私はとても“早く”感じましたが、MLBでは今季もジョーダン・ヒックス(カージナルス)やウォーカー・ビューラー(ドジャース)といったボールのスピードが“速い”投手が多くデビューしました。
そこで今回は、MLB公式サイトのMike Petriello(マイク・ペトリエッロ)氏による記事を紹介していきます。
MLBの情報をTwitter等も活用して集めている方は、日々様々な投手の動画を投稿しているRob Friedmanさんを知っている方も多いと思います。あの方の動画ではいわゆる魔球のようなものもありますが、魔球が打者を打ち取るために効果的かは動画を見るだけでは正確に分かりません。
そこで今回ペトリエッロさんは、コンタクトの質、量、各球場の特性、守備等を考慮して計算されるxwOBAを元に各投手のボールを分析しているのです。もちろんこの数値が絶対ではありませんが、大いに参考になるでしょう。
*速球系は300球以上、その他変化球は250球以上投げている選手が対象です。
ちなみに各球種の平均値は
2シーム:.349
4シーム:.347
チェンジアップ:.283
スライダー:.267
カーブ:.255
となっています。
(1)4シーム
①先発投手
.250 -- Walker Buehler, Dodgers
.251 -- Max Scherzer, Nationals
.261 -- Jacob deGrom, Mets
.262 -- Chris Sale, Red Sox
.268 -- Carlos Martinez, Cardinals
シャーザーやデグロムといった本格派を抑えて、今季デビューしたビューラーが堂々のトップの座を獲得しています。来年もこれを維持できるか注目です。
Walker Buehler, 99mph Four Seamer (white) and 97mph Two Seamer (yellow), overlay/tails. pic.twitter.com/OB4i8FQLs9
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年10月27日
②リリーフ投手
.198 -- Sean Doolittle, Nationals
.254 -- Juan Nicasio, Mariners
.255 -- Josh Hader, Brewers
.257 -- Edwin Diaz, Mariners
.257 -- Nick Wittgren, Marlins
.257 -- John Brebbia, Cardinals
1人異次元なデューリトル(ナショナルズ)の存在感が際立ちます。しかもこの4シームが投球の90%弱を占めているから驚きです。他には日米野球で来日したブレビア(カージナルス)の名前もあります。
Sean Doolittle, perfectly located 95mph Fastball to Baez. pic.twitter.com/8SGXYTwx43
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2017年10月13日
(2)2シーム/シンカー
①先発投手
.235 -- Zack Wheeler, Mets
.235 -- Anthony DeSclafani, Reds
.257 -- Buehler, Dodgers
.264 -- Brad Keller, Royals
.265 -- Aaron Nola, Phillies
ビューラーがここでもランクイン。またオールスター以降11試合に先発して防御率1.68と一皮剥けた感のあるウィーラー(メッツ)が1位となっているのも注目です。
Zack Wheeler, Nasty 97mph Two Seamer. 😷 pic.twitter.com/JodWNZPTTB
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年9月6日
②リリーフ投手
.194 --Adam OttavinoRockies
.224 -- Adam Cimber, Padres / Indians
.235 -- Tim Hill, Royals
.257 -- Jared Hughes, Reds
.258 -- Craig Stammen, Padres
現在FAのオッタビーノといえばスライダーのイメージが強いですが、2シームの威力もかなりのものだと分かりますね。インディアンスに所属しているアンダースローのシンバーが2位にランクしています。
Adam "Blitz Ball" Ottavino, 93mph Fastball and 80mph Slider (both swinging strikes), Overlay.
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年9月2日
Ridiculous. pic.twitter.com/2A393F3Lpj
(3)カッター/スライダー
①先発投手
.158 -- Dylan Bundy, Orioles
.160 -- Sale, Red Sox
.172 -- James Paxton, Mariners
.178 -- Trevor Bauer, Indians
.186 -- Carlos Rodon, White Sox
今季防御率5.45と極度の不振に陥っていたバンディ(オリオールズ)がこの部門では1位を獲得。来季に期待が持てる数字です。
以降は妥当な感じで、6位はパトリック・コービン(ナショナルズ)が入っています。
Dylan Bundy, 92mph Fastball and 84mph Slider, Overlay. pic.twitter.com/C6szAJSroc
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年9月14日
②リリーフ投手
.101 -- Aroldis Chapman, Yankees
.126 -- Hader, Brewers
.139 -- Will Smith, Giants
.153 -- Jose Leclerc, Rangers
.157 -- Edubray Ramos, Phillies
今季30歳になったチャップマン(ヤンキース)がこの部門で首位に立ちました。空振り率も1位で、速球とスライダーの質が如何に高いかが分かります。以降の4人も今季50試合以上登板&防御率3点以下と実力者が並んでいます。
Aroldis Chapman, Disgusting Sliders. 🤮🤮 pic.twitter.com/uoJpYeoeVx
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年8月10日
(4)カーブ
①先発投手
.133 -- Justin Verlander, Astros
.134 -- Blake Snell, Rays
.140 -- Lance Lynn, Twins / Yankees
.171 -- Mike Clevinger, Indians
.177 -- Jack Flaherty, Cardinals
サイ・ヤング賞を受賞したスネル(レイズ)の代名詞となったカーブ部門は僅差でバーランダー(アストロズ)が勝利。4シーム、スライダーのイメージも強いバーランダーですが、カーブの質も圧倒的です。意外枠はリン(レンジャーズ)でしょう。
Blake Snell, Disgusting 81mph Curveball. 🤮🦖 #Snellzilla pic.twitter.com/uTr3D4oeZH
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年9月19日
②リリーフ投手
.133 -- Keone Kela, Rangers / Pirates
.140 -- Carl Edwards Jr., Cubs
.151 -- Jace Fry, White Sox
.153 -- Taylor Rogers, Twins
.160 -- Wade Davis, Rockies
リリーフ部門は先発部門と変わり、意外な選手がズラリ。この中には来年有名になる選手が紛れている可能性が高そうです。ホワイトソックスのジェイク・フライは今季51.1イニングで70三振を奪っていて四死球率等も悪くないので、来季が注目です。
Two Different Views of Keone Kela's Filthy Curveball. pic.twitter.com/u2JLE2sogD
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年9月1日
(5)チェンジアップ
①先発投手
.164 -- Kenta Maeda, Dodgers
.188 -- Joe Musgrove, Pirates
.195 -- deGrom, Mets
.196 -- Stephen Strasburg, Nationals
.200 -- Scherzer, Nationals
デグロムやシャーザーらを抑えて前田健太が1位になっています。シーズン中にチェンジアップの握りを微調整したこともこの数字に貢献しているようです。
Kenta Maeda, Disgusting 85mph Changeup. 😨 pic.twitter.com/jRulH88hAq
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年7月25日
②リリーフ投手
.147 -- Juan Minaya, White Sox
.151 -- Tony Watson, Giants
.193 -- Kevin McCarthy, Royals
.201 -- Fernando Rodney, Twins / A's
.204 -- Erik Goeddel, Mariners / Dodgers
こちらもロドニー以外はそれほど有名でない選手が並んでいます。
ミナヤはBB/9 5.59を改善できればブレイクするでしょう。マッカーシーはK/9 5.75がリリーフ投手としては、物足りなく見えます。
グッデルは現在FAでお買い得な選手の雰囲気があります。
Fernando Rodney, Filthy 84mph Changeup. 😷 pic.twitter.com/6Yl7RFsGqu
— Rob Friedman (@PitchingNinja) 2018年5月29日
Photo By Arturo Pardavila Ⅲ