MLBの読み物

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2018年12月

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2018
年も後1週間で終わりです。

私はとても“早く”感じましたが、MLBでは今季もジョーダン・ヒックス(カージナルス)やウォーカー・ビューラー(ドジャース)といったボールのスピードが“速い”投手が多くデビューしました。

 

そこで今回は、MLB公式サイトのMike Petriello(マイク・ペトリエッロ)氏による記事を紹介していきます。

 

MLBの情報をTwitter等も活用して集めている方は、日々様々な投手の動画を投稿しているRob Friedmanさんを知っている方も多いと思います。あの方の動画ではいわゆる魔球のようなものもありますが、魔球が打者を打ち取るために効果的かは動画を見るだけでは正確に分かりません。

 

そこで今回ペトリエッロさんは、コンタクトの質、量、各球場の特性、守備等を考慮して計算されるxwOBAを元に各投手のボールを分析しているのです。もちろんこの数値が絶対ではありませんが、大いに参考になるでしょう。

 

*速球系は300球以上、その他変化球は250球以上投げている選手が対象です。

ちなみに各球種の平均値は

2シーム:.349

4シーム:.347

チェンジアップ:.283

スライダー:.267

カーブ:.255

となっています。

 

(1)4シーム

①先発投手

.250 -- Walker Buehler, Dodgers
.251 -- Max Scherzer, Nationals
.261 -- Jacob deGrom, Mets
.262 -- Chris Sale, Red Sox
.268 -- Carlos Martinez, Cardinals

 

シャーザーやデグロムといった本格派を抑えて、今季デビューしたビューラーが堂々のトップの座を獲得しています。来年もこれを維持できるか注目です。


 

②リリーフ投手

.198 -- Sean Doolittle, Nationals
.254 -- 
Juan Nicasio, Mariners
.255 -- 
Josh Hader, Brewers
.257 -- 
Edwin Diaz, Mariners
.257 -- 
Nick Wittgren, Marlins
.257 -- 
John Brebbia, Cardinals

 

1人異次元なデューリトル(ナショナルズ)の存在感が際立ちます。しかもこの4シームが投球の90%弱を占めているから驚きです。他には日米野球で来日したブレビア(カージナルス)の名前もあります。


 

(2)2シーム/シンカー

①先発投手

.235 -- Zack Wheeler, Mets
.235 -- 
Anthony DeSclafani, Reds
.257 -- Buehler, Dodgers
.264 -- 
Brad Keller, Royals
.265 -- 
Aaron Nola, Phillies

 

ビューラーがここでもランクイン。またオールスター以降11試合に先発して防御率1.68と一皮剥けた感のあるウィーラー(メッツ)1位となっているのも注目です。


 

②リリーフ投手

.194 --Adam OttavinoRockies
.224 -- 
Adam Cimber, Padres / Indians
.235 -- 
Tim Hill, Royals
.257 -- 
Jared Hughes, Reds
.258 -- 
Craig Stammen, Padres

 

現在FAのオッタビーノといえばスライダーのイメージが強いですが、2シームの威力もかなりのものだと分かりますね。インディアンスに所属しているアンダースローのシンバーが2位にランクしています。


 

(3)カッター/スライダー

①先発投手

.158 -- Dylan Bundy, Orioles 
.160 -- Sale, Red Sox
.172 -- 
James Paxton, Mariners
.178 -- 
Trevor Bauer, Indians
.186 -- 
Carlos Rodon, White Sox

 

今季防御率5.45と極度の不振に陥っていたバンディ(オリオールズ)がこの部門では1位を獲得。来季に期待が持てる数字です。

以降は妥当な感じで、6位はパトリック・コービン(ナショナルズ)が入っています。


 

②リリーフ投手

.101 -- Aroldis Chapman, Yankees
.126 -- Hader, Brewers
.139 -- 
Will Smith, Giants
.153 -- 
Jose Leclerc, Rangers
.157 -- 
Edubray Ramos, Phillies

 

今季30歳になったチャップマン(ヤンキース)がこの部門で首位に立ちました。空振り率も1位で、速球とスライダーの質が如何に高いかが分かります。以降の4人も今季50試合以上登板&防御率3点以下と実力者が並んでいます。


 

(4)カーブ

①先発投手

.133 -- Justin Verlander, Astros
.134 -- 
Blake Snell, Rays
.140 -- 
Lance Lynn, Twins / Yankees
.171 -- 
Mike Clevinger, Indians
.177 -- 
Jack Flaherty, Cardinals

 

サイ・ヤング賞を受賞したスネル(レイズ)の代名詞となったカーブ部門は僅差でバーランダー(アストロズ)が勝利。4シーム、スライダーのイメージも強いバーランダーですが、カーブの質も圧倒的です。意外枠はリン(レンジャーズ)でしょう。


 

②リリーフ投手

.133 -- Keone Kela, Rangers / Pirates
.140 -- Carl Edwards Jr., Cubs
.151 -- Jace Fry, White Sox
.153 -- Taylor Rogers, Twins
.160 -- Wade Davis, Rockies

リリーフ部門は先発部門と変わり、意外な選手がズラリ。この中には来年有名になる選手が紛れている可能性が高そうです。ホワイトソックスのジェイク・フライは今季51.1イニングで70三振を奪っていて四死球率等も悪くないので、来季が注目です。


 

(5)チェンジアップ

①先発投手

.164 -- Kenta Maeda, Dodgers
.188 -- 
Joe Musgrove, Pirates
.195 -- deGrom, Mets
.196 -- 
Stephen Strasburg, Nationals
.200 -- Scherzer, Nationals

 

デグロムやシャーザーらを抑えて前田健太が1位になっています。シーズン中にチェンジアップの握りを微調整したこともこの数字に貢献しているようです。


 

②リリーフ投手

.147 -- Juan Minaya, White Sox
.151 -- 
Tony Watson, Giants
.193 -- 
Kevin McCarthy, Royals
.201 -- 
Fernando Rodney, Twins / A's
.204 -- 
Erik Goeddel, Mariners / Dodgers

 

こちらもロドニー以外はそれほど有名でない選手が並んでいます。

ミナヤはBB/9 5.59を改善できればブレイクするでしょう。マッカーシーはK/9 5.75がリリーフ投手としては、物足りなく見えます。

グッデルは現在FAでお買い得な選手の雰囲気があります。


Photo By Arturo Pardavila Ⅲ

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いよいよ明日はMLBの関係者が勢揃いするウィンターミーティングの最終日です。その最終日の名物の1つが「ルール5ドラフト」です。

 

日本には現状無い仕組みですので、今回は簡単にルール5ドラフトの概要を説明してみたいと思います。今回はMLB公式サイトのhttps://www.mlb.com/mets/news/rule-5-draft-preview/c-301627212

の記事を参考にしています。

 

①指名順位

ドラフトの名を冠しているように、ルール5ドラフトは完全ウェーバー制であり指名順位が高いチームから順に指名していきます。指名順位は2018年のシーズン勝率によって決まります。

 

今回の指名1位は115敗を喫したオリオールズです。その後は勝率順に進んでいき、プレーオフでの成績等は一切反映されません。その為プレーオフに進出したブレーブスよりも進出できなかったレイズの方が指名順位が後になっています。

 

 

②指名対象の選手

指名対象の選手は大きく2つに分けて考える必要があります。その基準はMLBのプロ球団と初めて契約した年齢です。

契約した時点で18歳以下の選手はそこから5シーズン以内に40人枠に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

一方で契約した時点で19歳以上の選手はそこから4シーズン以内に40人枠に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

 

今年で考えるならば、2014年のドラフトで指名&契約した高校生の選手や2015年のドラフトで指名&契約した大学生の選手を想像すると分かりやすいかなと思います。

 

またプロ入りしてからチームが変わった選手も適用除外とはなりません。例えば現在マーリンズ所属のマッケンジー・ミルズは2014年のドラフト時点ではナショナルズ所属でした。その後彼は2度の移籍を経験していますが、今回指名される可能性があります。

 

 

③指名の仕組み

指名をするチームはその選手が所属していたチームに10万ドルを支払うことで選手を獲得できます。選手を指名したチームは翌年のシーズンにその選手を1年間25人枠に置いておく必要があります。もし成績不振等でその選手を外したいとなると、その選手は元所属チームに返却されます(通常のマイナー降格とは異なる)。また返却されたチームは指名球団に5万ドルを返金します。

 

指名は絶対行う必要があるわけではなく、指名を見送ることも可能です。また40人枠最大限まで選手は何人でも指名可能です。

今回はヤンキース等を筆頭に7チームがすでに40人枠の上限に達しており選手を指名できません。一方で最小のレンジャーズは34人等と多くの才能を加えられる可能性があります。

 

④過去の成功例

埋もれた才能を発掘するために行われるルール5ドラフトでは、多くの名選手が輩出されています。今回参照した記事の中で1990年以降のルール5ドラフトで指名された選手のWAR上位が掲載されていました。

1.ヨハン・サンタナ(元ツインズ等) 50.7

2.シェーン・ビクトリーノ(元フィリーズ等) 31.2

3.ジョシュ・ハミルトン(元レンジャーズ等) 28.1
4.
ダン・アグラ(元ブレーブス等) 17.5

5.ホアキム・ソリア(FA) 17.5

 

いずれもMLBファンには馴染みのある選手が多いと思います。今回指名される選手の中にも未来のスーパースターが埋もれている可能性も大いにあります。

 

 

⑤今回の目玉選手

今回ルール5ドラフトで対象となった選手で、MLB公式サイトのプロスペクトランキングでチーム別に30位以内に入っている選手は合計77名です。中には2015年のドラフトで一巡目に指名を受けたタイラー・ジェイ(ツインズ22)やリッチー・マーティン(アスレチックス12)といった元エリートも含まれています。

 

他にもロイヤルズの2017年最優秀マイナー投手を受賞したフォスター・グリフィン(ロイヤルズ29)100マイル超えの速球を投げるジュニアー・フェルナンデス(カージナルス14)、精密なコマンドが売りのトム・エシェルマン(フィリーズ29)等も個人的には気になります。

 

ライブ配信も公式サイトから観れるようですので、是非楽しんでください。

Photo By 
http://bit.ly/2RVQGNu

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