どうもこんばんは。
今日は大きなトレードがありました。それを中心に今日のトレードを振り返ります。
7月30日
①
CLE獲得
ヤシエル・プイグ(OF・MLB)
フランミル・レイエス(OF・MLB)
ローガン・アレン(LHP・AAA)
ビクター・ノバ(IF/OF・Rk)
スコット・モス(LHP・AA)
CIN獲得
トレバー・バウアー(RHP・MLB)
SD獲得
テイラー・トランメル(OF・AA)
CLEの視点
インディアンスはチーム総得点と総HRがリーグ10位と打線の底上げが急務でした。投手陣は今季も安定しており、打線さえ上がってくれば地区優勝も十分狙える状況です。そこにパワーが自慢のプイグとレイエスを獲得できたのは非常に大きいと思います。
一方で気になるのがバウアー放出で投手力の弱体化でしょう。しかしこちらも私は楽観的に捉えています。投手陣は全体で現在FIPがリーグ2位、K%がリーグ4位と強力です。さらに特筆すべきはこの数字を昨年までの主力だったクルーバー、クレビンジャー、カラスコが長期離脱しながら達成している点です。さらに実力派のダニー・サラザーもリハビリ登板を始めており、彼らが戻ってくれば投手陣へのダメージはかなり抑えられるのではないでしょうか。そう考えれば投手陣へのマイナスより野手陣へのプラスが勝ると思います。
さらにプロスペクトを一切放出しなかった点も含めてかなり良いトレードだと思います。ただしプイグは今季オフにFA、レイエスはDHが最適ポジションで他の若手の将来は読めない点を考慮すると仮にPO進出を逃すようなことがあれば多くの批判を受ける事は避けられないでしょう。
CINの視点
レッズは現時点でWCまで6.5ゲーム差と今季のPO進出は少し厳しい立場です。しかし来季までルイス・カスティーヨとソニー・グレイにバウアーが加わったローテは地区内トップクラスですし、今季は昨年打線を支えたスクーター・ジェネットも精彩を欠いている事を考慮すると来季は地区本命になる展開も充分あり得そうです。放出したトランメルは良い選手ですが、今季は停滞感もあるのでバリューが下がった後に放出するよりはここで出すというのは大いにアリだと思います。またプイグに関しても最近はようやくエンジンがかかって来たのか好調ですが、今季の勝負を諦めるならFA保障でドラフト指名権貰うよりバウアーを獲得した方が合理的だと思うのでこちらも理に適っていると感じます。
懸念すべき事項としては、バウアーが成績低下→価値の低下→チームも低迷という負のスパイラルに陥ることでしょうか。ただここ数年のバウアーを見ているとこれは余計なお世話かなとも思います。
SDの視点
恐らく多くのファンは、今季既に27HRを放っているフランミル・レイエスとデビュー済みのローガン・アレンを出してトランメルしか獲得できなかった事に驚いたと思います(私もそうです)。ただファンでもない私がパドレスを批判するのもお門違いですし、本稿ではこのトレードをポジティブに見てパドレスの狙いを考えたいと思います。
確かにトランメルは今季若干伸び悩みを感じますが、まだ21歳でAAでプレイしている時点で早熟ですしここから優れた選手になる可能性はかなり高いと思います。去年のフューチャーズゲームでHRを放つなどスター性も十分で、近い将来パドレスに貢献できるでしょう。
一方レイエスはパワーに特化した選手で、守備は今季のDRS-9と悪く走塁面での貢献もほぼ期待できません。昨今のHR激増状態では、HRを打てるだけでは他の選手との差別化が難しいと言えます。昨年アストロズでチーム内2位のHRを記録したエバン・ギャティスが未だにFA状態というのはそれを象徴しています。
さらにアレンもMLBデビューは飾りましたが、実力的には微妙な感じがありMLB定着には疑問符がつきます。パドレスは投手にも有望株を多く抱えていますから、アレンに十分な出場機会を保証することも簡単ではないでしょう。この状況でマイナーで待機させる事は、本人にとってもチームにとっても不幸な結果につながる可能性が大です。そう考えれば2人の価値は今がピークになる可能性も十分ある訳で、将来チームでの立場を保証できない2人に変えてレッズのトッププロスペクトを取ってくるのは賢い動きにも思えてきます。
②
ATL獲得
クリス・マーティン(RHP・MLB)
TEX獲得
コルビー・アラード(LHP・AAA)
ATLの視点
ATLはブルペンが明確に弱く、FIPはNL12位、BB/9はNL最下位と中々の崩壊具合です。今日の試合も暫定クローザーのルーク・ジャクソンが1回3失点と今年のブルペンの弱さを象徴していました。そんなチーム状況を考慮すると、今季ここまでBB/9 0.95でK/BB 10.75のマーティンは適任者と言えるはずで良い補強だと思います。
TEXの視点
今季キャリアベストのシーズンを過ごしていて、FAでQOを出す可能性が限りなく低い選手と引き換えに有望株を獲得したのは悪くない印象です。ただしアラードは速球の球速がかなり遅いので、打者天国を本拠地にするレンジャーズでどれだけ活躍できるかは未知数ですが。
Photo BY Erik Drost