MLBの読み物

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カテゴリ: 翻訳記事

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今日の翻訳記事では、MLBの元超有名クローザーが意外な形で別のスポーツに参戦しているというニュースを紹介します。

 

アイキャッチ画像の髭のインパクトが強い男性のことはMLBファンならばご存知の方も多いと思います。そうです、元ジャイアンツのクローザーであるブライアン・ウィルソン選手です。

ウィルソンは2014年を最後にMLBの舞台からは遠ざかっています。元々はジャイアンツの生え抜き選手であり、20102012年のワールドシリーズ制覇に貢献します。その後ドジャースに移籍しましたが、現在は無所属です(正式に引退を表明しているわけではないようです)

 

そんなウィルソンですが、別のスポーツに挑戦していたそうなんです。それを詳しく書いているのが、今回参考にさせていただいたサンフランシスコ・クロニクル(https://goo.gl/qC9MWy )の記事です。

 

ウィルソンはイギリスのAmazon Prime Videoが製作しているThe Grand Tour

という自動車番組のシーズン2にゲスト出演しているのです。この番組は日本語字幕もついて、日本でも視聴可能です。

 

ウィルソンはこの番組のシーズン2のセレブリティー・フェイスオフという企画に特別ゲストして出演しています。これで彼は南アフリカのクリケット選手ケビン・ピーターセンと自動車レースを行なっています。

 

この企画で選出されるセレブには共通項があり、ウィルソンとピーターセンはともに小さなボールをキャッチすることでお金を稼いでいる人物という共通項で対決することになっています。

 

ウィルソンは現役時代とは打って変わり髭を綺麗に剃って番組に出演しています。ただし現役時代から問題児の側面も持っていた彼らしく、服装は非常に奇抜なものとなっています。この見た目のウィルソンがレースに勝ったのかは、番組を見てからのお楽しみということにしましょう。

 

 

ところで、レース前に番組MCを務めるジェレミー・クラークソンとのインタビューで彼は16歳で初めて免許を取得してから初めの2日間で起こった出来事を振り返っています。

 

なんと免許取得1日目にスピード違反切符を切られたといい、そして2日目には警察とカーチェイスをして、逮捕されたと振り返っています。

彼はその後も何度も警察に逮捕されているそうです。

こちらがその番組の予告編です。ウィルソンも途中で写っています。 

*感想

野球ではクローザーにかかる負担が大きいとされていて、精神的に疲弊する選手も多いポジションです。しかしウィルソンは運転免許取得2日目で警察に逮捕されているような選手ですから、メンタルのタフさは相当なものだったと思います。そんな彼は現在まだ36歳。バートロ・コロンは45歳でも投げていますし、また再び本業の野球で活躍する様子を見たいなとも思います。


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レッズのセカンドスクーター・ジェネットの快進撃が止まりません。ジェネットは元々ブルワーズに所属していました。しかし彼はブルワーズで結果を残せずに、約1年前にレッズにクレームされる形で移籍しました。その時は特に注目されなかった移籍でしたが、彼はその才能を見事に開花させています。

 

ジェネットは昨年.295/.342/.874と好成績を残しましたが、今季はそれを上回る勢いです。ここまで.342/.378/.948の成績で打率リーグ2位長打率リーグ3OPSリーグ4位の成績を残しているのです。

さらに先月5月は月間MVPも受賞するなど、今季の成績だけで見ればチームメイトのジョーイ・ボットをも凌ぐ勢いです。

 

ブルワーズの控えセカンドだった選手がリーグを代表する打者へと急成長した理由は何のかをMLB.comMike Petrielloさんが解説しているので、紹介したいと思います。原文のリンクはこちらから(https://www.mlb.com/news/how-reds-scooter-gennett-turned-into-slugger/c-279736952)

 

1つの仮説としてPetriello氏はジェネットが打者天国の一つであるグレートアメリカンボールパークを本拠地とするレッズに移籍したことを挙げていますが、これはやんわりと否定しています。その根拠はジェネットのホームでの成績(.311/.353/.586)とアウェイでの成績 (.310/.353/.509)に明確な違いがないことを挙げています。

 

To hear Gennett tell it, the change actually began in his final year in Milwaukee, thanks to Brewers assistant hitting coach Jason Lane, who played in parts of seven Major League seasons for the Astros and Padres. Lane encouraged Gennett in a 2016 batting cage session to change where his back foot landed on his swing, falling behind him (towards the backstop) rather than directly under him. This would have the effect of adding some elevation to a previously flat swing

 

どうやらジェネットの覚醒はブルワーズ最終年から始まっていたようです。彼はチームのアシスタント打撃コーチに助言を受けたそうで、打席での後ろ足の位置を身体の真下に置くのではなくて、もっと後ろに置くように言われたそうです。その結果スウィングに角度がついたと言います。

 

この結果ジェネットはHARD-HIT%が上昇しています。原文のページにジェネットのHARD-HIT%の年別グラフが記載されています。これを見れば、ジェネットのHARD-HIT%の急上昇は一目瞭然だと思います。

 

Petriello氏は最後に興味深い指摘をしています。

 He never said anything about "launch angle" or elevating or any metrics at all, but the effect was basically the same

「ジェネットは、打球の角度やStatCastのデータの利用などについては一切言及していない。しかし彼の施した調整は、それらを利用した場合と同じ効果を生んでいる。」

YouTubeでジェネットが自身の打撃について解説した動画がありましたので、貼っておきます。英語が聞き取れなくても、身振り手振りから参考にできるところもあるかもしれませんので是非見てみてください。


 

 

*感想

ジェネットはブルワーズ時代から豪快なスウィングで魅力的な存在でした。その彼が昨年は1試合4HRを記録するなど、ブレイクしたのはこのような背景があったとは面白いです。現在オールスターゲームのファン投票期間中ですが、彼はセカンドとしてファン投票で選出されても面白いかなと思います。

 

個人的には、彼がレッズ移籍後ブレイクした理由のひとつに出場機会の増加もあるのではないかと思います。ブルワーズの内野陣は激戦区で毎日試合にスタメンで出ることは容易ではありません。しかしレッズはブルワーズよりは競争が緩く、ジェネットも出場機会を多く確保できたことで打席での感覚が変わらなかったのも大きな要因かと思います。

 

今後も彼の活躍に期待したいと思います。

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今回はESPNBuster Oleny 氏によるOlney: What's behind the decline and fall of the stolen base?という記事を紹介したいと思います。

リンクはこちらから

(http://www.espn.com/blog/buster-olney/insider/post/_/id/18244/olney-whats-behind-the-decline-and-fall-of-the-stolen-base) 

この記事ではMLBにおける盗塁数の減少の理由について触れています。

今回の記事の前提にあるのは、現在のMLBでは盗塁数が減少傾向にあるということです。ここ30年間の1試合あたりの盗塁数の変化を見てみます。

1988 0.79 

1993 0.72

1998 0.68

2003 0.53

2008 0.58

2013 0.55

2018 0.50

となっていて減少傾向にあるのは明らかだと言えます。

それではその背景には何があるのでしょうか?オルニー記者の分析とともに見ていきましょう。

 

理由その1 現在はHRの時代

近年MLBではフライボールレボリューションなどの影響もあってHR数が増加傾向にあります。これが盗塁数の減少にも繋がっているようです。

 

打者がよりHRを狙うようになったことも盗塁減少に関係しているかもしれませんが、オルニー記者はもっと別の理由があると説明します。

それは、打席に入る打者は走者が盗塁を狙っているのが気になって打席で集中できないということです。走者が盗塁を狙わずにいれば、打者は投手との対戦に集中できるというわけです。

さらに仮に走者が盗塁に成功した場合、バッテリーはより打者に対して厳しい配球をするはずで打者はHRを打ちにくくなるとも言えます。

 

理由その2 故障のリスク

盗塁は常に故障と隣り合わせのプレイです。仮にチームの主力がそれほど大事でない場面で盗塁を狙い故障すれば、チームへのダメージは大きくなります。

 

つまり1つの盗塁で得られる得点のチャンスと故障のリスクを天秤にかけた場合に、リスクの方が大きいということになります。

 

理由その3 精度の高いリプレイ検証の導入

 

現在のMLBの試合ではいわゆるチャレンジ制度が導入されています。これにより、走者はわずかな隙に手をベースから離してもアウトになります。

 

つまり走者は昔のリプレイ検証が無かった頃と比べて、気を配らないといけないことが多くなりアウトになる可能性も高いのです。


 理由その4 盗塁成功率

 

アスレチックスのマネーボール以来現在のMLBはデータ分析がチームの意思決定において大事にされていて、それが盗塁にも影響しているようです。

オルニー記者によると、成功率が80%を割っている選手は盗塁しないように言われるとのことです。

 

例えば2014年に31盗塁を記録していた現在タイガースのレオニス・マーティンは昨年11回盗塁を狙い7回の成功に留まっていて今季は2盗塁しか記録していません。

 

理由その5 牽制の変化

 

投手が繰り返し走者を牽制するとブーイングが起こります。しかし投手が何度も牽制をするのは、走者をアウトにするためには合理的です。このようにしつこい牽制があることも、走者を走りにくくしているようです。

 

理由その6 投手のメカニクスの変化

投手が投球のデリバリーをより効率的な方法に変更していることも、盗塁の減少に関わっているようです。パドレスで今季デビューしたジョーイ・ルケッシも非常に牽制がうまいです。マイナー時代から牽制の極意のようなものを学んでいるのかもしれません。

 

理由その7 捕手像の変化

現在のMLBでは捕手に求められるものが変わっているとオルニー記者は指摘しています。かつては大柄でスピードのない選手が多いポジションでしたが、現在は守備重視で小柄で送球が上手い捕手が多いと指摘しています。

 

*感想

確かにMLBの試合を見ていても盗塁数の減少を感じる機会は多いです。その結果30-30といった概念も形骸化する日が来るかもしれません。これからは選手のスピードは盗塁数ではなく、守備に生かすためのものとして認識されることも多くなるのではないかと改めて感じました。

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今週末にヒューストンでは、レッドソックスとアストロズのシリーズが行われています。今回のシリーズでは、レッドソックスの監督としてアレックス・コーラがヒューストンに凱旋しています。

コーラは昨年アストロズのヘッドコーチとして、ワールドシリーズ制覇に貢献。その後シーズンオフにジョン・ファレルの後任としてレッドソックスの監督に招聘されました。

 

コーラがレッドソックスの監督に抜擢された理由として監督就任時に指摘されていたのが、選手とのコミュニケーション能力の高さとデータ分析への理解力の高さでした。コーラが率いるレッドソックスは実際に絶好調で、今日の日程を終えた段階で、3919敗で勝率はMLB1位を記録しています。

これには様々な要因があると思います。新加入のJD・マルチネスは開幕当初こそイマイチでしたが、その後は鬼のように打ちまくっていて19HRMLB1位です。

その一方でデビッド・プライスの復調やムッキー・ベッツがMVP級のシーズンを過ごしていることも大きいでしょう。そこで今回は好調レッドソックスに新監督コーラがもたらしている好影響を紹介したボストン・グローブの記事を紹介したいと思います。

 

例によって今回もニック・カファード記者の記事を紹介します。リンクはこちら。https://goo.gl/Vk1grd

 

アレックス・コーラが新監督に就任した時、彼はアストロズのチーム運営をレッドソックスに持ち込んだ。また彼は数人のレッドソックスの選手をアストロズの選手と比較して、レッドソックスの選手にアストロズの選手が実行している優れたやり方を実行するように願った。

 

例えば、ムッキー・ベッツはもっとジョージ・スプリンガーのようにプレイするべきだとコーラは考えていた。スプリンガーは初回の先頭打者として打席で積極的に振る舞い先頭打者HRを放つことで相手チームに大きな痛手を与えている。ベッツは今季実際に、カウント浅めから積極的に振っていき先頭打者HRも放っている、まさにコーラが望んだように。(ベッツは今季既に3本の先頭打者本塁打を記録している。たった2ヶ月で。)

 

さらにコーラはザンダー・ボガーツをカルロス・コレアと比較してボガーツはコレアと同じくらい攻撃的な選手になれると考えた。コーラはシーズンオフにボガーツと直接話して、ボガーツがもはや球界最高のショートを決める論争の中に含まれていないと彼に伝えた。コーラは彼にフランシスコ・リンドーアやコレアと同じレベルになれる選手だとも伝えた。ボガーツは今シーズンの活躍で、コーラのその言葉が間違いでなかったことを証明している。

 

コーラはアストロズで過ごした1年間で監督としての判断力や思考法を身につけたと語る。そして彼は昨年逆側のベンチで見ていたレッドソックスの選手とアストロズの選手との共通点を見出していた。

 

その1人がドリュー・ポメランツで、コーラは彼を初めて見たときにサイ・ヤング賞受賞経験もあるダラス・カイケルの存在を思い出していた。

カイケルはいつも私に、彼の投球デリバリーにとって後ろの足の使い方がどれだけ重要かを言っていた。それで今はポメランツに後ろの足の使い方を力説している。ポメランツも後ろの足の使い方で苦労しているからね。

 

他にもコーラはマーウィン・ゴンザレスをブロック・ホルトと比較していて、アンドリュー・ベニンテンディをジョシュ・レディックと比べている。またデータ分析を重視するやり方の側面でも、レッドソックスとアストロズを重ね合わせている。しかしレッドソックスがアストロズと一点だけ異なるのは、彼らがスカウト陣からの情報量も多いことだろう。(アストロズはよりデータ重視主義だ。) 

 

コーラは、ボガーツはさらにパワーを発揮すると信じていると語り、さらに彼はボガーツが単打ばかりで打率.330打つよりも.300でもっと長打を打つ方が良いと語っている。
(実際にボガーツは今季既にシーズンが開幕してから2ヶ月で8本のHRを放っている。彼が去年5月を終えた時点では2本しかHRを打っていませんでした。 )

 

 

*感想

今回の記事の冒頭でも触れたように、現在のレッドソックスは強力打線が売りです。新加入のJD・マルティネスだけでなくベッツやボガーツもそれに貢献しています。特にベッツは一昨年のMVP級のシーズンから昨年は少し成績を落としました。その彼が今年復活しているのは、コーラ監督からの助言があったんですね。さらにボガーツも成績を向上させている背景には、コーラ監督の言葉があったと言えるはずです。カイケルと比較された投手のポメランツは現在苦戦していますが、彼の復調にも期待したいですね。

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今回は夏のトレード市場における三塁手の価値についての記事を紹介していきたいと思います。現時点で既にナ・リーグ西地区以外は首位と最下位のゲーム差が10を超えていて、夏のトレード市場でどのチームが買い手に回るのかあるいはどのチームが売り手に回るのかが少しずつ見えてきました。

 

今季はブルワーズのコリー・クネーベル(防御率5.06)やアストロズ(現ブルージェイズ)のケン・ジャイルズ(防御率4.76)と苦戦しているリリーバーが多く、そのあたりのリリーフ投手や先発投手のトレード市場は非常に盛り上がるだろうと思います。

 

その一方でホットコーナーと呼ばれるポジション、特に三塁手を売りたいチームには厳しい夏になるかもしれません。その理由をESPNBuster Olney記者が分かりやすく解説してくれた記事を見つけましたので、引用していきたいと思います。

引用元のリンクはこちらです。是非こちらも読まれることを推奨します。

 

今年の夏のトレード市場の1番の目玉選手はオリオールズのマニー・マチャドだ。彼は今年驚異的なシーズンを過ごしていて、打率.324(AL7)OPS1.004(AL6)を記録しています。

 

しかし三塁手を探すならば、マチャド以外にも優れた選手が多数存在するとオルニー記者は分析しています。オルニー記者が実際に挙げているリストは

・ジョシュ・ドナルドソン(TOR)

・マイク・ムースタカス(KC)

・ブランドン・ドルーリー(NYY)

・マット・ダフィー(TB)

・エイドリアン・ベルトレー(TEX)

です。

 

ドナルドソン、ムースタカス、ベルトレーらは勝率が低いチームに所属していて、ダフィーが所属するレイズは先日主力のデナード・スパンとアレックス・コロメを放出しているのでこのリスト入りも納得です。

1人違和感があるのが、勝率6割越えのヤンキースに所属しているドルーリーでしょう。オルニー記者はヤンキースにミゲル・アンデュハールというルーキーが定着しつつあることを理由にドルーリーの名前を挙げています。

 

以上で見てきたように今年は売り手に三塁手を売りたいチームが多いのは明らかです。

 

次は買い手側の事情を見ていきます。

 

Rival evaluators think it’s possible the Indians could look for a third baseman, and if they land somebody, they could slide Jose Ramirez over to second base. 

 

ライバルチームの幹部は、インディアンスが三塁手を探して、もし本当に誰かを獲得すれば現在3Bでプレイしているホゼ・ラミレスを2Bにコンバートする可能性があると考えている。

 

さらに好調ブレーブスも3Bのレギュラーが固定されていないチームで、ライアン・フラハティやホセ・バティスタらを起用しています。先日サヨナラHRを打ったヨハン・カマーゴもいますが、誰か新しい選手を獲得する可能性もあるとオルニー記者は分析しています。

 

しかし本当に重要なのはこの後で、多くの今年買い手に回りそうなチームには既に3Bのレギュラーが揃っていることです。

実際に勝率5割を超えているチームあるいはコンテンダーになりうるチームにはレギュラー三塁手が存在します。

 

・ラファエル・ディバース(BOS)

・アレックス・ブレグマン(HOU)

・カイル・シーガー(SEA)

・ザック・コザート(LAA)

・アンソニー・レンドン(WSH)

・マイケル・フランコ(PHI)

・トッド・フレイジャー(NYM)

・トラビス・ショウ(MIL)

・クリス・ブライアント(CHC)

・マット・カーペンター(STL)

・ノーラン・アレナド(COL)

・ジェイク・ラム(ARI)

・ジャスティン・ターナー(LAD)

 

つまり三塁手市場は売り手は多いが、買い手は少ないという状況に陥っています。これを考慮すると、圧倒的に交渉で有利なのは買い手側になると思います。そう考えるとオリオールズがマニー・マチャドを売り抜くのは容易ではないのかもしれません。


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