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先週MLBでは2018年のドラフトが行われました。タイガースが全体1位で指名したケーシー・マイズに始まり、合計1214人の選手が指名されました。もちろんその中には、大学への進学を選ぶ選手や大学に残って来年のドラフトで高順位で指名されることを狙う選手もいます。

そのために、当然全員が球団と契約するわけではありません。しかし選手やその家族にとっては、順位の高い低いはあるにせよドラフトで指名されることは大きな名誉だと言えます。

 

そんな中で今回はカブスが最終40巡目全体1208位で指名されたイタマー・ステイナー選手に関する心温まる物語を紹介したいと思います。

 

参考にさせていただいたのは、カブスの地元紙シカゴサンタイムズ紙とジョン・ヘイマン氏の記事です。それぞれそれほど長くないので、こちらにも目を通していただきたいと思います。

シカゴサンタイムズ紙:(https://goo.gl/ektskb

ジョン・ヘイマン氏:(https://goo.gl/gzpsTf)

 



まずは、ステイナーという“有名ではない”選手についてどんな経歴の選手なのかについて触れます。

ステイナー選手の父であるデイビッド・ステイナー氏は不動産投資家など複数の肩書きを持つ人物で、大のカブスファンでもありました。しかし家族はシカゴ近郊ではなく、リグレーフィールドから遠く離れたイスラエルで暮らしていました(ステイナー氏はユダヤ教徒でもありました)

 

ステイナー親子は筋金入りのカブスファンであり、2人の夢はカブスのワールドシリーズ制覇でした。ステイナー氏は息子を含めた子供達を毎年MLBの試合に連れて行っていました。そしてカブスがワールドチャンピオンに輝いた2016年のプレーオフでは、ロサンゼルスで行われたNLCSの観戦にも親子で向かいました。その後カブスは、ドジャースとインディアンスを下して栄光を手にしました。しかしこの観戦以来ステイナー親子が揃ってMLBの試合を観戦することはありませんでした。

 

その年の12月に親子はウガンダに映画の撮影として向かいました。これはthe Come Trueと呼ばれるプロジェクトの1つであり、このプロジェクトはイスラエルが国外追放にした難民たちを助けるためのものでした。

 

父であるデイビッドはクリスマスにウガンダの首都で開かれたパーティーに、カブスのワールドシリーズ記念Tシャツを身につけて出席しました。そこでウガンダの子供達におもちゃをプレゼントしました。その日は素晴らしい1日となりました。

 

しかし翌日に悲劇が待っていたのです。その日映画のクルー達は、約4時間のドライブをしていました。しかしその途中で彼らが乗っていたバスに自動車が衝突したのです。バスには20人弱の人が乗っていましたが、デイビッド・ステイナー氏だけが亡くなりました。当時51歳でした。


息子のイタマーは怪我こそ軽傷で済みましたが、精神的に大きなショックが残りました。しかし彼はその後約2年間ナイルス・ノース高校で野球を続けました。チームでは主にレフトを守り、2番を打ちました。学年が上がるにつれてリーダーシップも発揮しました。

 

父のデイビッドの友人であるデイビッド・ルゲンドルフは、イタマーに対してのサプライズを考えました。彼はカブスのスカウト部長を務めるジェイソン・マクロードにステイナー家についてメールしたのです。クリスマス付近でたまたまメールをチェックしたマクロードはその話に興味を抱きました。

 

その後カブスのエリアスカウトが、ドラフトでの使命のためにイタマーの健康状態に関する情報を得ようとイタマー本人に電話をかけました。

しかしイタマーはこれを高校の同級生達のいたずらだと思い、真剣に聞き入れなかったのです。そして返事もしませんでした。

 

そこでマクロードが再びルゲンドルフにコンタクトを取り、イタマーに事情を説明したのです。

 

イタマーはドラフト前に、39巡目で指名されると聞いていました。しかし彼の名前はそこで呼ばれず一度は落胆したそうです。その後最終的に40巡目で見事に指名されました。その出来事をイタマーは小さい頃からの夢が叶ったと表現しています。

 

イタマーはプロ入りを考えているわけではありません。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に進学して将来的にはビジネススクールに通うことをキャリアプランとしているようです。そして父親が撮り残した映画を完成させたいと考えています。


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https://goo.gl/769b2S