40人枠に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

一方で契約した時点で19歳以上の選手はそこから4シーズン以内に40人枠に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

 

今年で考えるならば、2014年のドラフトで指名&契約した高校生の選手や2015年のドラフトで指名&契約した大学生の選手を想像すると分かりやすいかなと思います。

 

またプロ入りしてからチームが変わった選手も適用除外とはなりません。例えば現在マーリンズ所属のマッケンジー・ミルズは2014年のドラフト時点ではナショナルズ所属でした。その後彼は2度の移籍を経験していますが、今回指名される可能性があります。

 

 

③指名の仕組み

指名をするチームはその選手が所属していたチームに10万ドルを支払うことで選手を獲得できます。選手を指名したチームは翌年のシーズンにその選手を1年間25人枠に置いておく必要があります。もし成績不振等でその選手を外したいとなると、その選手は元所属チームに返却されます(通常のマイナー降格とは異なる)。また返却されたチームは指名球団に5万ドルを返金します。

 

指名は絶対行う必要があるわけではなく、指名を見送ることも可能です。また40人枠最大限まで選手は何人でも指名可能です。

今回はヤンキース等を筆頭に7チームがすでに40人枠の上限に達しており選手を指名できません。一方で最小のレンジャーズは34人等と多くの才能を加えられる可能性があります。

 

④過去の成功例

埋もれた才能を発掘するために行われるルール5ドラフトでは、多くの名選手が輩出されています。今回参照した記事の中で1990年以降のルール5ドラフトで指名された選手のWAR上位が掲載されていました。

1.ヨハン・サンタナ(元ツインズ等) 50.7

2.シェーン・ビクトリーノ(元フィリーズ等) 31.2

3.ジョシュ・ハミルトン(元レンジャーズ等) 28.1
4.
ダン・アグラ(元ブレーブス等) 17.5

5.ホアキム・ソリア(FA) 17.5

 

いずれもMLBファンには馴染みのある選手が多いと思います。今回指名される選手の中にも未来のスーパースターが埋もれている可能性も大いにあります。

 

 

⑤今回の目玉選手

今回ルール5ドラフトで対象となった選手で、MLB公式サイトのプロスペクトランキングでチーム別に30位以内に入っている選手は合計77名です。中には2015年のドラフトで一巡目に指名を受けたタイラー・ジェイ(ツインズ22)やリッチー・マーティン(アスレチックス12)といった元エリートも含まれています。

 

他にもロイヤルズの2017年最優秀マイナー投手を受賞したフォスター・グリフィン(ロイヤルズ29)100マイル超えの速球を投げるジュニアー・フェルナンデス(カージナルス14)、精密なコマンドが売りのトム・エシェルマン(フィリーズ29)等も個人的には気になります。

 

ライブ配信も公式サイトから観れるようですので、是非楽しんでください。

Photo By 
http://bit.ly/2RVQGNu

非常に長い期間ブログの更新を放置しておりました。その間にプレーオフも終わりまして、いつの間にかオフシーズンに突入しています。

 

この時期によくある話ですが、大量の移籍関連の噂が飛び交っています。信憑性の怪しいものも多くありますが、個人的にはインディアンスのエースであるコリー・クルーバーの噂が気になります。

 

クルーバーは2014年と2017年にサイ・ヤング賞を受賞しており、今季も最終候補の3人に残っています。32歳という年齢とここ2年間のプレーオフで打ち込まれている点は減点ポイントですが、現在のMLBを代表する投手の1人という評価に異を唱える方はほとんどいないでしょう。

 

またもう1つのクルーバーの魅力が53850万ドルと格安の契約を結んでいる事です。来季のサラリーは僅か1520万ドルで2020年と2021年はチームオプションとなっています。

 

これだけの実力を備えていて給料も格安のエースをインディアンスが放出するか検討しているとは驚きですが、今回のブログではなぜインディアンスがクルーバーの放出を検討しているのかを考えていきたいと思います。

 

結論から言うと、インディアンスは再建ではなくロスターの再編を目指していると言えます。

 

今季のインディアンスは、夏場までに地区の他4チームが再建モードに入った“緩い”ア・リーグ中地区でも圧勝する事はできず、ア・リーグのプレーオフ進出チームでは最小の91勝に終わりました。

 

そしてプレーオフでもアストロズ相手にスウィープを喫してあえなく敗退しました。このオフには、アンドリュー・ミラーやマイケル・ブラントリーら複数の主力がFAとなります。

 

来季も同地区の他球団の戦力がそれほど充実していないので、地区優勝自体は難しくないと思いますが、プレーオフを含めて勝ち抜けるかと言われると疑問が残ります。

 

プレーオフではアストロズに敗れましたが、1番の差は選手層だと思います。アストロズは昨年のWS制覇にも貢献したブラッド・ピーコックやクリス・デベンスキすらPOのメンバーから外れた一方で、インディアンスは不振のミラーやコディ・アレンへの依存度は変わらずでした。

 

打線も、シーズン中のHR数やチーム合計fWARはインディアンスが優っていましたが、リンドーアやホセ・ラミレスへの依存度が高かったインディアンスに対して比較的バランスの良かったアストロズ打線がPOでは圧倒しました。

 

少し冗長になりましたが、要約するとインディアンスの弱点は主力メンバーと控え組の差が大きいの一言で表現できます。

 

そこでア・リーグでPOに進んだ4チームとインディアンスの、チーム内fWAR上位15名を各順位ごとに比較してグラフにまとめました。

①インディアンス対レッドソックス

写真ライブラリ

今季両リーグ唯一の10.0超えを記録したベッツは例外ですが、2位から7位までの選手のWARはインディアンスの方が優れています。ところが、11位以下の5人はレッドソックスの方が優れています。インディアンスでは上位15選手のうち1.0を割った選手が3人いましたが、レッドソックスでは1人もいませんでした。

 

②インディアンス対ヤンキース

CLE対NYY

ヤンキースとインディアンスの比較は、先程のレッドソックスの比較よりも、両チームのロスターの特徴を浮き彫りにします。

ヤンキースは今回集計した5チームの中で唯一fWAR6.0以上を記録した選手がいませんでした。しかしチーム内15位のソニー・グレイの1.7は他球団の15位の選手と比較すると最高の数字です。

つまり2018年のヤンキースは、MVP級のスーパースターは不在だがロスターのメンバーの質が総じて高かったと言えます。

 

対照的に、インディアンスはチーム内のfWARが高い8人はヤンキースの上位8人より上ですが、残り7人はヤンキースの7人より低い数値となっています。

つまり2018年のインディアンスは、MVP級のスーパースター(ラミレスやリンドーア)はいたが、控え組の質は低かったと言えます。

 

同じような特徴が、アストロズやアスレチックスと比較しても理解できると思います。グラフを見ると、チーム内WAR上位の選手のWARはインディアンスが上回るが、下位に行けば行くほどアストロズやアスレチックスの方が上回るという違いが明確になります。
③インディアンス対アストロズ 

CLE対HOU
インディアンスは上位10選手のうち3位以外で、アストロズより上です。
しかし11位を境にそれ以降の順位はアストロズが上回っています。

④インディアンス対アスレチックス

CLE対OAK
アスレチックスとの比較でも、上位10選手はインディアンスの方がWARで上回ります。しかし11位以降になると一気にアスレチックスの選手が逆転しています。

 

試しに、アストロズとアスレチックスも比べました.
 

HOU対OAk
こちらは、
アストロズ:1位、2位、3位、14位、15位
アスレチックス:5位から13位
引き分け:4位
とロスターの選手の質は認められません。 

 

結論になりますがロスターの選手の質に偏りがあると、監督は質の高い主力を簡単に休ませたがらなくなります。インディアンスでも主力のリンドーアは158試合、ラミレスは157試合に出場しています。投手陣でもクルーバーの投球回はリーグ1位でした。

 

ベンチの選手が主力と実力の面で開きがあるせいで、シーズン中に主力は疲労を溜め込み、POに突入する。そしてPOでは疲労がある状態で、ベストのパフォーマンスを出せない。この悪循環がインディアンスが今年POで余りにもあっさり負けた1番の理由でしょう。

主力選手の疲労を表している数字をいくつか示したいと思います。
①エースのクルーバーのシンカーの平均球速
3月29日から8月31日:92.1マイル
9月1日から10月31日:91.3マイル

②リンドーアとラミレスのwRC+
3月29日から8月31日:リンドーア135、ラミレス160
 9月1日から10月31日:リンドーア107、ラミレス75
これらの数字を見れば分かりますが、インディアンスの投打の主力は9月以降にパフォーマンスを落としました。
 

そう考えれば、クルーバーを放出してを若干落としてでもロスター編成の偏りを減らそうとする動きが報じられている事についても理解が出来ると思います。

タイラー・フラワーズ:C

開幕戦に背中を痛めてDL入りしたが、比較的早い段階で復帰。その後は昨年までと同様に捕手として平均以上の打撃+フレーミングで投手陣を支えている。

ただ気になることが1つ。フレーミングのスキル自体は非常に高いのだが、それが原因か投手に求めるコースが厳しすぎる時がある。その結果投手がゾーンから大きく外れたボールを投げてフレーミング効果を帳消しにしているパターンが散見される。テヘラン、フォルティ、ニューカムの3人全員がフラワーズよりスズキと組んだ時の方が防御率が良いし、そこは改善して欲しい。

 

カート・スズキ:C

Twitterが鍵垢な数少ないメジャーリーガー。前述のように主力3先発陣の好投を引き出していて、打撃も速球に強くたまに打つHRもポイントが高い。敢えて問題点を挙げるならば、盗塁阻止率が8%と非常に寂しい数字になっていることくらい。後半戦もこの調子で期待したい。

 

フレディ・フリーマン:1B

今季も安定した成績で、打撃各カテゴリーでリーグ上位にくる活躍。ただし今年覚醒したというよりは、世間がフリーマンをようやく発見したという方が正確な気もする。ヘイワードとハグばかりしていたフリーマンもいつのまにかチーム最古参となっているが、謎の大物感を出すことなく若手がプレイしやすい空気を作っている印象。地味に本命不在のナ・リーグMVPも狙えそうなので、このまま突き進んで欲しい。

 

オジー・アルビース:2B

4月にHRを量産していた時は春の珍事的なやつかと思われたが、本物だった。まだ21歳なのに前半だけで20HRを記録している。走塁の意識も高く、何度もヘルメットを落としながら爆走する場面を見せている。ただ初球からガンガン振っていくスタイルなので、バットに当たらなくなると不振が続く印象。それでもこれだけアグレッシブな選手は久々であり、見ていて非常に楽しい選手。

 

ヨハン・カマーゴ:3B

開幕をDLで迎えたが、復帰後は3Bのレギュラーに定着。4月に打ちまくったフラハティや風の如く去っていったバティスタなどライバルは多かったが、ボールを見ない選手が多いチームの中で実質3位の出塁率は立派。ただしなぜか未だに下位打線で起用されているが、そこは名将スニットカー監督の意図なんでしょう。2年連続で打っているのに、AAAでライリーが打ちまくっていることで来年以降は再びポジション争いに巻き込まれそう。

 

ダンズビー・スワンソン:SS

4月は打率.277を記録するなどそれなりに打っていた。しかしその後は3ヶ月連続で打率.250を割っていて打撃成績自体はキャリア平均に最終的には並びそう。正直打撃に対する期待は限りなく低いが、守備が向上。DRS+10WARを良くしている。後半戦は、打撃では出会い頭のHR+守備では前半の活躍の継続の2点を期待したい。

 

ロナルド・アクーニャ:OF

MLB最年少②実年齢からは想像できないほど打つ

この前評判だったが、いずれの要素もより高い次元で兼ね備えているホアン・ソトなる化け物が出てきたせいで若干影が薄くなっている。しかしその才能は間違いなく本物であると思う。特にカブス戦やヤンキース戦で見せた試合終盤のHRは非常にインパクトがあり、試合の流れを変える才能を持った選手であることは明らか。打席では初球から振る場合が多いが、MLBレベルでも豪速球を打ち返すのでファールで粘る術を持っている。

 

エンダー・インシアーテ:OF
元々1番打者なのに、淡白な打席での内容から1番に向いてないのでは?と以前から思っていたが今季はそれが顕著になっている。コンタクト力の高さから去年までは率を残してきたが今季はそれも出来ていない。それに加えて1打席あたりの球数もナ・リーグで規定打席に到達している打者の中で80人中71位と非常に低い。同ランキング77位のアルビースとなぜか1、2番を組むことが多いが、明らかに適性がないので変えて欲しいところ。守備でWARを稼いでいるが、今季本気でプレーオフを目指すならばレンタルの外野手を探すのもアリかもしれない。

 

ニック・マーケイキス:OF
最近はやりのFBRの流れに乗ったようで、今季は文句なしのキャリアイヤーを送っている。開幕戦で逆転サヨナラHRを放ったことでチームも自身も勢いに乗っていった。昨年まで4年連続OPSが7割台前半と逆の意味で安定感が高かったが、今季は8割台後半に載せている。現役安打数6位なのになぜか今まで呼ばれなかった球宴にも呼ばれて見せていた笑顔も印象的であった。ただしオールスターのレッドカーペットに出てきた格好が絶妙にダサく、隣でしっかり決めてきた主砲フリーマンとの違いが際立っていた。

 

 

一応私はブレーブスファンなので、チームの選手の前半線を振り返ります(もう後半戦始まったけど)
まずは先発陣から。

①フリオ・テヘラン:RHP

速球の球速が日によって全然違うエース。一応前半戦の4シームの平均球速は90マイル強だったが、427日のフィリーズ戦は驚異の平均球速87.2マイルを記録。故障かと思われたが次の登板からは元に戻っていた。何があった?前半戦で最も印象に残っているシーンが、W杯のイングランド戦で母国コロンビアが追い付いた時に感情を爆発させている場面というのは何とも寂しいので後半戦は好投に期待。

 

②マイク・フォルティネビッチ:RHP

今季ブレイクした右腕。一応STでは新GMから初球ストライクを意識するようアドバイスされたらしいが、その数字は例年並みなのはご愛嬌。ただK/9はかなり良くなっていて両リーグ11位。キャリア初完封も記録してオールスターにも呼ばれた。この調子を維持して欲しいが、前半最後の2登板は打たれていて少し不安。少し前までインスタには、犬の写真が多かったが最近は子供の写真ばかり。最後に犬が登場したのが開幕前なので、犬の安否も気になる。

 

③ショーン・ニューカム:LHP

今季ブレイクした左腕。去年は制球がままならないチェンジアップをほぼ投げず、速球とカーブで勝負する無茶な挑戦をしていた。ほぼ2球種なので、打者に狙い球を絞られて当然のように打たれまくった。今年の初戦も速球とカーブの割合が圧倒的で案の定ハーパーにHRを打たれた。そこからチェンジアップを混ぜるようになり、成績が向上。もう1つの課題である制球力はまだ改善の余地があるが、レフティーで90マイル台中盤を簡単に叩き出す球威があるので抑えられている。ただし7月の防御率は9.75と打ち込まれており真価が試される時期に入って来た感はある。

 

④ブランドン・マッカーシー:RHP

ケンプのトレードで加入。STから若手にアドバイスを送るなど投球以外でも貢献。しかし5月以降は肝心の投球内容が悪く6月には例年通りDLに入った。正直な話そこまで印象に残る活躍をした記憶はない。ただしTwitter好きメジャーリーガーの評判は伊達じゃなく、政治からサッカー、テニスまで様々なことを呟きまくる。マウンドでは暗い顔をしているのを何度か見たが、ネットでは元気。後半は野球ももう少し頑張って欲しい。

 

⑤ルイス・ゴハラ:LHP

病気で倒れた父親を車で運んだが、病院に着いたまさにその時に亡くなるという悲劇を経験して今季を迎えた。STでも故障を重ねて開幕出遅れが決定。初登板は5月でその後はリリーフなのか先発なのか微妙な役割を任されて不振に陥った。ハップやハメルズを獲るくらいなら、ゴハラの復調にかけたいと思うくらい実力を買っているので後半戦は支配的な投球に期待。地味に今月4日のヤンキース戦で比較されるCC・サバシアと同じマウンドに上がった。

 

⑥マイク・ソロカ:RHP

日本のGW期間にデビューしてあのシンダーガードに投げ勝った。まだ20歳でカナダ出身のイケメンと濃い経歴を持ち新星誕生かと思われた矢先にDL入り。一度戻ったが、再び今度は60DLに入ってしまった。投球内容も良かっただけに残念。デビュー戦で観戦に駆けつけた人達の中に母親風の人がいるが、あの人は実は父親の現在の恋人らしい。

 

⑦アニバル・サンチェス:RHP

今季MLB全体で最高の掘り出し物。STでカズミアをリリースしてサンチェスを獲った時に彼に期待した人はおそらく片手で数えられるほどでは?去年の防御率が6.41の選手が2点台を記録している秘密は現在も不明ながら、取り敢えず好投している。FIPその他を見ているとソロソロ打たれそうと思いながら結果を見ると、当たり前のようにQSを達成している。セイバー的に見たら出来過ぎだから成績落ちると悲観的な予測をするのもいいが、もうここまできたらカムバック賞受賞&プレーオフ進出を祈るのみ。

リリーフ陣も書きたいんですが、時間の問題とあんまりリリーフを見れてないので今回は見送ります。 

↑このページのトップヘ