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今朝発表されたアストロズのサイン盗みに関して、MLB機構のコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の署名入りの報告書(PDF全9ページ)を全文日本語でお伝えします。
Part4ではルーノーーGMやヒンチ監督の処分の理由等について触れています。

Part1こちら

Part2こちら

Part4こちらからそれぞれお読み頂けます。
 

III ルール違反に対するアストロズの選手及びスタッフの責任

 

アストロズが2017年と2018年に行なった相手チームのサインを解読し打者に伝える方法は、チームのフロントオフィスの上層部が主導になって計画や指示を行なっていたものではありませんでした。むしろ選手達がゴミ箱を叩いた2017年のサイン盗みの手法はアレックス・コーラ(BOS監督)を除き、選手達が主導権を握り選手達が実行したものでした。

またアストロズのリプレイレビュールームスタッフがセンターフィールドカメラを使用してサインを解読しようとする試みは、アストロズの選手やコーラと協力して働くフロントオフィスの下位スタッフによって始められ実行されました。

 

リプレイレビュールームのスタッフが関与した取り組みはジェフ・ルーノー前アストロズGMに送信された少なくとも2つの電子メールで言及されており、このテーマに関してルーノーが説明した内容とは矛盾する証拠があります。 

ルーノーが実際にどれだけこれらのサイン盗みを知っていたかとは関係なく、2017年と2018年のアストロズのルール違反はチーム内にルールを遵守する文化を確立して、ルールに違反する事が発生するとすぐにそれを止めるようにスタッフを適切に管理する事を怠ったフロントオフィスのリーダーであるGMと現場の監督に原因があると私は考えます。

 

アストロズの選手達の責任

2017年のチームに所属していた野手のほとんどは、ゴミ箱を叩く方法から相手チームのサインに関する情報を得るかあるいは、サインの解読やゴミ箱を叩く役割を担う事で他の選手を助けていました。面談を行なった選手の多くは、サイン盗みという行為が公正な競争を阻害するものでMLBのルールにも違反しており一線を超えた行為であることからサイン盗みを行なった事は間違いであると認めた。選手達は、監督であるAJ・ヒンチが彼らにサイン盗みを止めるように言ったならば、すぐに止めていたと主張していました。

 

アストロズの選手達はヒンチ監督や他のアストロズのスタッフから彼らが行なっていることを隠そうとはしませんでしたが、他のチームのプレイヤーに見つかる事を心配していました。 当時ホワイトソックスの投手ダニー・ファーカーがゴミ箱の存在に気付いたように見えた後、アストロズのダグアウトがパニック状態になっていたと数人のプレイヤーが調査官に話しました。 その試合が終了する前に、アストロズの選手達がトンネル内の壁からモニターを取り外し、オフィスに隠しました。 ポストシーズンでは、ダグアウト近くの壁に取り付けられていたモニターの代わりに、テーブルにポータブルモニターが設置されました。

 

一部のアストロズの選手は捜査官にサインを盗む事が効果的であるとは思わず、むしろ打者にとって役に立つものではなく気を散らすものだと語った。 私はこのサイン盗みという行為がアストロズの打者(間違いなく非常に才能のあるグループ)を助けたのか、アストロズが試合に勝利する事を助けたのかを評価する立場にはありません。

試合の結果に影響を与える要因は非常に多く、サイン盗みが試合の結果に有用なものであったかは分かりません。しかしサイン盗みが有用であったかどうかに関係なく、それはルールに違反し、少なくとも客観的に見れば不公平に見えます。そのために厳しい処分が必要です。

 

私はアストロズの個々の選手に対する処分は決定しません。20179月に、この種の不正行為に対する責任をチームのGMと監督に課すことを決定しましたが、(今回も)その決定から逸脱することはありません。 この種の行為に対する選手の処分を決定することは難しく、非現実的です。ほぼすべてのアストロズの選手がこのサイン盗みに関与または事情知っているため、私は調査記録に基づいて責任を負うべきすべての選手やその相対的な過失の程度を確実に決定する立場にないため、(処分を決定する事は)困難です。多数の選手が関与しておりそれらの選手達の多くが現在他のチームでプレーしているという事実を考えると、(選手に処分を課す事は)非現実的です。

 

しかしもっと重要なのは、チームのGMと監督には選手がルールを理解しそれを順守することを保証する責任があるということです。 私たちのコミッショナーオフィスオフィスはチームに多くの詳細なルールと手順を伝えています。その多くは、サイン盗みに関するものも含め選手達に直接伝えられるわけではありません。 フィールドでのプレーを規定しているルールについて選手達に教育し、指導する事がチーム、そして今回のケースではGMと現場の監督の義務です。

今回のケースではチームのベンチコーチがサイン盗みに積極的に関与しており、チームの監督はその一連の行為を認識していました。(しかし)それを止めることは何もしなかったため、一部の選手達は自分の行動がチームによって容認されているだけでなく、 チームから推奨されているとも捉えました。 これはチームが行った不正行為であり、個人的に責任を負う個人を除き懲戒処分はチームに向けられます。

 

参考:Statement of the Commissioner 

Photo BY:Ian D'Andrea