MLBの読み物

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カテゴリ: 翻訳記事

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昨日は父の日でした。私がMLBに関する情報を収集する際に参考させていただいている記者の方や選手も、SNS上で父親との思い出の写真を公開していたりします。



 

 そんなわけで、今回は父の日に関するエピソードをいくつか紹介したいと思います。


①アレックス・コーラと彼の父親の読み物

現在絶好調なレッドソックスを率いるのが、今季から指揮をとる新米監督アレックス・コーラです。コーラと彼の父親に関する話を、ボストングローブ紙のニック・カファード記者が執筆しておられたので紹介したいと思います。

 

コーラ監督の父ホセ・コーラは、アレックスが13歳の時に亡くなりました。ホセは、アレックスが生まれ育った町のリトルリーグのトップを務めていた他にウィンターリーグの実況なども務めていました。父の死因は結腸癌でした。

 

コーラ監督は試合前に、インタビューに答えて13歳の時に父親を失った当時は動揺したが、現在は父と13年間過ごせて幸せだったと語っています。コーラ監督は、父に関するインタビューでは涙を見せていたそうです。現在はコーラ監督自身に4人の子供がいます。


②レンジャーズの新人捕手の激動の1週間

今日のロッキーズ戦で乱打戦に決着を付けたのが、新人捕手ホセ・トリビーノのサヨナラヒットでした。今週の彼は“父親になる”と“MLBデビューを飾る”という2つの人生の思い出となる出来事がありました。

 

先週の日曜日に彼の息子が生まれました。そして今週の火曜日のレンジャーズvsドジャース戦で、ロビンソン・チリノスとマット・ケンプの乱闘が起こりました。

 

これにより、チリノスは1試合の出場停止処分を受けることになりました。そのため現地金曜日の試合でレンジャーズは、控え捕手としてトリビーノが昇格することになりました。この時点では、翌日にチリノスが復帰すれば降格するはずでした。

 

しかしこの試合で、スタメンマスクを被ったカルロス・ペレスが足首を痛めて途中交代となりました。その結果トリビーノが試合途中にMLBデビューを飾ることになりました。

 

翌日土曜日にペレスは故障者リストに入り、トリビーノはチリノスの控えとしてMLBに残ることになりました。

 

そして迎えた今日の試合で、トリビーノは試合途中でチリノスと交代して9回にサヨナラヒットを打ったのです。今週最も幸せだった野球選手かもしれませんね。



*参考

①アレックス・コーラと彼の父親の読み物

Father’s Day always an emotional day for Alex Cora

(https://goo.gl/dTq76N)

Father's Day meaningful for Mariners, Red Sox

(https://goo.gl/eafb6A)

 

②レンジャーズの新人捕手の激動の1週間

Rushing to the park for his debut was just one of this week's crazy moments for new Rangers dad Jose Trevino

(https://goo.gl/HwPE2o)

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https://goo.gl/J68eiC

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こんばんは、今日はフィリーズのブルペン戦略についての記事を紹介したいと思います。今季からフィリーズの指揮官に就任したゲーブ・キャプラーは少しブルペンに関して実験をしているようです。

 

今回紹介する記事は、フィリーズの地元紙の1つであるPhilly.comに掲載されていた記事です。記事のリンクを貼っておきますので、是非こちらにも目を通していただけたらなと思います。

 

(参考)

Phillies manager Gabe Kapler explains his 'different approach' to bullpen management (https://goo.gl/AYY6ne)

 

それではこの記事の概要を見ていきたいと思います。

まずは、今季のフィリーズブルペンについての特徴を簡潔に説明します。

防御率4.00は全球団中19

FIP 3.79は全球団中15

K/9 9.52は全球団中9

BB/9 3.43は全球団中12

成績だけを見ると、良くもなく悪くもない印象を受けます。

 

しかしある数字を見ると、フィリーズはレイズと並び首位となります。その数字は、少なくとも1セーブ以上をマークしている投手の数です。

フィリーズは実に6人の選手が、セーブをマークしています。レイズも同じく6人の選手が記録していますが、最多のアレックス・コロメはマリナーズに移籍しましたから実質的にはフィリーズが最多といってもいいでしょう。


元々シーズン開幕当初はフィリーズにもヘクター・ネリスという固定クローザーがいました。しかしそのネリスは5月に防御率6.75と不振に陥り、12試合の登板で4回も失点してしまいました。これがキャプラー監督に実験を実行させるきっかけとなりました。

 

キャプラーは、チームのリリーフ陣で1番良い選手をクローザーという役割に固定するのではなく試合の最も重要な局面で起用するタイプです。近年では、インディアンスが圧倒的な実力を持つアンドリュー・ミラーを前倒しで起用していましたが、そのイメージです。

 

現在のフィリーズリリーフ陣で、最高の選手はルーキーのセランソニー・ドミンゲスです。ドミンゲスは平均球速97.9マイルの速球を武器に新人ながら、16試合に登板して防御率1.35 WHIP0.45と支配的な投球を続けています。そしてドミンゲスは、様々な場面で使われていて監督からの信頼を裏付けています。

6回に登板した試合数 1

7回に登板した試合数 7

8回に登板した試合数 9

9回に登板した試合数 5

 

しかし好選手を前倒しで使うこと自体は珍しくありません。キャプラーの独創性が光るのはここからです。フィリーズブルペン陣は、初めに見たように傑出した選手がいません。つまりドミンゲスというカードを切ると、次に強力なカードがないのです。

 

これこそが先程指摘したインディアンスとの最大の違いです。インディアンスには、ミラーとコディ・アレンがいます。ミラーを使い切ってもアレンが残っているのです。残りの選手に支配的な投手がいないにも関わらず、ドミンゲスを早い回から使うのがキャプラーの最大の独創性です。

 


ではキャプラーはどうしてこのような変わったやり方を導入しているのでしょうか?

 

その答えはブルペン陣の構成にありました。現在のフィリーズブルペン陣は8人で構成されています。その中で30歳以上の選手は、ルイス・ガルシアとトミー・ハンターだけです。それ以外の選手はMLBレベルでのプレイ実績自体が少ないのです。しかしこれを逆手に取ると、固定された役割で長年プレイしていないので、様々な役割に簡単に対応できるのです。

 

さらにベテランのハンターも、元々は先発投手であり様々な起用パターンに対応できるのです。

 

この実験には懐疑的な声も多いようです。その1人がセイバーメトリクスの元祖的存在であるビル・ジェームズ氏です。彼は2003年にレッドソックスのアドバイザーとして、固定クローザーを置かないことを提案しました。しかしその“実験”は失敗に終わりました。

 

ジェームズ氏は、クローザーには準備が重要であり試合のいつ登板するかを事前に知ることでもたらされる利点を考慮に入れていなかったと語っています。

 

キャプラー監督もその利点の存在を認めながらも、この“実験”を続けるようです。ただし選手から不満が出れば、固定化を検討するともコメントしています。

 

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先週MLBでは2018年のドラフトが行われました。タイガースが全体1位で指名したケーシー・マイズに始まり、合計1214人の選手が指名されました。もちろんその中には、大学への進学を選ぶ選手や大学に残って来年のドラフトで高順位で指名されることを狙う選手もいます。

そのために、当然全員が球団と契約するわけではありません。しかし選手やその家族にとっては、順位の高い低いはあるにせよドラフトで指名されることは大きな名誉だと言えます。

 

そんな中で今回はカブスが最終40巡目全体1208位で指名されたイタマー・ステイナー選手に関する心温まる物語を紹介したいと思います。

 

参考にさせていただいたのは、カブスの地元紙シカゴサンタイムズ紙とジョン・ヘイマン氏の記事です。それぞれそれほど長くないので、こちらにも目を通していただきたいと思います。

シカゴサンタイムズ紙:(https://goo.gl/ektskb

ジョン・ヘイマン氏:(https://goo.gl/gzpsTf)

 



まずは、ステイナーという“有名ではない”選手についてどんな経歴の選手なのかについて触れます。

ステイナー選手の父であるデイビッド・ステイナー氏は不動産投資家など複数の肩書きを持つ人物で、大のカブスファンでもありました。しかし家族はシカゴ近郊ではなく、リグレーフィールドから遠く離れたイスラエルで暮らしていました(ステイナー氏はユダヤ教徒でもありました)

 

ステイナー親子は筋金入りのカブスファンであり、2人の夢はカブスのワールドシリーズ制覇でした。ステイナー氏は息子を含めた子供達を毎年MLBの試合に連れて行っていました。そしてカブスがワールドチャンピオンに輝いた2016年のプレーオフでは、ロサンゼルスで行われたNLCSの観戦にも親子で向かいました。その後カブスは、ドジャースとインディアンスを下して栄光を手にしました。しかしこの観戦以来ステイナー親子が揃ってMLBの試合を観戦することはありませんでした。

 

その年の12月に親子はウガンダに映画の撮影として向かいました。これはthe Come Trueと呼ばれるプロジェクトの1つであり、このプロジェクトはイスラエルが国外追放にした難民たちを助けるためのものでした。

 

父であるデイビッドはクリスマスにウガンダの首都で開かれたパーティーに、カブスのワールドシリーズ記念Tシャツを身につけて出席しました。そこでウガンダの子供達におもちゃをプレゼントしました。その日は素晴らしい1日となりました。

 

しかし翌日に悲劇が待っていたのです。その日映画のクルー達は、約4時間のドライブをしていました。しかしその途中で彼らが乗っていたバスに自動車が衝突したのです。バスには20人弱の人が乗っていましたが、デイビッド・ステイナー氏だけが亡くなりました。当時51歳でした。


息子のイタマーは怪我こそ軽傷で済みましたが、精神的に大きなショックが残りました。しかし彼はその後約2年間ナイルス・ノース高校で野球を続けました。チームでは主にレフトを守り、2番を打ちました。学年が上がるにつれてリーダーシップも発揮しました。

 

父のデイビッドの友人であるデイビッド・ルゲンドルフは、イタマーに対してのサプライズを考えました。彼はカブスのスカウト部長を務めるジェイソン・マクロードにステイナー家についてメールしたのです。クリスマス付近でたまたまメールをチェックしたマクロードはその話に興味を抱きました。

 

その後カブスのエリアスカウトが、ドラフトでの使命のためにイタマーの健康状態に関する情報を得ようとイタマー本人に電話をかけました。

しかしイタマーはこれを高校の同級生達のいたずらだと思い、真剣に聞き入れなかったのです。そして返事もしませんでした。

 

そこでマクロードが再びルゲンドルフにコンタクトを取り、イタマーに事情を説明したのです。

 

イタマーはドラフト前に、39巡目で指名されると聞いていました。しかし彼の名前はそこで呼ばれず一度は落胆したそうです。その後最終的に40巡目で見事に指名されました。その出来事をイタマーは小さい頃からの夢が叶ったと表現しています。

 

イタマーはプロ入りを考えているわけではありません。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に進学して将来的にはビジネススクールに通うことをキャリアプランとしているようです。そして父親が撮り残した映画を完成させたいと考えています。


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ナ・リーグ東地区のブレーブスが絶好調です。現在もう既にシーズンの4割程度が終わったわけですが、ナショナルズを差し置いて地区首位をキープしています。過去3年間負け越しが続いていて、昨年の秋には海外アマチュア選手との契約が無効になるなど明るいニュースが少なかっただけにこの好調に驚いている人も多いのではないのでしょうか?

 

ブレーブスの好調の背景には複数の要因があると思います。

・ニック・マーケイキスの好調

・オジー・アルビースとロナルド・アクーニャの台頭

などもその理由として挙げられる場合が多いです。

 

しかし今回はあえてそこには触れずに、先発ローテーションで昨年より成績を大きく向上させた2人の投手に注目したいと思います。

今回紹介するのは、MLB.comのコラムニストを務めるMike Petriello氏のコラムです。

リンクはこちら(https://goo.gl/RXdrVp)です。

 

この記事では2人の投手が取り上げられています。マイク・フォルティネビッチとショーン・ニューカムの2人です。



詳細な分析を紹介する前に2人の昨年と今年の成績を比較しておきましょう。簡潔に比較するために、今回はFIPのみを用いて比較します。

①フォルティネビッチ

2017FIP 4.33

2018FIP 2.87

②ニューカム

2017FIP 4.19

2018FIP 3.39

 

2人とも明らかに成績が向上しているのが分かります。FIP以外の防御率やwOBA等で比較しても彼らの成績向上は明らかになっています。

 

それでは肝心の彼らは昨年と比較して何が大きく変わったのかを紹介します。ここも2人を分けてみていきます。

 

①フォルティネビッチの場合

フォルティネビッチは元々ポテンシャルの高い選手として認識されていました。昨年の4シームの平均球速が95.2マイルと速く豪速球の持ち主であることがその理由でした。しかし昨年まではボールの素材の良さを生かしきれていませんでした。K/9が特段高い訳でもなければ、BB/9が低い訳でもなく中途半端な成績になっていました。

 

今季のフォルティネビッチの3つの変化は①三振率の増加②四死球率は悪化③HR率が減少です。Petriello氏はこれに対して2つの答えを出しています。

 

(1)速球の球速が上昇している。

95.2マイルから96.3マイルへと速球の球速が上昇しています。速球が速いほど、変化球とのスピード差が大きくなりますし、対応するのが難しくなります。

 

(2)スライダーの使用割合の上昇

スライダーの投球割合が22.0%から27.1%へ増加しています。このスライダーは被打率.116ですから非常に有効な球種だと言えます。さらにPetriello氏が紹介している別の記事では、フォルティネビッチのスライダーの球速が86or87マイルから85マイルへと約1マイル球速が落ちていると指摘しています。

これにより速球とスライダーの球速差が昨年より2マイル大きくなっていると分析しています。

 

以上2点がフォルティネビッチのブレイクの主な要因だと言えそうです。次にニューカムを見ていきましょう。


②ニューカムの場合

ニューカムの問題はシンプルでした。彼は左腕ながら、90マイル代後半の速球を投げられるのが最大の魅力です。しかし決め球のカーブと速球に依存しすぎており、打者に狙いを定められて打たれることが多かったのです。さらに制球力も悪く、昨年はBB/95.13となかなかの荒れ球でした。

 

今季も制球難は大きく改善されていません。しかし今季のニューカムは昨年までと決定的に違うのが、第3の球種チェンジアップを操っていることです。実に昨年の投球割合10%から21%へと倍増しているのです。

 

このチェンジアップの割合が増加したことで、グラウンドボール率が43%から49%へと大きく増加しているのです。これがニューカムの今季の成功の1番の要因だとPetriello氏が分析しています。


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ナショナルズのブライス・ハーパーの周囲が騒がしくなっています。事の顛末をまとめると、複数の匿名の球団幹部がハーパーを批判<ナショナルズのマイク・リゾーGMがそれに反論といった感じです。

 

事件の発端はRobert Murray記者が執筆した記事でした。

リンクはこちら (https://frsbaseball.com/mlb/murray-monday-nl-exec-highly-critical-of-bryce-harper/)

 

この記事の内容をまずは紹介したいと思います。これによるとナショナルズのハーパーが過大評価されているかについて、Murray記者が匿名を条件に3人のナ・リーグ球団幹部から彼らの考えを聞いたそうです。それぞれの意見は

 

1人目

彼は過大評価されている。彼は敗者だ。チームのことより自分のことを考えている。私に選手獲得資金を活用する権利があるならば、彼の獲得には使わない。その代わりに、有力な選手を2人あるいは3人獲得する。

 

2人目

彼は負け組だ。彼とは契約しないし、勝ち組の選手を2,3人獲得することに使うよ。

 

3人目

もし彼が10$300Mの契約をこのオフに得たら、かなり驚くだろう。私なら10年という長期の契約を提示しないし、単年の契約額もそんなに高く設定しない。彼にそんな価値はない。自己中心的で負け組の選手だ。

 

もちろんハーパーが世代屈指の選手であり、彼には相当額の契約を与える理由があると考えている球団幹部も存在するとは擁護しています。しかし基本的なニュアンスとしては、今季不振のハーパーに対して非常に批判的な記事だなという印象を受けました。

 

これに対して黙っていなかったのが、ナショナルズのマイク・リゾーGMです。元の記事は現地時間の月曜日に発表されたわけですが、それに対してリゾー氏は火曜日の試合前の打撃練習中にコメントしたそうです。詳細はワシントンポスト紙に掲載されていますので、是非こちらもお読みください。

 

リンクはこちら(https://www.washingtonpost.com/news/nationals-journal/wp/2018/06/12/mike-rizzo-defends-bryce-harper-after-anonymous-executive-calls-him-a-selfish-losing-player/?noredirect=on&utm_term=.8be5dd4b7c6e)です。

 

特にリゾーGMが反論しているのが、Losing Player(負け組、敗者)という部分です。これに対しては、かなり怒っているようです。

 

「ハーパーは新人王、5回のオールスター選出、MVPを受賞していて、彼がMLBに昇格してから彼は他の誰よりも多くの勝利を掴んできた。

彼のどこが敗者なんだ?ナショナルズに様々な形で貢献している選手だ。彼の慈善活動は他の選手とは比較できないほど素晴らしい。彼は勝者だ。現在も勝者であり、将来的にも彼は勝者であり続けるだろう。この名前も明らかでない情報源からの言葉は卑怯だ。」

 

その後も、リゾーGMはもしナショナルズ内にハーパーに関してこのように言った人がいるならば解雇するやこのようなやり方はプロではないと激昂しています。放送禁止用語も飛び出しており、彼の怒りがどれほどかよく分かります。

 

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https://goo.gl/TXDMwD

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