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昨日もお伝えしましたが、MLBも少しずつ開幕に向けて動き出しました。そしていよいよ今日からは日本のプロ野球が開幕します。多くの人が楽しみにしていたかと思いますが、当面は無観客試合で実施される点で例年とは異なります。そこで今回は既に無観客試合を経験しているKBO所属の3人の外国人選手達の意見が掲載されていた記事を紹介します。それではどうぞ。

 

ロッテ・ジャイアンツに所属する投手のダン・ストレイリーは無観客での試合は8年間のMLB生活でも経験したことのないものであると感じている。ストレイリーはMLBでも観客が少ないことで知られるオリオールズやマーリンズに所属していたが、それらのチームやさらにはマイナーリーグの試合ですら現在のKBOの無観客試合に比べれば遥かにエネルギーに満ちていた。

 

ストレイリーは無観客試合について「どんな些細な音でも聞こえる。ドームの中は恐ろしいほど静かで、交通機関の音すら聞こえない。」と語っている。

 

今季のMLBが実施されるかも分からない状況が続いているが、パンデミックの影響で無観客試合が余儀なくされているKBOでの試合がどのような雰囲気かを知ることは大いに参考になるだろう。

 

普段の試合と同じ環境に少しでも近づけるために、KBOのチームの中にはスタンドにぬいぐるみやマスクを着用したファンの切り抜きを置いているチームもある。本来のKBOの試合では客席から歓声や歌声が聞こえるが、現在はチアリーダーの歓声や歌声が聞こえるのみである。そしてファンはオンラインでストリーミング配信を楽しんでいる。

 

ストレイリーに続いて紹介するのはLGツインズに2019年から所属するケイシー・ケリーだ。ケリーは現在のKBOの試合に最も近い経験をしたのは、彼がマイナーリーグでプレーし始めたばかりの時に家族や友人しか観客席にいなかった頃だと考えている。ただそんなケリーですら25,000の空席がある現在のKBOでの試合は非現実的だと感じている。

 

今季から韓国に渡ったストレイリーとは異なり、昨年もKBOでプレーしたケリーは球場の賑やかな雰囲気を経験していたが今年はその正反対の環境でプレーしている。

 

「本来なら球場全体で歌を歌っているのに、今年は5人のチアリーダーが応援しているだけだ。さらにアウェイのチームはチアリーダーもいないから、自分がホームで(アウェイのチーム相手に)投げる時は完全に静かな状態だ。」

 

沈黙は通常ならば気にもならない些細な音を目立たせる。味方も敵もお互いにダウアウトからマウンドへの指示が聞こえるし、投手が投げたボールが吸い込まれる音やバットが当たる音も聞こえる。

 

「打者がバットを当てる度に大きな音が聞こえる。普段はそれに慣れていないから、まるで彼らが毎回ボールを粉砕しているんじゃないかと思うよ。」とケリーは語っている。

 

ここまでは投手の意見を見てきたが、野手はどう感じているのだろうか?2019年にKIAに加わったプレストン・タッカーは観客の歓声の重要性を実感しているようだ。

 

「試合の中で訪れる重要な局面で打席に立ってもそれに気づかないんだ。静かな環境で試合をしていて、重要な場面でもそうでない場面でもスタジアムの雰囲気が全く変わらないからね。」とタッカーは感じている。

 

以上の3選手全員が感じている事はファンの存在の大きさである。ファンの声援を直接浴びることでアドレナリンが出る事もあったが、今年は残念ながら自分自身の内側から引き出す必要がある。さらにケリーが語るように、どれだけ重要な局面で三振を奪っても一切歓声が聞こえないのだ。

 

ストレイリーやタッカーは試合が終わると球場に隣接した駐車場でファンと出会うことがある。選手達は一部の試合でファンが試合の生の雰囲気を楽しむために駐車場にいることに気づいている。

 

ストレイリーは「観客がいない中で試合をする可能性について考えることすらなかったが、観客がどれだけ重要な存在だったかを感じる。」と語っている。

 

タッカーは最大5万人のファンを収容できるMLBの球場よりも2.5万人しか収容できないKBOの球場の方が賑やかであると語っていて、さらにその球場の雰囲気をとても気に入っている。

 

最後にプロでのキャリアを通して当たり前だと思っていたことが当たり前でなくなり前例のない状況を経験しているストレイリーはこう語った。「ファンがいるから仕事ができるということを思い知らされた。」

 

参考:What's it like to play in front of no fans? We asked the guys already doing it

Photo BYEugene Kim