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こんばんは、今日はフィリーズのブルペン戦略についての記事を紹介したいと思います。今季からフィリーズの指揮官に就任したゲーブ・キャプラーは少しブルペンに関して実験をしているようです。

 

今回紹介する記事は、フィリーズの地元紙の1つであるPhilly.comに掲載されていた記事です。記事のリンクを貼っておきますので、是非こちらにも目を通していただけたらなと思います。

 

(参考)

Phillies manager Gabe Kapler explains his 'different approach' to bullpen management (https://goo.gl/AYY6ne)

 

それではこの記事の概要を見ていきたいと思います。

まずは、今季のフィリーズブルペンについての特徴を簡潔に説明します。

防御率4.00は全球団中19

FIP 3.79は全球団中15

K/9 9.52は全球団中9

BB/9 3.43は全球団中12

成績だけを見ると、良くもなく悪くもない印象を受けます。

 

しかしある数字を見ると、フィリーズはレイズと並び首位となります。その数字は、少なくとも1セーブ以上をマークしている投手の数です。

フィリーズは実に6人の選手が、セーブをマークしています。レイズも同じく6人の選手が記録していますが、最多のアレックス・コロメはマリナーズに移籍しましたから実質的にはフィリーズが最多といってもいいでしょう。


元々シーズン開幕当初はフィリーズにもヘクター・ネリスという固定クローザーがいました。しかしそのネリスは5月に防御率6.75と不振に陥り、12試合の登板で4回も失点してしまいました。これがキャプラー監督に実験を実行させるきっかけとなりました。

 

キャプラーは、チームのリリーフ陣で1番良い選手をクローザーという役割に固定するのではなく試合の最も重要な局面で起用するタイプです。近年では、インディアンスが圧倒的な実力を持つアンドリュー・ミラーを前倒しで起用していましたが、そのイメージです。

 

現在のフィリーズリリーフ陣で、最高の選手はルーキーのセランソニー・ドミンゲスです。ドミンゲスは平均球速97.9マイルの速球を武器に新人ながら、16試合に登板して防御率1.35 WHIP0.45と支配的な投球を続けています。そしてドミンゲスは、様々な場面で使われていて監督からの信頼を裏付けています。

6回に登板した試合数 1

7回に登板した試合数 7

8回に登板した試合数 9

9回に登板した試合数 5

 

しかし好選手を前倒しで使うこと自体は珍しくありません。キャプラーの独創性が光るのはここからです。フィリーズブルペン陣は、初めに見たように傑出した選手がいません。つまりドミンゲスというカードを切ると、次に強力なカードがないのです。

 

これこそが先程指摘したインディアンスとの最大の違いです。インディアンスには、ミラーとコディ・アレンがいます。ミラーを使い切ってもアレンが残っているのです。残りの選手に支配的な投手がいないにも関わらず、ドミンゲスを早い回から使うのがキャプラーの最大の独創性です。

 


ではキャプラーはどうしてこのような変わったやり方を導入しているのでしょうか?

 

その答えはブルペン陣の構成にありました。現在のフィリーズブルペン陣は8人で構成されています。その中で30歳以上の選手は、ルイス・ガルシアとトミー・ハンターだけです。それ以外の選手はMLBレベルでのプレイ実績自体が少ないのです。しかしこれを逆手に取ると、固定された役割で長年プレイしていないので、様々な役割に簡単に対応できるのです。

 

さらにベテランのハンターも、元々は先発投手であり様々な起用パターンに対応できるのです。

 

この実験には懐疑的な声も多いようです。その1人がセイバーメトリクスの元祖的存在であるビル・ジェームズ氏です。彼は2003年にレッドソックスのアドバイザーとして、固定クローザーを置かないことを提案しました。しかしその“実験”は失敗に終わりました。

 

ジェームズ氏は、クローザーには準備が重要であり試合のいつ登板するかを事前に知ることでもたらされる利点を考慮に入れていなかったと語っています。

 

キャプラー監督もその利点の存在を認めながらも、この“実験”を続けるようです。ただし選手から不満が出れば、固定化を検討するともコメントしています。

 

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https://goo.gl/Y9Zzmm