MLBの読み物

MLB(メジャーリーグ)の少しマニアックな情報を発信するサイトです。

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ヤンキースに所属しているアーロン・ジャッジは2016年と2017年で別人に生まれ変わりました。

2016年にデビューしたジャッジは驚異の三振率44%を記録するなど、打撃の粗さが大きな課題となっていました。
 

しかしジャッジは2017年に52HRを記録して、新人王になりMVP投票でも2位に入りました。彼が進化した背景にはいくつか理由がありました。その中でもあまり知られていないエピソードを紹介したいと思います。

 

実はジャッジの成長には代理人が同じベテラン選手の存在があったようです。それはオリオールズやレイズで活躍したルーク・スコットです。

 

まずはルーク・スコットのキャリアを振り返ってみましょう。1978年生まれの現在39歳で、2005年にアストロズでMLBデビューを飾りました。2008年にオリオールズに移籍後は、3年連続で20HR以上を記録しています。2013年を最後にMLBの舞台から遠ざかっており、現在はFAです。

 

スコットとジャッジは、ジャッジが2013年にドラフトで指名された時に初めて会ったそうですが、しばらくは特に連絡を取っていなかったそうです。しかし2016年のシーズン後に、スコットがMLBで苦戦したジャッジに連絡を入れたことがジャッジを大きく助けることになりました。

 

スコットのメッセージは「俺は打撃のエッセンスを持っている。これは君の人生を変えるはずで、君とシェアしたい。だから少し時間を取ってほしい。」でした。

 

ジャッジはスコットを個人的に師と仰いでいて、2人は現在も非常に良好な関係を築いています。「彼は興味深い男だね。彼にあのビデオを見せてもらうまでは、打撃に関して知らないことがあったから。」とジャッジは語っています。

 

ジャッジがバリー・ボンズやミゲル・カブレラの打撃について勉強したことは知られていましたが、その裏にはスコットの存在があったのです。

スコットは自身の打席でのメカニクスを分析している時にトップ選手には共通することがあることに気づいたそうです。

 

それは、彼らの打席での身体の動かし方とそしてバットに当てるまでにエネルギーを浪費しないということです。スコット曰くエリート選手はみんなこれをやっていて、それが一貫できているそうです。

 

スコットはそれをジャッジとシェアしたいと思い、彼にメッセージを送りました。その後彼はジャッジに、このエリート選手たちの打席での動きを共有して、どのように使うかを説いたそうです。

 

その後のジャッジの成功は言わずもがなです。2017年はア・リーグ1位のHR52を記録して、OPSはエンゼルスのマイク・トラウトに次いで2位四球と三振はリーグ首位でした。この活躍にはもちろんスコットも喜んでいます。

 

スコットは、ジャッジの活躍を牢獄から宮殿に引っ越したと面白い例えで彼の活躍を称えています。NYは野球のメッカであり、責め立てられることも多い。しかし彼はとても謙虚な男だから、これからも上手くいくはずだとスコットはジャッジにエールを送っています。

 

ジャッジはメークアップが優れていると評判ですが、彼の謙虚な姿勢があったからこそスコットも打撃のエッセンスを共有しようと思ったのでしょう。ジャッジの謙虚な性格はかつてのヤンキースのスターデレク・ジーターを思い起こさせるところがあります。彼ならば、厳しいニューヨーカーからも愛される選手として長く活躍できるはずです。

 

参考:https://www.newsday.com/sports/columnists/david-lennon/luke-scott-part-of-secret-of-aaron-judge-s-success-1.17307550

Photo BY: KA Sports Photos

 

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MLBもプレーオフの季節になりました。毎年プレーオフで勝ち抜くために最も大切な要素は何かという話は議論されています。強力なブルペンなどは特に重要とされますが、今回は“プレーオフこそHRの重要性が高まるという話を紹介したいと思います。

 

今季はツインズが両リーグ最高の307HRを記録するなど、HRが激増しました。また2001年以降の19年間でチームHR数の上位10チームのうち、実に半数以上の6チームが2019年のチームです(ツインズ・ヤンキース・アストロズ・ドジャース・アスレティックス・カブス)

 

さらにオールスターゲームの前にアストロズのジャスティン・バーランダーが激しく批判していたように、MLB機構がいわゆる“飛ぶボール”を使っているのではないかとの声も多く聞かれます。

 

プレーオフなどの短期決戦では、バントや盗塁といった小技を駆使して成功したチームもあります。しかしこのように多くのチームがHR数を伸ばしていて、さらにボールがよく飛ぶと考えられている状況で勝つために大事なものは何でしょうか?それはズバリHRを打つ事です。

 

実際にアストロズでサイ・ヤング賞を最後まで争ったバーランダーとゲリット・コールのコンビは、2人合わせて1試合で2.25本しかシングルヒットを打たれていません。スモールベースボールを展開するためには、まず塁に出る必要があります。しかし上記の数字より今季の彼ら相手にはそれはとても難しいと言えます。

 

(1)

Team

1試合のシングルヒット

PO期間の合計バント数

SF(2014)

7.2

9

KC(2015)

6.3

4

CHC(2016)

4.9

1

HOU(2017)

4.6

1

BOS(2018)

5.6

2

 

1を見ても分かりますが、2014年にワールドシリーズを制覇したジャイアンツを最後に、シングルヒットやバントの数は減少傾向にあります。

 

(2)

シーズン

勝率

2003-06

.356

2007-10

.341

2011-14

.387

2015-18

.333

 

 

2に記される勝率は、プレーオフの試合でHRが出なかったチームの勝率です。HRが出ないと勝率が3割台にまで低迷しており、一気に低下する事は明らかだと言えます。

 

さらに、2015年から18年までの4年間の間でHRの数が0本あるいは1本のチームの勝率は.396でした。一方で2HR以上を記録したチームの勝率は.697になり、プレーオフで勝ち抜けるためには複数のHRを打つ事がいかに大事かがよく分かります。

 

今回の記事ではHRがプレーオフではより重要性が高まるという事を伝えたい訳ですが、シングルヒットやバントが無駄であるとは言っていません。HRをとにかく狙う野球とスモールベースボールのどちらかが絶対に優れていると言いたい訳ではないのです。

 

例えば昨年のレッドソックスとドジャースが対戦したワールドシリーズ第1戦の初回に、ムッキー・ベッツはシングルヒットを打ち塁に出ました。その後彼は盗塁を決めて、次の打者アンドリュー・ベニンテンディのタイムリーでホームに帰ってきました。

 

このようにシングルヒットや盗塁を駆使して得点を取る事も時には求められます。しかし複数のHRが出るとチームの勝率が高まるのは事実ですから、今年のプレーオフでは例年以上にHRに注目して観戦するのも面白いかもしれません。

 

参考:https://www.si.com/mlb/2019/09/23/new-york-yankees-la-dodgers-home-run-record

Photo BY: Ian D’Andrea

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MLB
もいよいよ明日でレギュラーシーズンが終了します。10月になると1日に行われる試合数も少なくなり、試合中継に有名なレポーターが登場する機会が多くなります。そんなレポーターを代表する存在が一際目立つ蝶ネクタイを着けたケン・ローゼンタール氏でしょう。彼はTwitterのフォロワーが100万を超えていて、MLB関連の移籍情報等を速報するのが早いことで知られています。ローゼンタール氏は今でこそ有料サイトThe Athletic でコラムを執筆していますが、その前はFox Sports で執筆活動を行なっていました。そこで今回は、彼が8年前にFox Sportsで蝶ネクタイを着けている理由を説明した記事を紹介したいと思います。

 

ローゼンタール氏は2010年のNLCSの最終戦が終わった後、フィリーズの本拠地を歩いている時に彼の当時の上司であったジム・バーナード氏からWSで蝶ネクタイを着用するようにと伝えられました。これは当時のFox Sportsの社長であるデビッド・ヒル氏からの直々の指令でした。

 

ローゼンタール氏自身も初めは戸惑い着用したくないと考えていたようです。しかし放送チームの和を乱したくないと考えて、最終的にこの指令を受け入れて2010年のWSで蝶ネクタイデビューを飾ります。蝶ネクタイは好評でしたが、Fox SportsWS期間限定の使用を考えていました。

 

そんなローゼンタール氏の元にダーニ・ジョーンズ氏から蝶ネクタイについて話したいとメールが届きます。ジョーンズ氏は元NFL選手で、蝶ネクタイを販売する会社を設立していました。そしてジョーンズ氏は様々なチャリティと手を組んでそれぞれのチャリティの方針やイメージに合わせた蝶ネクタイをデザインしていたのです。

 

そこで事情を知ったローゼンタール氏はチャリティの役に立ちたいと考えて、蝶ネクタイを2011年のシーズンから試合の放送がある日は毎回着用するようになったのです。

 

これがローゼンタール氏が現在も蝶ネクタイを着けている理由ですが、そもそも初めに着用するように言われた際に感じた戸惑いについても説明しています。

 

ローゼンタール氏は元々ボルチモアの地元紙でオリオールズ担当として1980年代にキャリアを始めました。その当時は紙の新聞の全盛期であり、新聞記者が自身の記事に個性を出す事はご法度とされていました。

 

しかしインターネットが世界を繋ぐ現代では紙の新聞の存在感は薄れつつあります。むしろスポーツ報道の中心はTVwebに移行しました。この現代の環境で記者に求められるものは80年代と真逆のものになってしまったのです。

 

つまり現代では記者の個性こそが重要になっているのです。実際にFox Sportsで記事を書く際には一人称()を使うように指示されたというエピソードも明かされています。もちろんこれは記者の個性を表現する為です。

 

さらにTVはまた違う難しさがあると綴られています。TVはショーであり、存在感が大事になるのです。ローゼンタール氏自身これを理解するのに時間がかかったと明かしており、現在(2011)も時々悩むとも語っています。

 

ローゼンタール氏は自身に関心が集まる事を嫌っていて、彼の家族も同様に蝶ネクタイを着ける事に反対しました。しかし実際に着用すると多くの反響があり、そのほとんどがポジティブなものだったそうです。 (終)

 

今回はMLB業界屈指の名物記者の最大の個性の誕生秘話を紹介しました。原文では今回のブログ記事で触れていない事も沢山書かれていますので、是非お読みください!

 

参考:https://www.foxsports.com/mlb/story/ken-rosenthal-to-wear-bow-ties-for-charity-during-mlb-on-fox-in-2011-season-032911

Photo BY: Bart Hanlon

 

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タンパベイ・レイズに所属する外野手のジョニー・デービスは家に帰りたくない日が何度もあり、家があるのかさえ分からない事もあった。

 

これは彼が育ったカリフォルニア州のコンプトンという地域での生活の話だ。彼と母親、そして2人の兄弟はホームレスの為の避難所を出たり入ったりしていた。また彼の父親は刑務所に出たり入ったりの生活を繰り返していた。食事を食べることさえままならない日もあった。ピーナッツバターは高価で手を出せなかったので、シロップ付きのサンドウィッチを食べた事もある。ラーメンの麺は安く手に入ったので、よく食べていたとも彼は振り返る。

 

そんな生活を送っていたデービスを救ったのは野球だった。

 

現在29歳のデービスは、3つの異なる高校、二年制大学、7年間のマイナー生活、そしてメキシコリーグと独立リーグを経て故郷カリフォルニアに彼自身も予想もしない形で戻ってきた。

 

今年の8月終わりにレイズとマイナー契約を結んだデービスは、MLBのチーム(レイズ)のユニフォームを着てドジャースタジアムに立っているのだ。

それでは彼がどのようにしてMLBに辿り着いたのかを見ていこう。

 

僅か3週間程前までデービスはメキシコリーグでプレイしていた。打率は.300を超え盗塁数は54に到達していた。しかし彼の代理人は2年前メキシコ行きを決めた彼に止めるよう伝えていた。メキシコに行けば、スカウト達の目に留まらなくなり忘れられた存在になるからだ。2年経って自分が周囲から忘れられた存在になったのかをデービスは考えていた。誰かが自分のプレイを見ていて、何か良い事が起こらないかとデービスは考えていた。

 

まさにその頃レイズはスピードのある選手とさらなる外野手の獲得を検討していた。彼らは、メキシコにスカウト人生で見てきた中で最も俊足の選手がいるとの報告をあるスカウトから受けた。

 

まさにこの男こそ、2013年にブルワーズから22巡目で指名を受けた時にベースボール・アメリカ誌からその時のドラフトで最速のベースランナーと評されたデービスだった。彼は2015年に十字靭帯を損傷して、野球選手としてのキャリアが終わったかもしれないとさえ思っていた。

 

レイズはその後スカウトを派遣して、彼のプレイを視察した。そして826日にデービスとマイナー契約を結んだ。その僅か6日後傘下AAAのチームに帯同していたデービスはチームメイトとホテルでゲームをしていた。そこで彼は長年待ち望んでいた言葉を聞いたのだ。彼は「ホテルにいた全員に聞こえるくらい大きな声で叫んだ。」とその時のことを振り返る。すぐに彼は婚約者にメッセージを送り、バス運転手として彼ら兄弟を女手一つで育てた母に電話を掛けようとした。しかし母の携帯電話は壊れていたので、兄弟に連絡を入れた。

 

それから彼の恩人であるジェラルド・ピケンスに連絡した。ピケンスについて「彼がいなければ俺はここにいない。今日こうしていられるのも彼のおかげだ。」とデービスは語る。

 

ピケンスはデービスの故郷コンプトンの聖人であり、MLB機構が主催するRBIプログラムを見つけてきた人物だ。デービスとピケンスの出会いはデービスが13歳の頃に遡る。デービスは母親から罰として野球をプレイすることを禁じされており、当時ほとんど野球をプレイしていなかった。当時のデービスは素行が悪く、何度もトラブルを引き起こしていた。さらに学校での成績も酷いものだった。

 

一方彼の弟タイリーは野球が好きだった。ある日タイリーはスカウトの前でプレイすることになり、足の速さで多くのスカウトの度肝を抜いた。しかしタイリーは肩をすくめ、兄のジョニーを紹介した。ジョニーはジーンズ姿でアップもせずに、50ヤードを5.90秒で走った。その後彼は球場でも1塁まで3.4秒で走ってみせた。新たなプロスペクト誕生の瞬間だった。

 

デービスはその後ピケンスとともに優れた野球選手になるためにトレーニングを始めた。彼らのトレーニング中に銃声が聞こえるような環境であり、ピケンスはデービスのことをとても心配していた。しかしデービスは心の底から改心して、努力を続けた。その後彼はブルワーズに指名されて、コンプトンを離れた。

 

その後2018年のシーズン途中に彼は自らブルワーズに自身をリリースするように求めた。そしてその後彼はメキシコに渡った。そして遂に彼はMLBに到達した。迎えた13日のエンゼルス戦、彼の両親やピケンスが見守る中彼は故郷の近くエンゼル・スタジアムで3塁打を放った。

 

現在デービスは主に代走として起用されている。これからMLBはプレーオフの季節に入っていく。レイズは現在プレーオフ圏内であり、もしプレーオフに進めばデービスの最大の魅力スピードを活かす機会もあるかもしれない。数年前のロイヤルズのテレンス・ゴアのようなスピードスターが活躍しやすい10月の舞台で、デービスが躍動する姿を見られるのが今から楽しみである。

 

参考:

https://www.usatoday.com/story/sports/mlb/columnist/bob-nightengale/2019/09/18/johnny-davis-tampa-bay-rays-mlb/2362594001/

 

Photo BY: Eric Kilby

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今夏ヤンキースは、夏のトレード期限で噂された先発投手の獲得に踏み切らなかった。ロビー・レイ(ARI)やノア・シンダーガード(NYM)獲得の噂が立ちながら、彼らがトレード期限最終日に行ったトレードはマイナーリーガーをロッキーズから獲得したものだけだった。その事で彼らは批判を受けたが、蓋をあけるとその後3014敗で地区優勝は目前だ。

 

そんな彼らだが、監督のアーロン・ブーンは10月のポストシーズンの先発ローテーションについてこんな発言をしている。

「少し従来のやり方とは異なる起用を考えている。従来の先発投手として起用するのはジェームス・パクストンだけだ。」

 

ここでいう"従来のやり方"とは、先発投手に可能な限り長いイニングを投げてもらう方法を意味する。実際にナショナルズやアストロズはこの方法で今回もPOに臨もうとしているが、HRが増え続けて強打者が増える一方の現状では相手打線に抵抗出来る先発投手を用意出来るチームはほとんどない。

 

ここで読者の皆さんはこんな反論を思い付くだろう。「去年レッドソックスは強力な先発投手陣を擁してワールドチャンピオンに輝いたではないか?」と。この意見は正しくもあり間違ってもある。

 

去年のプレーオフでレッドソックスは14試合を戦ったが、彼らの先発投手で相手打線を3巡抑えた投手は何人いただろうか?

 

答えは0だ。

 

昨年レッドソックスは、プレーオフ全シリーズを通じて27人の打者(打者3)と対戦した先発投手が1人もいない形でワールドシリーズを制覇した初めてのチームになった。

 

因みに2010年のワールドチャンピオンカージナルスは、10試合で先発投手が27人以上(打者3)対戦していた。

 

このように野球が変化している背景には、投手は3巡目に入ると打たれやすい傾向がある事が分かってきたからだ。

 

実際に今季MLBの先発投手は打者3巡目に入ると、長打率.471とかなり打たれている。またヤンキースの先発投手も打者3巡目には、OPS.920と滅多打ちに遭っている。

 

そう考えると、ヤンキースが彼らの先発投手を引っ張らないのは合理的であるだろう。それでは実際に地区シリーズを念頭に彼らの先発投手の起用方法をシュミレーションしてみよう。

 

Game 1 ジェームス・パクストン

カーブを増やして好調のパクストンは現在9連勝中である。しかし彼も打者3巡目には被OPS.897と打たれているので、ブーン監督が彼を引っ張る可能性は低い。

 

Game 2 ルイス・セベリーノ&JA・ハップ

セベリーノは今日復帰したが、怪我明けだけに起用は慎重になるだろう。

 

Game 3 CC・サバシア&ドミンゴ・ヘルマン

Game 2と同様 豪腕&技巧派、右腕&左腕と両極端なタイプの併用は相手打線にとって厄介な存在になるだろう。

 

Game 4 田中将大&JA・ハップ

Game 5 パクストン

 

ヤンキースブルペンは強力で、PO5試合の間に2日間休みがある事を考えると先発投手を2人使わずにいきなりブルペンに出番が回る可能性も十分ある事は付記しておきたい。

 

ヤンキースブルペンが強力な根拠として、勝ちパターンのトミー・ケーンリー、アダム・オッタビーノ、ザック・ブリットン、アロルディス・チャップマンが全員投げた試合で彼らは24勝負けなしという事実が挙げられる。またその他のリリーバーも含めて、ヤンキースの選手は柔軟な起用に慣れている。その事もヤンキースの秘策を後押ししていると言える。

 

ここまで見てきましたように、大胆な秘策に出るヤンキースの今季のプレーオフでの戦いが早くも楽しみです!

 

参考:http://go.si.com/RDREu1J

Photo BY: Dale Cruse

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ここ2MLBではFA市場が停滞傾向にあります。昨年オフもブライス・ハーパー(PHI)等の大物ですら契約が遅れました。このようにFA市場が下火なのは否めませんが、チームの戦力を大幅に向上させる選手を獲得する手っ取り早い方法なのも事実です。そこで今回は昨年のFA選手の契約を今季の活躍と照らしてランク付けした記事を紹介します。

 

11位 ザック・ブリットン(NYY)

契約額3$39M

ブリットンは三振こそ少ないですが、ヤンキースの勝ちパターンの一角として主に8回で起用されています。8月は防御率0.93とほぼ完璧で、プレーオフでの活躍も期待されます。

 

10位 アダム・オッタビーノ(NYY)

契約額3$27M

オッタビーノは昨年ロッキーズでブレイク。今季は地元のヤンキースと契約しましたが、期待以上の活躍です。BB/9の高さこそ気になりますが、イニング数を大幅に上回る三振奪取能力は健在です。fWARでもブリットンらを差し置いて、ヤンキースのリリーフ陣ではアロルディス・チャップマンに次ぐ数字を記録しています。

 

9位 ランス・リン(TEX)

契約額3$30M

リンは昨年後半から復調していました。今季は打者天国を本拠地にするTEXへ移籍しましたが、K/9BB/9共に自己ベストを更新。防御率は若干高いですが、fWARはアストロズ勢等を差し置いて両リーグの先発投手で1位となっています(FIPも両リーグ6)TEXの前半戦の快進撃を左のエースマイク・マイナーと共に支えました。

 

8位 ジョシュ・ドナルドソン(ATL)

契約額1$23M

2016年のMVPが完全復活。後半戦はNL4位の14HR10位のwRC+1504位のfWAR1.8と絶好調で、フレディ・フリーマンと共にブレーブスの強力打線の中軸として素晴らしい活躍をしています。オフにFAとなりますが、どんな条件をゲットするかも気になります。

 

7AJ・ポロック(LAD)

契約額4$55M

地区のライバルARIから加入したのがポロックです。今季も故障で長期離脱を経験しましたが、復帰後のOPS.913と復調の気配は充分です。この契約の成否を左右するであろうポストシーズンでの活躍に期待です。

 

(参考)ポロックに関しては昨日取り上げたドジャースの最新打撃練習の記事でも触れていますので、こちらもお読みください。

 

6位 マニー・マチャド(SD)

契約額10$300M

超大型契約となりましたが、今季の成績はキャリア平均を若干下回ります。それでも30HR超えは確定的で、超有望株フェルナンド・タティスJrの兄貴分存在としても頼りにされており契約の価値は充分有ると思います。来季以降本格的な勝負モードに入ると予想されるチームでどれだけ活躍出来るかが鍵になりそうです。

 

5位 チャーリー・モートン(TB)

契約額2$30M

先日のアストロズ戦では打ち込まれましたが、昨年サイ・ヤング賞受賞者のブレイク・スネルの長期離脱もあったレイズの先発ローテを支えています。防御率3.11はリーグ4位、三振数201はリーグ8位と好調を維持しており、今季レイズがWCPOに進めば、1番手を務めるのが有力です。エース級の投手をこれだけの値段で獲得出来たのはお買い得と言えるでしょう。

 

4位 ブライス・ハーパー(PHI)

契約額13$330M

FA市場で史上最高額の契約額を結んだハーパーでしたが、今季の成績は可もなく不可もなしな感じです。ただしOPSが前半戦から後半戦にかけて、.839から.936へと97ポイントも上がっており復調の兆しはあります。今季フィリーズがPOに出れるかは微妙ですが、来季以降の大爆発にも期待したいです。

 

3位 マイケル・ブラントリー(HOU)

契約額2$32M

元々コンタクト能力には定評がありましたが、故障がネックな選手でした。HOUへ移籍した今季は故障もなく健康に過ごしており、キャリアベストの打率OPSを残しそうです。長打も増えており昨年オフ最高の契約の1つに含めて良いはずです。

 

2DJ・ルメイヒュー(NYY)

契約額2$24M

昨年オフにこの契約が発表された際には内野のデプスを厚くするための補強だと考えられていました。実際に今季のルメイヒューは内野3ポジションで30試合以上に出ています。しかし最大のサプライズは長打が増加した事でしょう。今季のHR数は既に2017年と2018年の合計に達しています。MVP投票でどれくらい得票するかも楽しみです。

 

1位 パトリック・コービン(WSH)

契約額6$140M

唯一6年の契約期間を提示したWSHが獲得したのがコービンです。今季はその期待に応える活躍振りで、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグと共に強力な先発陣を形成しています。後半戦に調子を上げているWSHPO進出が濃厚ですが、コービンも含めた強力ローテがチーム初の地区シリーズ突破を助ける可能性は大いにあると思います。

 

いかがだったでしょうか。シーズン途中に契約したダラス・カイケルとクレイグ・キンブレルは選外になりました。やはり開幕前に契約する方が選手球団双方にとって良い面は多いのかもしれません。また近日今季オフのFA市場・トレード市場に関する記事も投稿予定です。そちらもお楽しみに!

 

参考:Ranking this season's top free-agent signings

 

Photo BY Scott Ableman

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様々な最新のテクノロジーが導入されている最近のMLBですが、今回はドジャースの新たな試みを紹介したいと思います。

 

ドジャースでは今季から打撃練習用にVRの機器を導入しています。これは選手がVR用のヘッドセットを着けると、全てのMLBの投手のリリースポイント・球速・ボールの変化等を見る事が出来る機器です。また背景も全てのMLBの球場に対応しています。

 

この機器は、かつてマイナーリーグで捕手をしていたクリス・オダウド氏が父親で前ロッキーズGMであるダウ・オダウド氏と共に設立したWIN Realityという会社が提供しています。ドジャースの他にも9チームほどが活用しているようです。

 

現状この装置は、ドジャースの選手の打撃練習の中心的存在というより補助的な扱いで使われています。チーム内でもコリー・シーガーやAJ・ポロックはかなり好んで利用しているようですが、一切利用していない選手もいます。また特定の投手のビデオだけ見るという使い方をする選手もいます。

 

また必ずしもこの"VR打撃練習装置"が万能かというとそうでもないようです。例えば主力のジャスティン・ターナーは4回利用しましたが、いずれの試合もノーヒットに終わっています。

 

ベテラン捕手のラッセル・マーティンはこの最新装置のポテンシャルの高さを認めつつも、あくまでビデオであり本物のボールを見るのとは別物である点を指摘しています。

 

しかしシーズン序盤に長期離脱を強いられたシーガーとポロックは、離脱期間にVRでの映像を見る事で、ボールを見る感覚を維持していたようで有用な面が多いのも間違いないでしょう。

 

また今季MLBデビューを果たしチームに貢献している新人マット・ビーティのエピソードを紹介しましょう。現地529日ドジャースはメッツと対戦しました。メッツの先発は球界屈指の剛腕であるノア・シンダーガードでした。ビーティはその日以前にシンダーガードとの対戦経験がありましたが、試合前にVRを使い打撃練習でシンダーガード対策をしていました。その結果試合では第1打席でタイムリーツーベース、第2打席でもシングルヒットを放ちました。まさにVR機器を上手く利用できた例と言えるでしょう。

 

2年連続でワールドシリーズで敗れているドジャースですが、今季こそはVR機器の力も借りて悲願となるワールドチャンピオンに輝けるか注目していきたいと思います。

 

参考:Virtual reality batting practice head-set is Dodgers’ real-life preparation tool

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2019-08-22/virtual-reality-batting-goggles-headset-dodgers-baseball-chris-dan-odowd

 

今回はLos Angeles Timesの記事を参考に作成しましたが、有料サイトであるThe Athletic でも5月にドジャースのVR機器導入についての記事が掲載されていますので、リンクを貼っておきます(リンク先は会員限定で公開されています。ご注意ください)

 

Photo BY: Arturo Pardavila III

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