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今回はESPNBuster Oleny 氏によるOlney: What's behind the decline and fall of the stolen base?という記事を紹介したいと思います。

リンクはこちらから

(http://www.espn.com/blog/buster-olney/insider/post/_/id/18244/olney-whats-behind-the-decline-and-fall-of-the-stolen-base) 

この記事ではMLBにおける盗塁数の減少の理由について触れています。

今回の記事の前提にあるのは、現在のMLBでは盗塁数が減少傾向にあるということです。ここ30年間の1試合あたりの盗塁数の変化を見てみます。

1988 0.79 

1993 0.72

1998 0.68

2003 0.53

2008 0.58

2013 0.55

2018 0.50

となっていて減少傾向にあるのは明らかだと言えます。

それではその背景には何があるのでしょうか?オルニー記者の分析とともに見ていきましょう。

 

理由その1 現在はHRの時代

近年MLBではフライボールレボリューションなどの影響もあってHR数が増加傾向にあります。これが盗塁数の減少にも繋がっているようです。

 

打者がよりHRを狙うようになったことも盗塁減少に関係しているかもしれませんが、オルニー記者はもっと別の理由があると説明します。

それは、打席に入る打者は走者が盗塁を狙っているのが気になって打席で集中できないということです。走者が盗塁を狙わずにいれば、打者は投手との対戦に集中できるというわけです。

さらに仮に走者が盗塁に成功した場合、バッテリーはより打者に対して厳しい配球をするはずで打者はHRを打ちにくくなるとも言えます。

 

理由その2 故障のリスク

盗塁は常に故障と隣り合わせのプレイです。仮にチームの主力がそれほど大事でない場面で盗塁を狙い故障すれば、チームへのダメージは大きくなります。

 

つまり1つの盗塁で得られる得点のチャンスと故障のリスクを天秤にかけた場合に、リスクの方が大きいということになります。

 

理由その3 精度の高いリプレイ検証の導入

 

現在のMLBの試合ではいわゆるチャレンジ制度が導入されています。これにより、走者はわずかな隙に手をベースから離してもアウトになります。

 

つまり走者は昔のリプレイ検証が無かった頃と比べて、気を配らないといけないことが多くなりアウトになる可能性も高いのです。


 理由その4 盗塁成功率

 

アスレチックスのマネーボール以来現在のMLBはデータ分析がチームの意思決定において大事にされていて、それが盗塁にも影響しているようです。

オルニー記者によると、成功率が80%を割っている選手は盗塁しないように言われるとのことです。

 

例えば2014年に31盗塁を記録していた現在タイガースのレオニス・マーティンは昨年11回盗塁を狙い7回の成功に留まっていて今季は2盗塁しか記録していません。

 

理由その5 牽制の変化

 

投手が繰り返し走者を牽制するとブーイングが起こります。しかし投手が何度も牽制をするのは、走者をアウトにするためには合理的です。このようにしつこい牽制があることも、走者を走りにくくしているようです。

 

理由その6 投手のメカニクスの変化

投手が投球のデリバリーをより効率的な方法に変更していることも、盗塁の減少に関わっているようです。パドレスで今季デビューしたジョーイ・ルケッシも非常に牽制がうまいです。マイナー時代から牽制の極意のようなものを学んでいるのかもしれません。

 

理由その7 捕手像の変化

現在のMLBでは捕手に求められるものが変わっているとオルニー記者は指摘しています。かつては大柄でスピードのない選手が多いポジションでしたが、現在は守備重視で小柄で送球が上手い捕手が多いと指摘しています。

 

*感想

確かにMLBの試合を見ていても盗塁数の減少を感じる機会は多いです。その結果30-30といった概念も形骸化する日が来るかもしれません。これからは選手のスピードは盗塁数ではなく、守備に生かすためのものとして認識されることも多くなるのではないかと改めて感じました。

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