MLBの読み物

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2020年01月

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今週月曜日に、MLB機構によるアストロズの電子機器を用いたサイン盗みに関する報告書が発表されて関与したジェフ・ルーノーGMAJ・ヒンチ監督の処分が発表されました。

 

その後も当時ベンチコーチとしてサイン盗みを首謀していたと報告されたアレックス・コーラがレッドソックスの監督を退任して、数ヶ月前にメッツの監督に就任したばかりのカルロス・ベルトランも今日で監督退任となりました。

 

月曜日からMLBの監督のポジションが3つも空くなど怒涛の展開となっていますが、日本時間の今朝になってアストロズの中心選手に新たな疑惑が浮上しました。アストロズに所属しているホゼ・アルテューベとアレックス・ブレグマンがユニフォームの中に電子機器を仕込み、その振動音を利用して球種を把握していた疑いが浮上したのです。

 

発端となったのはベルトランの姪を名乗る人物がTwitterでアルテューベとブレグマンの件を投稿した事です。そのツイートのスクショを撮ったツイートが拡散されて一気に話題になりました。ただしあくまで正体不明の人物のツイートであり、この時点では信憑性がそれほど高くありませんでした。

しかしその後レッズに所属するトレバー・バウアーが同じ話(アルテューベとブレグマン)の話を聞いたとツイートした事で、一気に信憑性が高くなりました。


 さらにこのツイートに呼応するかのように、その他の現役選手達もTwitter上で批判を展開し始めました。それぞれの選手の発言内容をまとめます。

①アレックス・ウッド(LAD)

次にどんなボールが来るか分かっている打者と対戦するぐらいなら、ステロイドを使っていす打者と対戦したい。


 

②マーカス・ストローマン(NYM)

 

狂ってる。野球界で出てくるこの戯言すべてを信じることはできない。ただ座って、それがすべてどうなるか見てみよう。俺なりに思う事はあるけど、それは心の中にしまっておくよ。時々、「コメントなし」が1番良い選択肢になることを学んだよ!笑


 

③トミー・ファム(SD)

 

ファムはコメントを付けずに、アルテューベと思われる選手のユニフォームで少し浮いてみえる部分に印をつけた画像をツイートしました。これが彼らの着用していた機器だと主張したいのだと思います。


 

ただしあるアストロズのファンがアストロズ以外のアーロン・ジャッジやベリンジャーもアルテューベのものと似ている機器をつけているように見える動画をツイートしておりファムの画像が決定的な証拠とまでは言えないかと思います。


 

その一方でアルテューベに関しては、昨年2019年のヤンキースと対戦したALCSでシリーズ勝ち抜けを決めたサヨナラHRを打った後の行動が注目されています。

 

シリーズ勝ち抜けを決めた訳で、チームメートと共に祝福するのがよくあるパターンかと思います。ところがアルテューベは不思議にもダグアウトに走っていき、Tシャツに着替えて戻ってきたのです。この動画からフィールドでユニフォームを脱ぐと、機器を着用している事がバレると考えてダグアウトに戻ったのではないかと指摘されているのです。


 

今回浮上した新たな噂に関しては、アルテューベが代理人のスコット・ボラスを通してコメントを発表しているのでその一部を紹介します。



(中略)

(アルテューベ)MLBでプレーしている時に電子機器を着用した事はありません。

(中略)

またALCSでの行動に関しては、(フィールドでユニフォームを脱ぐ事が)恥ずかしかったからです。

またMLB機構も2019年にアルテューベやブレグマンが電子機器を用いていた事実はないと改めてコメントを出しています。それでも疑惑が残ったままではMLBがファンからの信頼を大きく損ないかねない大問題に発展する可能性もあるのではないかと思います。

参考:Altuve denies wearing electronic device in wild day of theories, accusations

Photo BY: Rough Tough, Real Stuff

 

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アストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF9ページ)を全文日本語でお伝えしましたが、番外編として今回はルーノーGMとヒンチ監督の処分後の声明文を日本語で紹介します。

 

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。

 

1.ジェフ・ルーノー(前アストロズGM)による声明文

私は(チームの野球に関する運営を担当する)フロントオフィスの社長およびアストロズのGMとして、私の監督下で発生したルール違反に対する責任を受け入れます。アストロズの組織、アストロズのファン、そしてヒューストンのコミュニティに今回の問題が引き起こした恥に関して謝罪します。フロントオフィスの運営を指揮する機会を与えてくれた(オーナーの)ジムクレーンに深く感謝します。

 

私は不正を犯す人間ではありません。野球界の内外での32年間のキャリアで私と密接に協力してくれた人なら誰でも、私の誠実さを証明できます。ルールが破られていることは知りませんでした。コミッショナーが彼の声明で述べたように、私は個人的に不正行為を指揮、監督、または関与しませんでした。サインを盗む行為はフロントオフィスの上層部によって計画または指示されたものではありません。ゴミ箱を叩いてサインを伝える方法は選手達によって計画および実行され、ビデオを使ってサインを盗む手法に関してもベンチコーチと彼に協力した下位レベルのスタッフによって開始および実行されました。(もし私がサイン盗みに関する事実を知っていたならば)私はそれを止めたはずなので不正行為を知らされなかったことに深く腹を立てています。

 

私たちのフロントオフィスはこの重大なマイナス面をはるかに上回るプラス面を達成してきたというクレーン氏の意見に同意します。多くの非常に優秀な人々がアストロズのために働いてきました。私は、アストロズのフロントオフィスで訓練を積み昇進して現在球界で活躍している人達を、非常に誇りに思っています。

 

2.AJ・ヒンチ(前アストロズ監督)による声明文

野球界の最高の利益を守るためのマンフレッドコミッショナーの揺るぎない決意に感謝します。これらの出来事(電子機器を用いたサイン盗み)に関係していることを後悔し、この期間内のチームの行動に失望し委員の決定を受け入れます。

リーダーおよびMLBチームの監督として、野球の格式を最高の形で示す誠実性を持ち選手とスタッフを率いることは私の責任です。様々な証拠が示しているように私がサインを盗む行為を支持または参加しませんでしたが、私はそれらを止めることができず、とても申し訳なく思っています。

今回の問題が彼とアストロズに及ぼしたすべての否定的な側面について、私は(オーナーの)クレーン氏に謝罪します。ファンにはこの困難な時期を通して継続的にサポートしてくれたこと、そしてこのチームに感謝します。間違いを犯したことをお詫び申し上げますが、そこから学ぶことができると確信しています。

ヒューストンで私が過ごした時間を通して、私はキャリアの中でもいくつか最高の瞬間を経験できました。それらの(最高の)思い出は(これからも)常に私と私の家族の近くで大切なものとして残っていきます。アストロズでの時間が終わったことには悔いが残りますが、チーム・選手・そして光栄な事に共に働く事が出来たスタッフを応援していきたいと思います。私が愛する野球の世界で将来彼らに幸運がある事をお祈りしています。

 

Photo BY: Photo BY:M&R Glasgow

参考:①A.J. Hinch releases statement after being suspended and fired

② Jeff Luhnow issues statement in wake of suspension, firing

 

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part3こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

ジェフ・ルーノーGMの責任

ルーノーはサイン盗みに用いられた2つの手法であるゴミ箱を叩く方法とリプレイレビュールームスタッフがサインを解読してそれをダッグアウトに送信する方法への関与を断固として拒否しています。 調査ではルーノーがゴミ箱を叩く方法を認識していたことを示唆する証拠は見つかりませんでした。 また調査によると、ルーノーが2017年または2018年にリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読する方法を考案したり、積極的に指示した事実は見つかりませんでした。

ルーノーはリプレイレビュールームのスタッフがサインを解読して送信している事に気付いていた事も否定していますが、 実際には彼がその手法を知っていた上でそれほど関心を示さなかったという事を示す文書的な証拠と証言があります。

 

チームの規則違反に関してルーノーがどれほど把握していたかとは関係なく、私は彼のチームが行なった違法行為について彼に責任を負わせます。GMの仕事はスタッフと選手の行動を認識し、それらの行動がオーナーとMLBのルールによって設定された行動規定の両方に適合することを保証することです。

20179月のレッドソックス事件に関して彼は知っていた事そして2017915日に私が全球団に送付した文書とジョー・トーリが送付した20183月の文書の両方を受け取ったにもかかわらず、ルーノーはチームが規則を遵守していることを確認するための適切な措置を講じることができませんでした。

ルーノーは上記の文書の内容を伝えず、選手とスタッフがMLBのルールと文書に適切に対応していることを確認しませんでした。ルーノーが20179月にそれらの措置を講じていたら、その時点でアストロズが両方のサイン盗みをやめていたことは明らかです。

 

最後にALCSでのブランドン・トーブマン前GM補佐の行為に関する調査に関する9回の面談に加えて、今回の調査で実施した68件の面談から収集したアストロズのフロントオフィスに関するいくつかの一般的な観察を行います。

フロントオフィスの運営に関する経験が豊富な人物を擁する他のチームと同様に、アストロズのオーナーであるジム・クレーンはフロントオフィスの裁量をルーノーに委任しつつ、(彼自身は)チームのビジネス側の運営に注力しています。

 

そしてルーノーが野球界の分析革命を先導しアストロズをプレーオフの常連のチームに再建した現在最も成功した野球エグゼクティブの一人であると広く考えられているという事実に照らしても、野球部門とビジネス部門で責任の分担を疑問視することは困難です。ルーノー率いるフロントオフィスが分析の業界リーダーであることに誰も異議を唱えることはできませんが、従業員の扱い方や他のチームとの関係に現れているフロントオフィスの文化、メディアや外部の利害関係者との関係は非常に問題があります。

少なくとも私の考えでは、フロントオフィスの結果を優先しすぎる文化がしばしば指示や十分な(上司による)監督を欠いているスタッフと結びつき、それが部分的にブランドン・トーブマンの事件につながりました。さらにその事件に対する不適切で不正確な事後対応、そして最終的に今回のレポートで記載されているような事が起こる環境に繋がっていると言えます。あくまでこれらの指摘は野球に関する事を決定するフロントオフィスに対して向けられたものであり、今回の調査は野球とは独立したビジネス部門には及んでいません。

 

AJ・ヒンチ監督の責任

ヒンチはゴミ箱を叩く手法を考案した事もそれに参加することもありませんでした。ヒンチは調査員に、ダグアウトの近くに設置されたモニターを使用して選手がサインを解読しゴミ箱を叩く行為を彼はサポートしなかったと言いました。

ヒンチはモニターを物理的に2回損傷させて交換を必要とすることで、サイン盗みを認めないという意思を示そうとしました。

ただしヒンチは20179月にレッドソックスが懲戒処分を受けた後でも、サイン盗みを拒否せず選手達またはコーラがサイン盗みを行う事を止めなかった事を認めました。

同様に彼はリプレイレビュールームからサインを伝達する方法に関しても存在を知りながらも止めませんでした。しかしながら彼はこの方法にも同意せず、サイン盗みの目的でのリプレイフォンの使用に関して少なくとも1度懸念を表明しました。選手とコーチを管理する責任を持つ人物としてヒンチが行動しなかったことを正当化することはできません。

 

もしヒンチが状況の処理方法を分からなかったならば、問題をルーノーに伝える事は彼の責任でした。ヒンチはサイン盗みの継続を許可したことについて、私と調査官の両方に後悔の念を示しました。ヒンチの反省は評価に値しますが、特に彼は一連のサイン盗みに関する事情に精通しており2017年のポストシーズンを通じてそれを続けることを選択したのであり彼はチームが行なった行為に対して責任を負わなければなりません。

 

アレックス・コーラ(2017年アストロズのベンチコーチ)の責任

コーラはゴミ箱を通じたサイン盗みの手法の開発とリプレイレビュールームの利用によるサインの解読と送信の両方に関与しました。コーラは両方の行為に参加し彼の積極的な参加を通じて、暗黙のうちに選手達の行為を容認しました。DOI2018年にコーラが監督を務めるレッドソックスが行なった電子機器を利用したサイン盗みに関する調査を完了させるまで、彼の処分の決定を延期します。

 

ブランドン・トーブマン(前アストロズGM補佐)の責任

トーブマンはALCSの試合後に複数の女性記者に対する不適切な行為により、20191024日にアストロズによって解雇されました。今回の疑惑に関して調査員はトーブマンと面談を行い、彼もルーノーのようにサイン盗みの行為への関与を否定しました。アストロズの今回のMLB規則違反に対するトーブマンの過失を判断する必要はないと思います。これは、以下で説明するように、クラブハウスでのトーブマンの不適切な行為に対する重大な懲戒を課しているからです。

 

ジム・クレーン(アストロズオーナー)の責任

ジム・クレーンはチームが行なったMLB規則の違反を知りませんでした。 実際レッドソックスの違反が発表された後に、クレーンはルーノーにアストロズでは同様の行為が行われていないかを確認する必要があると語っていた。

下位レベルのアストロズのスタッフの中には、ルール違反を知っている人や、他の人の指示で違反に参加した人がいました。 これらのより若い従業員の行為が懲戒またはその他の是正措置に値するかどうかはアストロズに委ねます。

 

処分内容

アストロズとそのフロントオフィスの上級幹部の行動は重要な懲罰に値することがわかりました。この調査結果は20179月にフロントオフィスの上級幹部がサインの盗難に関するポリシー違反の責任を負うことを明確に通知し、彼らが2017年のポストシーズンおよび2018年のレギュラーシーズン中にチームの選手とスタッフがこの規定を遵守する事を確認するための行動を取らなかったという事実に基づいています。

ここに記載されている行為によりファン、プレーヤー、他のMLBチームのスタッフ、およびメディアはアストロズが参加したゲームの誠実さについての質問を提起しています。そして行為が実際にフィールドの結果に影響を与えたかどうかを判断することは不可能ですが、それが実際に行われたという認識はゲームに重大な損害をもたらします。

 

1.

チームは2020年および2021年のドラフトでの通常の第1順目及び第2順目での指名権を放棄します。チームがFA選手の獲得等により、ドラフト1巡目指名権等を失っている場合は翌年のドラフトで該当する指名権を没収するものとします。

2.

クラブはコミッショナーオフィスに500万ドルの罰金を支払いますが、これはMLBの規定で認められている最高額の罰金です。

 

1.

ジェフ・ルーノーは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ルーノーはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ルーノーは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。彼の停職期間中コミッショナーオフィスは、このレポートに記載されている種類のインシデントが将来発生しないようにするために、ルーノーと適切な管理/リーダーシップトレーニングプログラムについて話し合います。またルーノーが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

2.

AJ・ヒンチは、2020113日から2020年のワールドシリーズの終了日の翌日まで無給で活動停止処分となります。ヒンチはアストロズまたはその他のメジャーリーグのチームに代わってサービスを実行したり、ビジネスを行ったりすることを禁じられています。ヒンチは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、またはスタジアムを含むスプリングトレーニング施設に立ち入ることはできません。またチームと一緒にまたはチームを代表して旅行することはできません。 ヒンチが将来MLBのルールの重大な違反に関与したことが判明した場合永久追放リストに掲載されます。

 

3.

20191019日のクラブハウスでの不適切な行為に基づき、ブランドン・トーブマンは、2020年のワールドシリーズ終了の翌日までMLBのビジネスに関与する事が出来ません。また2020年のワールドシリーズ終了の翌日には彼は復職を申し込む資格があります。トーブマンがMLBのルールの将来の重大な違反に関与していることが判明した場合、トーブマンは永久追放リストに掲載されます。

 

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MLB機構コミッショナー

ロバートD. マンフレッド, Jr.

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:M&R Glasgow

 

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

III ルール違反に対するアストロズの選手及びスタッフの責任

 

アストロズが2017年と2018年に行なった相手チームのサインを解読し打者に伝える方法は、チームのフロントオフィスの上層部が主導になって計画や指示を行なっていたものではありませんでした。むしろ選手達がゴミ箱を叩いた2017年のサイン盗みの手法はアレックス・コーラ(BOS監督)を除き、選手達が主導権を握り選手達が実行したものでした。

またアストロズのリプレイレビュールームスタッフがセンターフィールドカメラを使用してサインを解読しようとする試みは、アストロズの選手やコーラと協力して働くフロントオフィスの下位スタッフによって始められ実行されました。

 

リプレイレビュールームのスタッフが関与した取り組みはジェフ・ルーノー前アストロズGMに送信された少なくとも2つの電子メールで言及されており、このテーマに関してルーノーが説明した内容とは矛盾する証拠があります。 

ルーノーが実際にどれだけこれらのサイン盗みを知っていたかとは関係なく、2017年と2018年のアストロズのルール違反はチーム内にルールを遵守する文化を確立して、ルールに違反する事が発生するとすぐにそれを止めるようにスタッフを適切に管理する事を怠ったフロントオフィスのリーダーであるGMと現場の監督に原因があると私は考えます。

 

アストロズの選手達の責任

2017年のチームに所属していた野手のほとんどは、ゴミ箱を叩く方法から相手チームのサインに関する情報を得るかあるいは、サインの解読やゴミ箱を叩く役割を担う事で他の選手を助けていました。面談を行なった選手の多くは、サイン盗みという行為が公正な競争を阻害するものでMLBのルールにも違反しており一線を超えた行為であることからサイン盗みを行なった事は間違いであると認めた。選手達は、監督であるAJ・ヒンチが彼らにサイン盗みを止めるように言ったならば、すぐに止めていたと主張していました。

 

アストロズの選手達はヒンチ監督や他のアストロズのスタッフから彼らが行なっていることを隠そうとはしませんでしたが、他のチームのプレイヤーに見つかる事を心配していました。 当時ホワイトソックスの投手ダニー・ファーカーがゴミ箱の存在に気付いたように見えた後、アストロズのダグアウトがパニック状態になっていたと数人のプレイヤーが調査官に話しました。 その試合が終了する前に、アストロズの選手達がトンネル内の壁からモニターを取り外し、オフィスに隠しました。 ポストシーズンでは、ダグアウト近くの壁に取り付けられていたモニターの代わりに、テーブルにポータブルモニターが設置されました。

 

一部のアストロズの選手は捜査官にサインを盗む事が効果的であるとは思わず、むしろ打者にとって役に立つものではなく気を散らすものだと語った。 私はこのサイン盗みという行為がアストロズの打者(間違いなく非常に才能のあるグループ)を助けたのか、アストロズが試合に勝利する事を助けたのかを評価する立場にはありません。

試合の結果に影響を与える要因は非常に多く、サイン盗みが試合の結果に有用なものであったかは分かりません。しかしサイン盗みが有用であったかどうかに関係なく、それはルールに違反し、少なくとも客観的に見れば不公平に見えます。そのために厳しい処分が必要です。

 

私はアストロズの個々の選手に対する処分は決定しません。20179月に、この種の不正行為に対する責任をチームのGMと監督に課すことを決定しましたが、(今回も)その決定から逸脱することはありません。 この種の行為に対する選手の処分を決定することは難しく、非現実的です。ほぼすべてのアストロズの選手がこのサイン盗みに関与または事情知っているため、私は調査記録に基づいて責任を負うべきすべての選手やその相対的な過失の程度を確実に決定する立場にないため、(処分を決定する事は)困難です。多数の選手が関与しておりそれらの選手達の多くが現在他のチームでプレーしているという事実を考えると、(選手に処分を課す事は)非現実的です。

 

しかしもっと重要なのは、チームのGMと監督には選手がルールを理解しそれを順守することを保証する責任があるということです。 私たちのコミッショナーオフィスオフィスはチームに多くの詳細なルールと手順を伝えています。その多くは、サイン盗みに関するものも含め選手達に直接伝えられるわけではありません。 フィールドでのプレーを規定しているルールについて選手達に教育し、指導する事がチーム、そして今回のケースではGMと現場の監督の義務です。

今回のケースではチームのベンチコーチがサイン盗みに積極的に関与しており、チームの監督はその一連の行為を認識していました。(しかし)それを止めることは何もしなかったため、一部の選手達は自分の行動がチームによって容認されているだけでなく、 チームから推奨されているとも捉えました。 これはチームが行った不正行為であり、個人的に責任を負う個人を除き懲戒処分はチームに向けられます。

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:Ian D'Andrea

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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part2では2018年シーズンと2019年シーズンの違反についての部分(PDF4ページ途中まで)です。


Part1こちら

Part3こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

 2017年から2018年のオフシーズン中に、GM会議での議論を経てコミッショナーオフィスはリプレイレビュールームとダッグアウトを接続する電話がプレーに関してのチャレンジ以外の目的で使用されないように監視されることをチームに通知しました。さらに20183月ジョー・トーリ(MLB機構のChief Baseball Officer)はすべてのクラブに文書を発行し、電子機器を使用したサイン盗みに関する禁止事項を拡大すると伝えました。

 

 関連する部分を抜粋すると以下の通りである。

*****

 

メジャーリーグ野球規則1-1は、打撃練習が開始されてからはすべての選手、クラブハウススタッフ、および機器スタッフが、あらゆる種類のトランシーバー、携帯電話、「スマートウォッチ」(Appleウォッチなど)、ラップトップなどの電話または類似の電子機器を使用または所有することを禁止しています。コンピューター、タブレット、またはダッグアウト内またはその近く、ブルペンまたは競技場で、その他の通信デバイス。MLBR 1-1は、試合の開始から30分以内にクラブハウスでそのようなデバイスを使用することも禁止しています。禁止事項の中には、ベンチまたはブルペンにいる人が電子メッセージを受信できる電子機器を使用する事も含まれます。

 

チームのリプレイルームやビデオルームでのゲームフィードを含む電子機器は、対戦相手のチームのサインを盗む目的で試合中に使用することはできません。この点でMLBR 1-1は、「状況を問わず、サインを盗んだり、チームに競争上の優位性を与えるために設計された他の情報を伝える目的で電子機器を使用することはできません」と明示しています。クラブハウスまたはチームのリプレイまたはビデオルームにある機器を試合中に相手のチームのサインを解読するために使用する事は、明確にこの規則に違反します。試合中にリプレイまたはビデオルームの機器をそのような目的で使用したことが判明したクラブ(およびクラブのスタッフ)は、コミッショナーオフィスの懲戒処分の対象となります。

 

*****

2018年シーズンの前にMLB機構の承認を得て、アストロズはリプレイレビューシステムをリーグ全体の多くの球場の場合と同様にダッグアウトにずっと近いビデオルームに移動させました。 調査では、2018年にアストロズの選手達がゴミ箱を叩いてサインを伝える仕組みを使用したという証拠は見つかりませんでした。しかしアストロズのリプレイレビュールームのスタッフは少なくとも2018シーズンの一部の間ライブセンターフィールドカメラフィードを使用して相手チームのサインを解読し、対面のコミュニケーションを通じてダッグアウトにサインを伝え続けていました。2018年シーズンのある時点でアストロズはリプレイレビュールームを使用してサインを盗む事を止めました。この調査では、2018年のポストシーズン期間中にアストロズが電子機器を利用してサインを解読および送信しようとする試みは発見されませんでした。

 

2019年シーズンの前にコミッショナーオフィスはサイン盗みを管理するために改訂した方針を発行しました。この方針にはルール違反が発生しないようにするために、クラブのリプレイレビュールームにコミッショナーオフィスによって派遣されたスタッフを配置する事も含まれています。(この対応は2018年のポストシーズンに始まりました)また調査により、2019年シーズンまたは2019年ポストシーズンのアストロズによるルール違反はないことが明らかになりました。

また2016年から現在まで他のチームのサインを解読するためにアストロズが上記以外の方法を使用したという事実は明らかにされませんでした。

参考:Statement of the Commissioner 
 Photo BY Neon Beer Signs For Sale

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