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今夏ヤンキースは、夏のトレード期限で噂された先発投手の獲得に踏み切らなかった。ロビー・レイ(ARI)やノア・シンダーガード(NYM)獲得の噂が立ちながら、彼らがトレード期限最終日に行ったトレードはマイナーリーガーをロッキーズから獲得したものだけだった。その事で彼らは批判を受けたが、蓋をあけるとその後3014敗で地区優勝は目前だ。

 

そんな彼らだが、監督のアーロン・ブーンは10月のポストシーズンの先発ローテーションについてこんな発言をしている。

「少し従来のやり方とは異なる起用を考えている。従来の先発投手として起用するのはジェームス・パクストンだけだ。」

 

ここでいう"従来のやり方"とは、先発投手に可能な限り長いイニングを投げてもらう方法を意味する。実際にナショナルズやアストロズはこの方法で今回もPOに臨もうとしているが、HRが増え続けて強打者が増える一方の現状では相手打線に抵抗出来る先発投手を用意出来るチームはほとんどない。

 

ここで読者の皆さんはこんな反論を思い付くだろう。「去年レッドソックスは強力な先発投手陣を擁してワールドチャンピオンに輝いたではないか?」と。この意見は正しくもあり間違ってもある。

 

去年のプレーオフでレッドソックスは14試合を戦ったが、彼らの先発投手で相手打線を3巡抑えた投手は何人いただろうか?

 

答えは0だ。

 

昨年レッドソックスは、プレーオフ全シリーズを通じて27人の打者(打者3)と対戦した先発投手が1人もいない形でワールドシリーズを制覇した初めてのチームになった。

 

因みに2010年のワールドチャンピオンカージナルスは、10試合で先発投手が27人以上(打者3)対戦していた。

 

このように野球が変化している背景には、投手は3巡目に入ると打たれやすい傾向がある事が分かってきたからだ。

 

実際に今季MLBの先発投手は打者3巡目に入ると、長打率.471とかなり打たれている。またヤンキースの先発投手も打者3巡目には、OPS.920と滅多打ちに遭っている。

 

そう考えると、ヤンキースが彼らの先発投手を引っ張らないのは合理的であるだろう。それでは実際に地区シリーズを念頭に彼らの先発投手の起用方法をシュミレーションしてみよう。

 

Game 1 ジェームス・パクストン

カーブを増やして好調のパクストンは現在9連勝中である。しかし彼も打者3巡目には被OPS.897と打たれているので、ブーン監督が彼を引っ張る可能性は低い。

 

Game 2 ルイス・セベリーノ&JA・ハップ

セベリーノは今日復帰したが、怪我明けだけに起用は慎重になるだろう。

 

Game 3 CC・サバシア&ドミンゴ・ヘルマン

Game 2と同様 豪腕&技巧派、右腕&左腕と両極端なタイプの併用は相手打線にとって厄介な存在になるだろう。

 

Game 4 田中将大&JA・ハップ

Game 5 パクストン

 

ヤンキースブルペンは強力で、PO5試合の間に2日間休みがある事を考えると先発投手を2人使わずにいきなりブルペンに出番が回る可能性も十分ある事は付記しておきたい。

 

ヤンキースブルペンが強力な根拠として、勝ちパターンのトミー・ケーンリー、アダム・オッタビーノ、ザック・ブリットン、アロルディス・チャップマンが全員投げた試合で彼らは24勝負けなしという事実が挙げられる。またその他のリリーバーも含めて、ヤンキースの選手は柔軟な起用に慣れている。その事もヤンキースの秘策を後押ししていると言える。

 

ここまで見てきましたように、大胆な秘策に出るヤンキースの今季のプレーオフでの戦いが早くも楽しみです!

 

参考:http://go.si.com/RDREu1J

Photo BY: Dale Cruse